健康 妊娠後期

苦しい!妊娠後期のカロナールはヤバイ?ロキソニンと比べたリスクは?

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妊娠後期は、解熱鎮痛剤系のお薬は飲めないものが多いので、急な発熱や頭痛・歯痛などあると悩みますね。

「赤ちゃんのためならやっぱりガマンするしかないと気合いで乗り切った!」なんて話も良く聞きます。

妊娠後期とカロナールについてまとめてみたいと思います。

 

妊娠後期のカロナール

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カロナールは飲んじゃダメ?

妊娠中に解熱鎮痛剤が必要になった場合に良く処方されるのがカロナールです。

 

比較的安全性が高く、妊婦に対して【禁忌】の扱いを受けていないので、

 急な発熱で胎児へのストレスが心配される

 歯科治療の痛み止め

などで処方されるケースがあります。

 

ただ、妊娠後期の場合には、”動脈管収縮のリスクが高まる”として、避けた方が良いという意見があります。

 

動脈管収縮とは?

胎児の心臓から血液を送り出している動脈管が収縮して血流が低下したり、流れなくなってしまう状態です。

より多くの血液を回そうと、胎児の心臓に負担がかかり、肺動脈までも悪影響をうけ、命にかかわる先天性の病気を持つリスクが高くなります。

 

解熱鎮痛剤を、妊娠後期(出産予定日12週以降)に使った場合に、動脈管収縮のリスクが高くなるので、流産や死産、出産した赤ちゃんが障害を持つリスクが高まるという事なのです。

(新生児遷延性肺高血圧症など)

 

カロナールの注意喚起とは?

2012年4月25日の「医薬品・医療機器等安全性情報第290号」

(アセトアミノフェンについて)[ 妊婦、産婦、授乳婦等への投与]の項に「妊娠後期の婦人への投与により胎児に動脈管収縮を起こすことがある」を追記し,妊娠末期のラットへの投与に関する記載を「妊娠後期のラットに投与した実験で,弱い胎仔の動脈管収縮が報告されている」と改める

 

アセトアミノフェンは、カロナールの主成分ですが、脳の中枢に働きかけて熱を下げ、痛みを抑える薬です。

一方、NSAIDs(エヌセイズ)と呼ばれる、ロキソニンやイブプロフェンは、プロスタグランジン合成をさせない仕組みを使って解熱鎮痛効果を上げています。

 

プロスタグランジンは、血管収縮・拡張にかかわる物質ですから、アセトアミノフェンと比較して、動脈管収縮のリスクは、はるかに大きいのです。

このことからいままで、妊婦さんに処方する鎮痛解熱剤として、カロナールが選択されることが多かったのです。

 

リスクと効果のバランス

妊婦さんに取って『リスクが上がる』という言葉は、不安を感じますね。

ほとんどの薬には『有益性が上回ると判断したときのみに医師に相談して使用すること』と説明書に記されています。

これは、妊婦さんはどんな薬もキケンがともなうから飲んじゃダメという事を言っているのでしょうか?

 

医師の立場から言わせると、【禁忌】になっているものは、高リスクなので使わない。

けれども、アレルギーを含めて、リスク0%の薬は存在しません。

注意喚起されていても、アメリカFDA薬剤胎児危険度分類基準オーストラリア基準、虎ノ門病院の基準を照らしあわせて、必要なら処方するそうです。

 

たとえば、38.5℃を越える熱が3日続き、熱による流産のキケンが高まっているという場合には、カロナールで熱を落ち着かせせて、胎児へのストレスと、母胎の消耗を抑える効果を取ることがある…というのです。

妊娠超初期は赤ちゃんの器官が作られる時期だから、薬にも気をつけたいですね。生理痛や頭痛でお世話になることが多いロキソニン。妊婦さんにはどうなのでしょう?妊娠中の影響、注意する事などまとめていきます。 妊娠超初期のロキソニン心配される副作用は?...

 

 

解熱鎮痛薬の種類で変わる危険度

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【NSAIDs(エヌセイズ)】

痛みを伝えるプロスタグランジンを抑える事で、鎮痛効果がある。

炎症を抑える効果も高いが、妊娠後期の動脈管収縮のリスク、陣痛が弱くなる、難産傾向があらわれるなど、妊娠後期には【禁忌】になっている。

妊娠後期に禁忌! ロキソニン、イブプロフェン、ボルタレン、セレコックス、モーラステープなど

湿布のモーラステープも注意した方が良いのですね。

 

アセトアミノフェン

抗炎症作用はなく、『NSAIDs 』より効き目がマイルド。

脳の中枢に働きかけて熱や痛みを抑える。

妊婦に対しては、有益性が上回ると判断された場合にのみ処方されます。

カロナール、アンヒバ、アスペイン、アセトアミノフェンなど

 

ステロイド

抗炎症作用に優れていて、膠原病(こうげんびょう)、ぜんそく、血液疾患の治療に必要な場合でも、処方量を吟味しながら使われます。

 

麻薬(モルヒネなど)

痛みを抑える効果が優れていますが、胎盤を容易に通過することから、妊婦への使用は好ましくありません。

帝王切開時の麻酔、手術後の鎮痛に使われることがありますが、一般的な鎮痛剤としては使われません。

 

番外編:偏頭痛のトリプタン製剤

妊娠後期はホルモンの関係で、偏頭痛は起きにくいといわれています。

しかし、猛烈な痛みや吐き気など、耐えがたい痛みが出る偏頭痛の場合、カロナールではおさまりません。

医師に相談の上、安全性の高いトリプタン製剤を処方してもらいましょう。

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カロナール処方の考え方

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子ども病院産科医師の意見では?

宮城県立こども病院 産科 室月淳先生の意見では、動脈管収縮の症例は、薬剤と関係のない「特発性」のものだと考えられるということでした。

また、妊婦に解熱鎮痛薬の必要がおきた場合、NSAIDsが【禁忌】となっている以上、カロナールが第一候補になるのは仕方ないといえそうです。

 

【紹介された論文】

*その①* Gewillig M, Brown SC, De Catte L, et al: Premature foetal closure of the arterial duct: clinical presentations and outcome. Eur Heart J 2009;30:1530-1536

22例中20例(91%)が薬剤と関係のない「特発性」

*その②*7. Luchese S, Manica JK, Zielinsky P: Intrauterine ductus areteriosus constriction: analysis of a historic cohort of 20 cases. Arq Bras Cardiol 2003;81:541-543

動脈管早期閉鎖20例を集めた母親のNSAIDs内服既往が7例,13例は「特発性」

 

有益性が高い場合は処方する

突発性のリスクを恐れて、NSAIDsやアセトアミノフェン(カロナール)の処方を選択肢から外した場合、使える薬がなくなってしまうそうです。

強力な抗炎症作用があると言っても、ステロイド薬とアセトアミノフェンでは用途もリスクの傾向も違います。

麻薬系の薬は麻酔・鎮痛の効果が高いものの、胎盤を通りますし、中毒性など胎児への影響がさらに心配です。

 

38.5℃以上の高熱が続くのはアブナイ?

思いがけず風邪や膀胱炎など感染症にかかってしまった場合、投薬することで、長引かせずに早く治して、合併症リスクをあげない方が良いと判断されたら、処方通りに薬を飲んだ方が良いでしょう。

ちょっとした発熱では、羊水の温度まで上がることは考えにくいですが、38.5℃以上の状態が3日続くと、早産、流産、障害を負うリスクを避けて治療します。

細菌増殖を抑えるためには、抗生物質の処方が検討されるでしょう。

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おわりに

  • カロナールの動脈管収縮リスクはNSAIDsより低い
  • 有益性が高いときには処方されることがある
  • 合併症や重症化を避けるには処方されたら説明を聞いた上で服用
  • 偏頭痛発作の場合カロナールよりトリプタン製剤

カロナールに動脈管収縮のリスクありと報じられましたが、その後、カロナールの因果関係は確証が得られないままのようです。

医師が必要と判断しての処方ですから、不安な場合には、飲む飲まないの判断をどこでしたら良いのか医師に聞いておきましょう。

”重症化させないこと”が重要ですね。

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