生理が1~2週間遅れて、『妊娠かも…』と気付いた時には、もう妊娠2ヶ月。
『アルコールは赤ちゃんに悪影響がありそうだけど大丈夫かな…』
そんな心配が頭をよぎります。
妊娠超初期に、お酒を飲んでしまった場合の影響について調べてみました。
妊娠超初期にお酒を飲んでしまった
定説1:胎盤が出来るまでは影響が少ない
胎児とママの栄養のやりとりは、胎盤を通じて行われます。
ですから、薬やアルコールなど、胎児に心配な成分は直接胎児が受け取る危険は少ないとされています。
ただし、ママのからだが受ける影響はゼロではありません。
妊娠に気付いてから、気をつければ十分リスクを避けられるというのが一般的な説です。
定説2:妊娠超初期でも摂取量による
ところが、妊娠超初期でも摂取量によっては、胎児に影響が出るという説も存在します。
マウスへの実験で、妊娠3~4週にアルコールを投与された場合、多動傾向、発達遅滞、顔や頭骸骨の組織異変がみられ、胎児性アルコール症候群と似た症例が起こる事がわかっています。
ヒトの場合、影響が出るのはワイングラス6杯以上、ビール350ミリリットル缶6本以上といいますから、『深酒を連続している状態』でリスクがあると考えられます。
妊娠を予定しているなら避けるのが◎
『気付かずにちょっと飲んでしまった』くらいの場合には、神経質になる必要はなさそうですね。
ただ、妊娠超初期~妊娠初期は、胎児の大切な器官、中枢神経・心臓・手足・目・鼻が形成される時期です。
アルコールの分解で肝臓などにかかる負担も心配ですし、中期以降は神経系の発達への影響が心配されます。
妊娠に備えて量を制限、妊娠に気付いたら禁酒を基本に考えると良いでしょう。
妊娠中は絶対飲んじゃダメ?
アルコール代謝は個人差が激しいので、普段から弱い人はやめておいた方が良いでしょう。
アルコール代謝に問題が無く、飲めないことがストレスになってしまうほどなら、お医者さんに相談してみましょう。
「出来れば飲まない方が良いと思いますが、たまにビール1杯飲むくらいは、影響ないですよ。」
という場合が多いと思います。
アルコールが胎児に与える影響
妊娠に気付くまでに、『飲み会があってアルコールを飲んでしまった。』というレベルなら、あまり影響がないようですが、日常的に一定量以上を飲んでいる場合は、注意が必要です。
アルコールの胎児への影響についてみてみましょう。
アルコールは細胞や神経に影響
赤ちゃんの体にアルコールが入った場合、分解するのにママの2倍の時間がかかります。
当然、ママよりもアルコールの影響を受けやすく、細胞や神経の発育不良との関係は見逃せません。
- 超初期~初期:中枢神経・心臓・手足・目・鼻
- 中期以降:神経・脳の発育
お酒との付き合い方で、リスクが高くなるのは事実です。
胎児性アルコール症候群
<特異顔貌>
小頭症、人中形成不全、薄い上唇、短い眼瞼裂
<成長障害>
子宮内胎児発育遅延、出生時の低体重・低身長
<中枢神経障害>
発育遅延、多動症、精神発達遅滞、行動異常
重要な器官の成長にかかわる時期だけに、お酒の量が常に多い人、高齢出産で影響を受けやすい人は、アルコールによる障害が出る可能性が否定出来ません。
- アルコール中毒、キッチンドランカー
- 40歳以上の高齢出産
妊娠を考えているなら、お酒をやめた方が良いでしょう。
アルコール中毒なほどの飲酒は、自分のカラダもむしばみます。
妊娠を望むなら、赤ちゃんのためにも治療、医師への相談から妊活を始めていきましょう。
影響が出るアルコール摂取量とは?
1日のアルコール摂取量90ミリリットル以上で影響が高くなり、120ミリリットルで胎児性アルコール症候群の発症が30%~50%になるとされています。
「これ以下の飲酒量であれば胎児に影響がない」という安全量は確立されていない。一般には「胎児性アルコール症候群」は大量のアルコールを常習している母親から生まれている。
引用:https://www.jaog.or.jp/sep2012/JAPANESE/jigyo/SENTEN/kouhou/insyu.htm
妊娠中のお酒との付き合い方
職場の飲み会が…
妊活を宣言しているのなら、『摂生しているのでソフトドリンクで』と言えます。
口外したくないなら、ダイエット中、禁酒中などなにか理由をつけて、飲まなくて済むようにするか、とりあえずビールで乾杯だけちょっと付き合って、飲んでいるフリをして切り抜けるのが得策でしょう。
もともとお酒が好き…
お酒が好きで自分へのご褒美で晩酌するほど…なんて場合には、禁酒できるか心配なところです。
でも、もともとお酒が好きな人には、アルコール代謝が良い人もいますし、ガマンすることがストレスになるくらいなら、たまにビールかワインを1杯程度なら、神経質になる必要は無いでしょう。
前出の<1日のアルコール摂取と胎児への影響>を参考にして、適量を守って付き合いましょう。
フランスでは、妊婦さんでもワイン1杯くらいはむしろ体によいとされているようです。
つわりで飲めなくなる人も多い
つわりで飲めなくなる人も多いので、むしろ、中期以降のことも考えて、この機会に禁酒して見るのもいいでしょう。
炭酸水、ノンアルコールビールなど、雰囲気だけ楽しめる飲料を取り入れて、アルコールを避けられる方法もあります。
おわりに
○ 妊娠超初期のアルコールはあまり気にしなくても大丈夫な人がほとんど。
○ 重要な器官の発育期なので、大量のアルコールは影響を与える。
○ アルコール中毒レベルの飲酒、高齢出産の場合はリスクが上がる可能性あり。
それぞれのママの状況によってもアルコールとの付き合い方は変わってきます。
飲み過ぎに気をつけて、元気な赤ちゃん出産に向けて、カラダをいたわっていきましょう。