つわりに加え、寒気に悩まされているという方は結構いらっしゃいます。
吐き気だけでも辛いのに、寒気まであると妙に心配になってしまいませんか?
流産の恐れはないのだろうか?
頭痛や下痢の症状もあるけど、これはつわりじゃなくて他の病気じゃないのかな?
そもそもどちらにも有効な対策はあるの?
いろいろ不安ですよね。
実はつわりと寒気は、意外にも関係性が深いもの。
基本的には、そこまで深刻に考えなくて大丈夫です。
そこで今回はつわりと寒気に焦点をおいて、ご紹介していきたいと思います。
妊娠中の寒気はどんな要因が?
体温が上昇するため
妊娠すると黄体ホルモンという女性ホルモンの働きで、通常なら周期的に下がるはずの体温が高いままの状態になります。
個人差はありますが、通常の体温より0.3~0.5℃高くなると言われています。
「体全体にほてりや熱っぽさを感じる」ということがよく言われることですよね。
しかしこの体温の高さを実感せず、寒気を感じる人もいます。
ホルモンの作用に体がついていけていないからです。
また体温が高いのに外気温がそれより低いため、寒さを感じるという人もいます。
妊娠超初期の体温の変化については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
自立神経の乱れが生じるため
妊娠するとその体の変化から自律神経の乱れが生じやすくなります。
自律神経の乱れは血管の収縮を招いてしまうことがあります。
そうなると体温調節がうまくいかなくなり、寒さを敏感に感じ取ってしまうことがあります。
貧血状態になっているため
あなたが妊娠中期・後期ならこの原因が考えられます。
この頃ママの血液は妊娠前に比べ、大幅に増加している状態です。
しかし量は増えるのですが、その中に含まれる赤血球の量はさほど増加しません。
そのため血液は薄まった状態。つまり鉄分不足で貧血になりやすいのです。
貧血になると体温が下がり、寒気を感じるようになってきます。
つわりと寒気の関係性は?
どちらも自律神経の乱れで生じることがある
つわりも自律神経の乱れが要因となって生じているのでは?と考えられています。
妊娠初期症状としてあげられる眠気・頭痛に関しても自律神経の乱れで生じることがあります。
これらと同じく寒気もつわりの一種では?と言われているようです。
食事がまともにできないことが寒さに繋がっている
あなたはつわりで思うように食べられない。
食べてもすぐに吐いてしまうという状態ではありませんか?
食事は体の熱を作る手段の一つです。
それがままならない状態だと、当然体は冷えたまま。寒さを感じやすくなってしまいます。
血行不良が生じて寒い
血行不良は寒さを感じる代表的な要因ですよね。
あなたはつわりで思うように動けないということはありませんか?
そうでなくても、以前より運動不足の人は血行不良になりやすくなります。
また、なかなか終わらない吐き気にストレスを感じていませんか?
不安やストレスも血行不良を起こす要因になります。
もともと冷え症の人は、更に寒さを敏感に感じる傾向にあるようです。
足の冷え・お腹の冷えでお悩みの方はこちらの記事もご覧ください。
つわりで寒くてもこんなことには注意!
「吐けないつわりで無理やり吐く」
吐けずに苦しくて喉に指を突っ込んで無理やり吐く人がいます。
このことより必要以上に何度も嘔吐、胃の痙攣、発汗、ガタガタ身震いするほどの寒気を感じる可能性があります。
また無理やり吐くと吐き癖がつくので危険です。
今まで吐くほどでもなかった、ちょっとしたした刺激で吐くようになります。
その都度寒気も感じる可能性があります。
最悪の場合そのまま拒食症になることもあるので、無理やり吐かずできるだけ自然にまかせるようにしましょう。
吐けないつわりでお悩みの方はこちらの記事もご覧ください。
つわりと寒気 流産の可能性は?
お腹の張りや激しい痛み・出血は生じていませんか?
寒さと併用してこの症状が出ている場合は注意が必要です。
すぐに病院に連絡して診てもらうようにしましょう。
このような症状が出ていなければ、ほとんどの場合大丈夫です。
寒いという症状だけで流産に繋がっている可能性は低いです。
お母さんがどんなに寒く感じていても、赤ちゃんは羊水で守られています。
羊水の温度は常に37~38℃に保たれ、常に赤ちゃんにとって最適な状態です。
羊水はお母さんだけでなく、気候の影響も受けにくい強さがあります。
ですので基本的には大丈夫ですが、「体の冷えが続くこと」にはデメリットもあります。
あなたが妊娠超初期段階だと、黄体機能不全・子宮内膜機能不全になる恐れがあります。
これらの機能がうまく働かなくなってしまうと、胎盤がスムーズに作られずそのまま妊娠が継続できなくなってしまう可能性があります。
また妊娠初期以降も、赤ちゃんと繋がっている血管の血流が悪くなる恐れがあります。
悪くなると栄養や酸素がスムーズに運ばれなくなり、赤ちゃんの今後の発育に影響するかもしれません。
妊娠初期の流産確率について、詳しくはこちらの記事で紹介されています。
頭痛や下痢も!これはつわり?それとも別の病気?
妊娠した時の症状は人によって実に様々です。
その時の妊娠(一人目・二人目)でも症状は異なります。
それだけにつわりなのか?病気なのか?判断もつきにくいですよね。
以下は細菌・ウィルス性等、病気の可能性がある時の症状です。
- 38度以上の発熱
- 背中や腰の痛み
- 嘔吐がずっと止まらない
- 何度も水のような吐しゃ物を噴射状になるくらい吐く
- トイレから離れられないくらい下痢が続く
- 今までに感じたことのないような激しい痛みを伴う頭痛
- 手足のしびれやけいれんがある
以上のような症状がある場は、病院に連絡しましょう。
この時事前に電話連絡することがないまま、直接産院に行かないようにしてください。
もし感染の危険があるような病気なら、他の妊婦さんに移してしまう可能性があるからです。
まずは連絡して症状を説明し、医師の判断を仰ぐようにしましょう。
寒さを感じる妊婦さんがかかりやすい代表的な病気は「腎盂炎(じんうえん)」です。
細菌による尿路感染症で、激しい寒気・腰や背中への痛み・発熱・尿のにごりなどの症状があります。
胎児への直接的な影響はないので、早急に深刻な状況に陥ることはないでしょう。
しかしそのままにしておくと早産や破水に繋がる恐れがあります。
心当たりがあるようなら、早めに病院に連絡するようにしましょう。
つわりと寒気 どちらにも有効な対策とは?
ちょこちょこ食べる
食べられなかったり、吐いたりして胃の中にあまり入っていないかも?という人は定期的に少量の食べ物をとるようにしましょう。
そうすることで気持ち悪さが軽減されたという意見が多数あります。
またちょこちょこ食べる方が、どかっとまとめて食べるより体温を上げることに効果的です。
冷たいものを減らし、温かいものを摂取する
「つわり中は食べられるものを」とよく言われていますね。あなたも知っていると思います。
もちろん大事なことですが、摂取しているものが冷たいジュースやアイスばかりということはありませんか?
あまりにも長く習慣化してしまうと、他の対策をしても冷えがなかなか改善されない可能性があります。
温かいものでも食べられるものを色々試してみましょう。
食べ物がダメなら体が温まるスープや飲み物はいかがでしょうか?
とくにおすすめなのは生姜湯です。生姜は発汗・血行促進作用の他、吐き気を緩和する作用も期待できます。
適度な運動
つわり中に運動なんて考えられない!という人もいるかもしれませんね。
しかし意外にも運動したことによって、一時的につわりの症状を抑えられたという人もいます。
また血行促進・寒さ改善にも効果的です。
試しに10分だけウォーキングをしてみてはいかがでしょう?
リフレッシュになって症状も緩和するかもしれません。
外出が難しいなら自宅で足踏み運動をするだけでも効果的です。
太ももを上半身に対して90度になるように上げて、バランスを崩さない程度にやってみましょう。
妊娠超初期の運動について、詳しくはこちらの記事で紹介しています。
首・お腹・下半身を温める服装にする
首周り・お腹周り・下半身(足首・足先まで)この3点は温めるようとくに意識してみましょう。
首元を温めることは血行促進に効果的ですが、体で温まった空気を逃さないためにも重要なポイントです。
実は首元から空気が抜けやすいということはご存知ですか?
予防するためにもタートルネックやマフラー、夏場でも薄手のストールなどを首元に巻くようにしてみましょう。
お腹を温める方法としては腹巻が一般的ですが、マタニティショーツやマタニティタイツもおすすめです。
妊娠初期でお腹があまり出ていなくても、お腹周りをすっぽり覆ってくれるので効果を期待できます。
また足には子宮に直結した血管が通っていることをご存知ですか?
この血管が冷えると血液も冷やされ、子宮の冷えに繋がる可能性があります。
服装の工夫だけで不安な場合はホッカイロや足湯を利用すると、より効果的です。
重ね着でも温かくなりますが、締め付けを感じるようであれば控えるようにしましょう。
締め付けは吐き気を誘発する可能性があります。
深い呼吸をする
自律神経を整えるためにできる、最も簡単な方法です。
短時間でどこでもできるので、やってみてはいかがでしょうか。
- 鼻から軽く息を吸う
- お腹をへこませて細く長く息を吐く
- 吐き切ったら2~3秒息を止める
- お腹を緩めると自然と鼻から息が入る
これを10回繰り返しましょう。
しっかり行えば体がポカポカしてきます。
またリラックスした状態になり、心のイライラも軽減できると言われています。
最後に
つわりと寒気は妊娠中の体の変化により、同時に生じることがあります。
寒さを感じると、どうしても流産や他の病気の心配をしてしまうと思います。
しかし激しい痛みや出血・高熱等ひどい症状が出ていない限りは基本的に大丈夫です。
それでもどうしても心配な場合は受診をすることが一番です。
次の健診が来ていなくてもいいので、まずは病院に相談してみてはいかがでしょうか?