妊娠すると血液量が急に増えて、貧血になりやすく、普段から貧血気味だという人は注意が必要ですね。
めまいやたちくらみ、爪が白っぽい、動悸や息切れ、いつもだるいなど感じている場合は貧血の可能性大です。
- 貧血対策に良い方法は?
- 妊娠初期の貧血の影響は?
- 貧血が続くと流産しやすいの?
そんな妊娠初期の貧血で感じる心配や不安を解消していきましょう♪
妊娠初期の貧血の判断と対処
妊娠中は貧血になりやすいとよくききますし、
もう1度検査してヘモグロビンの値が10を切るようなら鉄剤で薬と注射療法をしようと言われました。
正直不安です。引用:ヤフー知恵袋 himaburoさん
妊娠前から貧血傾向がある場合には、妊娠後に貧血になることが多いです。
妊娠すると赤ちゃんに酸素や栄養を補給するため血液量が増えますが、赤血球量の増加が追いつかないまま血漿(けっしょう)成分が増えてくると、赤血球濃度が薄まった状態になります。
15週くらいまでの検査の数値の目安は?
- 白血球数 5540~9280(/m㎥)
- 赤血球数 383~453(万/m㎥)
- ヘモグロビン 11.5~13.5(g/dl)
妊娠初期に血液検査を行いますが、妊娠していない人の数値と比べて赤血球やヘモグロビンの数値は低めに設定されています。
妊娠後期のヘモグロビン基準値は『10.5~12.3(g/dl)』で、10.5(g/dl)以下は治療の対象です。
貧血と診断されたときの治療法
『食事療法』
鉄分の多い食事を摂る、サプリメントを利用するなど。
『鉄剤の服用』
病院で要治療となった場合、食事だけで回復できない場合には鉄剤を処方されることがあります。
ただし、便秘や吐き気などの副作用が出ることもあります。
『点滴・注射』
薬剤を点滴・注射して、貧血改善します。
貧血傾向がある診断が出たら、『食事指導』で改善をスタートさせますが、貧血・つわりの度合いによっては、点滴や注射での治療を行うこともあります。
妊娠初期の貧血の対策・鉄分の吸収を上げるには?
ヘム鉄と非ヘム鉄って知ってる?
『ヘム鉄』
肉や魚に多く、非ヘム鉄と比べて5倍も吸収率が高いのですが、ヘム鉄食材中心に食べていると、ビタミンやミネラルが不足しがちです。
『非ヘム鉄』
ほうれん草などの野菜に多いですが、ヘム鉄比べると吸収率が低くたくさん食べなければなりません。
しかも、ほうれん草などシュウ酸が多い野菜では、尿管結石のリスクが高くなるというデータもあります。
できるだけバランス良く食べれば、それぞれの欠点を補いあって、鉄分の吸収効果を大きくできるということなのです。
食事で鉄分を摂るメリット
貧血の診断が出たら、鉄剤を処方されることが多いですが、吐き気や便秘といった副作用に悩まされる場合も多く、食事で改善できるのならそれに越したことはありません。
鉄の吸収を妨げる因子とサポートする因子を知って相性のよい組み合わせで食べるのがベストです。
『妨げる因子』
- タンニン(コーヒー、紅茶、緑茶等)
- フィチン酸(穀物の外皮、玄米等)
- 食物繊維(おから、大豆、穀物の外皮、海藻類)
『サポートする因子』
- CPP(カゼインホスホペプタイド)
- ビタミンC
- タンパク質
鉄剤をお茶で飲まないようにと言われるのは鉄分と結びついて、吸収効率を落としてしまうからなのです。
また、CPP、タンパク質、ビタミンC と一緒に摂ると吸収が良くなります。
CPPは、牛乳に含まれるタンパク質で、カルシウムや鉄分などの吸収を高める働きがあります。
ヘム鉄の多いレベーや牛肉、豚肉を中心に、牛乳や果物、野菜を組み合わせて食べると、効果的です。
鉄分吸収アップのポイント
鉄分吸収作戦1 鉄鍋を使う
フライパンを鉄にしたり、鋳物のスキレットで調理すると、自然に鉄分アップします。
酢やケチャップなど酸性の調味料で煮込むとより溶け出す鉄が多いので覚えておきましょう。
鉄分吸収作戦2 ヘム鉄食材を良い組み合わせで
レバー、牛肉や豚肉、ビタミンCの多い野菜や果物、乳製品の組み合わせは、鉄分の吸収をアップしてくれます。
鉄分吸収作戦3 常備菜・ナッツ・ドライフルーツなどを活用
ひじきの煮物、アサリの時雨煮、レバーペーストなど、作り置きができるおかずがあると少しずつしか食べられないときにも鉄分をプラスできます。
くるみやゴマ、アーモンド、プルーンなど、ナッツやドライフルーツにも鉄分が豊富な食材がありますから、食べる量が減っている場合、チョットつまむ、シリアルにトッピングするなどしてしてみましょう。
<鉄分吸収実践レシピ>
①スキレットでトマト煮込み
<材料:牛モモ薄切り200g、玉ねぎ1/2、しめじ1/3パック、トマト水煮缶1缶、コンソメキューブ1、スライスチーズ適量>
1.牛モモ薄切りに塩コショウし、軽く小麦粉をまぶして丸めておく。
2.スキレットにオリーブオイルを熱し、1の肉ボールを焼き目がついてまとまるまで焼きます。
3.玉ねぎ薄切り、しめじ、トマト水煮缶、コンソメキューブをスキレットに入れ煮込みます。(スキレットのサイズで水煮缶の量を調節)
4.10分ほどコトコト煮込みます。仕上げにチーズをプラスします。
*2でガーリックを加えると良いですが、手順を減らしたい場合は、コンソメの味付けでまあまあの仕上がりになります。
②アサリ入りひじきの煮物
<材料:アサリ1パック、ひじき、人参1/3、小揚げ1枚、料理酒30CC、めんつゆ30CC>
1.アサリは砂出ししてよく洗い、料理酒をふりかけ軽くラップをして3分から5分、口があくまで様子を見ながら加熱します。
2.ひじきは水につけて戻し、ザルにあげておきます。
3.人参、小揚げを千切りにします。
4.アサリの身を外し、めんつゆを3倍に薄めただしにいれ、ひと煮立ちさせます。
5.人参、小揚げ、水を切ったひじきを加え、10分程度ダシが減ってやや煮詰まるまで煮ます。
③プルーンヨーグルト+シリアル
<材料:プルーン適量、プレーンヨーグルト1/2パック、キウイ1個、このみのシリアル>
1.ヨーグルトにプルーン、オレンジピールなど好みのドライフルーツをつけておく。
2.シリアルボールに1を盛り付け、シリアルと、キウイのスライスを盛り付ける。
*くるみやアーモンドをトッピングしても良い
妊娠初期に貧血があるとどんな影響がある?
妊娠初期に貧血だと赤ちゃんも貧血?
ママが貧血だと、カラダがだるくて重い、立ちくらみや動悸など、ツライ症状が出やすくなります。
酸素を運ぶ機能が落ちているので、赤ちゃんの発育への影響が心配されます。
ただし、ママが貧血でも、必要とする養分は卵黄嚢(らんほうのう)から受け取っています。成長が進めば、自分の造血機能も備わってきますから、赤ちゃんの血液そのものが貧血になることはないと言われています。
妊娠初期の貧血と流産の関係は?
流産の原因としては、①染色体異常、②母体の”命のキケン”、③腹部への外的な刺激・衝撃が考えられます。
貧血そのものが直接流産の原因になることはないと言われていますが、卵子の質を決定するときや、着床して胎盤をつくる過程で染色体異常が起これば流産のリスクは高くなりますし、母体の体力が持たない状況があれば、”流産につながらない”と保証できません。
また、貧血が起こると、めまいやフラつきが出やすくなりますから、転倒してお腹を打ってしまうかもしれません。
安産のためには、貧血を、できるだけ改善したいのです。
おわりに
- 妊娠初期は貧血になりやすいので鉄分補給に務める
- どうしても食べられなければ医師に相談して程度に応じた治療を受ける
- 貧血が、流産の原因に直結することはないけれど、改善したほうが良い
貧血そのものが流産の原因になるわけではありませんが、ふらつきやめまいでの転倒が心配です。
つわりなどで食事が上手く摂れない場合には、医師に鉄剤を処方してもらい、食べられるようになったら鉄分を意識した食事を摂るようにしましょう♪