1歳になったわが子。
そろそろ食べられるものが増えてくる?
今までは慎重だったけど、もう大人と同じようなものが食べられる?
など疑問に思うママも多いのではないでしょうか。
そんななか、子どもの食べ物で気を使うのが食物アレルギー。
なかでも症状が激しく、注意が必要なのがそばです。
好きなひとにとってはのどごしがよく香りのいいそばですが、まだ消化機能が未発達な乳幼児にとっては少し心配な場合があります。
今回はそばが食べられるようになる時期やアレルギーについて詳しくまとめていきます。
しっかり知識をもつことで安全でおいしい食事ができるように、勉強していきましょう。
赤ちゃんに「そば」はいつから食べさせた?みんなの声
世間のママさんは、そばをいつから食べさせていたのでしょうか?
調べたところ皆さんバラバラでした。
- 何も考えず9ヵ月ごろから食べさせてました…。
- 1歳すぎてから、そろそろいいかなと思って
- 1歳半になってから少しずつ
- 3歳になって親の食べてるのを欲しがったので
- 5歳になってもまだ食べさせてません。夫がそばアレルギー持ちで心配で…。
9ヵ月ごろからというのは、さすがに早すぎますかね( ゚Д゚)
赤ちゃん、そばはいつから食べていいの?
いつからという明確な決まりはありません。
一般的には1歳~1歳半ごろになれば食べても大丈夫と言われています。
ただそばのアレルギー症状は強く出やすく、心配しているママさんも多いので1歳代ではまだあげないというひとが多いようです。
また3歳までは消化機能が未熟なため、3歳まではあげないという考えかたもあります。
我が家の場合は私たちだけでなく、親類にそばアレルギーのひとはいないので特に気にはしていません。
でもそばには注意が必要というのはよく聞くので、離乳食期は無理して食べさせなくてもいいかなと思っています。
子どもにどうしてもそばを食べさせなくてはいけない機会ってそんなにないと思うので(年越しそばくらいでしょうか)。
デビューは3歳以降になると思います。
3歳までは消化機能が未熟
さきほどもお伝えした通り、3歳ごろまではまだ消化機能が十分に発達していないため、アレルギーが起こりやすい時期ということになります。
アレルギーの原因になるのは主にタンパク質。
未熟な消化機能ではタンパク質が十分にアミノ酸までに分解されないまま吸収されてしまい、それを体が「異物」と判断します。
そしてその異物を体から追い出すために、さまざまなアレルギー反応を起こします。
ただタンパク質は乳幼児期の子どもにとって、成長の基本になるものです。
根拠もなくむやみに制限をしてしまうと子どもの成長に悪影響をあたえます。
アレルギー症状がでたり、心配な場合は専門の病院で相談して適切な治療や栄養指導をうけましょう。
3歳を過ぎるころには、消化機能が発達するので一般的には食物アレルギーは起こりにくくなります。
また1歳まではアレルギーの検査をしたとしても、正確な数値が出にくいのでアレルゲンになりやすい食べ物については、1歳までは避けるようにしましょう。
※注 アレルゲンとはアレルギーの原因物質のこと。そばアレルギーならそばがアレルゲン。
食物アレルギーってなに?
人間の体には異物が侵入してきたときに攻撃して、それを排除し体を守ろうとする機能が働いています。
これを「免疫」とよびます。
アレルギーは異物が侵入してきたときにおこる免疫反応が、過剰に働きすぎ異物でないものも攻撃してしまうためにおこる症状です。
また食物アレルギーは原因物質(アレルゲン)を食べたことで、じんましんや嘔吐、重症なときはショックなどを起こす病気です。
卵・乳製品・小麦が3大アレルゲンと言われていますが、この3つは年齢を重ねるごとに症状が軽くなることがあります。
ただ、そばや甲殻類(えび・かに)、ピーナッツは大人になってもアレルギーを起こすことがあります。
アレルギー体質のママパパの場合は子どもも注意が必要
アレルギー体質は比較的子どもにも遺伝しやすいと言われています。
ただ、必ずしも親子が同じアレルゲンでアレルギーを起こすとは限りません。
それよりも親のアレルギーになりやすい体質自体が、子どもにも引きつがれることが多いのです。
そのため、親が何かしらのアレルギーをもつ場合は、そうでない場合の子どもよりも初めて食べるものに対して、慎重になる必要があります。
そばアレルギーとは?
そばは食物アレルギーの原因物質として、加工品などに表示が義務付けられている特定原材料7品目のうちのひとつとなっています。
特定原材料とは食物アレルギーの原因となる食品で、とくに症例が多く重い症状がでやすいもののことをいいます。
ちなみにあとの6品目は卵・乳製品・小麦・ピーナッツ・えび・かにです。
この中でも特に激しい症状がでやすいのが、ピーナッツとそば、えび・かになどの甲殻類です。
そばの場合はそば粉に含まれるタンパク質がアレルギーの原因といわれています。
そばアレルギーの症状はどんなもの?
そばによるアレルギーの症状について挙げていきます。
- じんましん
- 吐き気、嘔吐(吐く)
- 下痢
- 顔色が悪い、顔がほてる
- 機嫌が悪い
- 口のまわりが赤くはれる、口の中がピリピリする
- のどの違和感(イガイガ感)
- 呼吸困難(息が苦しい、咳が出る、ゼェゼェ息をしている)
- 手足のしびれ
- アナフィラキシーショック
そばアレルギーの症状は比較的早く出ます。
遅くともそばを口に入れてから10分以内には症状がでます。
また症状が急速に変化しやすく、ひどくなると意識がなくなったり死につながる場合もあります。
怖いのはアナフィラキシーショック
アレルギー反応はひとつの症状だけではなく、いくつかの症状が重なって起こることがあります。
これをアナフィラキシーと呼び、重篤なアレルギー症状が2つ以上、一緒に起こったもののことを言います。
症状は急速に全身にあらわれます。
具体的な時間でいうと、アレルギーのもとになる原因物質(アレルゲン)が体に入って30分以内に起こります。
さらに命にかかわる症状もあります。それはアナフィラキシーショック。
みなさんも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
これは命に関わるような激しい症状です。
アナフィラキシーによるショックが起こったときには以下のような症状がでます。
- 血圧がさがる
- 顔面蒼白(顔色が悪い、血の気が引く)
- 意識がなくなる
- 呼吸ができなくなる
- 一旦おさまったように見えても、また症状があらわれることもある
- 心臓が止まる
この場合はすぐに救急車をよび、医師の診察・治療をうける必要があります。
思わぬことで症状がでる!?
うちの妹も蕎麦アレルギーです。蕎麦の花もダメだし、うどんが同じゆで鍋も、もちろんダメです。うどん屋さんで別ゆでをお願いしたのに、同じ鍋で茹でられ、後から大変でした。回避出来るから、伝えてるのに、それすらしてもらえなかった。それ以降妹と一緒にはうどん屋さんは行かなくなりました。
— 燈里〜tomosato (@tomo___sato) 2017年10月28日
そばアレルギーのひとはごく少量のそばでもアレルギー反応を起こします。
また目にみえないような蒸気やそば粉でも反応してしまいます。
そばを茹でたお湯にも、そばの成分は溶け出しています。
今までにあった意外なもので、そばアレルギーを起こした事例をあげていきます。
- そば粉を使ったクッキーやお菓子などの加工食品を知らずに食べた
- お店でうどんを頼んだら、そばを茹でた鍋で作っていて、そのうどんを食べて症状がでた
- そばの花から採取したハチミツを食べて発症した
- そばのゆで汁から発する蒸気を吸って症状がでた
- おそば屋さんの近くを通ったら外に舞い上がったそば粉に反応した
- そば殻の枕を使って症状が出た
- こしょうで発症した→製品によっては嵩(かさ)を増すためにそば粉を入れているものがある
- 学校給食で出たそばをアレルギーをもつ児童が食べてしまい、亡くなった事故があり裁判に発展した例もある
はじめてのものを食べさせるときの注意点
1歳というと子どももママも食べることや離乳食に慣れ、すこしズボラになりやすい時期です。
もう大丈夫かなと初めて食べるものを夕食に出してみたり、いっぱい食べさせてしまったり。
神経質になる必要はありませんが、油断すると思わぬ症状がでる場合があります。
うちの娘の場合も食べ物ではないのですが、1歳になってそろそろいいかなと思い、子ども用の無添加洗濯洗剤から最強レベルの抗菌力!と謳われた洗濯洗剤に変えたところ、体に赤く大きなプツプツが出たことがあります。
子どもの体は敏感なので初めてのものに対しては少し慎重になったほうがいいですね。
- 初めてのものは日中、できれば午前中に。何かしらの症状が出てもすぐに病院で診てもらいやすいため。
- 旦那さんがいる時間帯などできる限りひとが多い時間に
- はじめはごく少量から、だんだん量を増やす
- 異変があればすぐに食べるのを中止する
- 症状のでかたをよく観察して、ノートなどに記録しておく
- 具合が悪そうなら迷わず受診を、そのときには何時ごろ・どのくらいの量・何を食べたかを医師に伝える
そばアレルギーをもつ子どものために
そばアレルギーがあるとわかった場合、そのような対策をとればいいのでしょうか。
そばを含む食品を食べない
まずは、そばアレルギーがある子どもは口にしないことが大前提です。
小麦や卵は年齢が上がるにつれ、消化機能も発達し食べられるようになることがあります。
また現在は栄養面から全て除去するのではなく、医師の指導のもと少量から慣らしていくという方法が主流です。
ただそばの場合は少量でも重症化する、どの年代でもアレルギーをおこすことから少量ずつ慣らしていくということはしません。
残念ながらアレルギーがある場合はそばを除去することしか、今のところ有効な予防方法はありません。
そばに接しないように心がけて
意外なものにそばが含まれ、アレルギー症状を起こすことがあります。
さきほどもお伝えした通り、枕やそば屋さんの近くを通ったとき、お菓子などなど。
できる限り、そばアレルギーをもつ子どもにはそばを近づかせないこと。
家でのそばの保管方法についても、子どもの手が届かないところに密閉容器で保管するなどの配慮が必要になります。
医師との信頼関係を大事に
わからないことや不安なことは医師に遠慮なく聞いて解決しておきましょう。
緊急時の対応については特に大事なチェックポイントです。
今後も医師には折々でお世話になる可能性があり、長期間付き合わなくてはならないのがアレルギーです。
かかりつけ医と本人、ママパパの信頼関係を築いておくことが安心への第一歩になります。
子どもはあまり特別視しすぎない
あまりにも神経質に子どもを特別視しすぎると、それ自体が子どものストレスになってしまいます。
小さいころは親やまわりの大人が、自分でわかるようになるころには自分で、適切な対応ができれば過度に怖がる必要はありません。
軽いじんましん程度なら抗アレルギー薬を使って自分で対処することもあります。
小さいころから自分の体質を把握して、そばアレルギーに対する知識や対策法が身に付けば特別苦になることもありません。
アナフィラキシーショックを一時的に軽減させる薬がある
アナフィラキシーショックを起こした場合、一刻も早く緊急の対応が必要になります。
それは救急車が来るまでの時間も惜しいほどです。
そこで使用されるのがエピペンという自分で自分に注射する自己注射薬です。
エピペンは症状を緩和し、ショック状態になるのを防ぐためのものです。
急速な症状の進行や重篤な状態になるのを遅らせることができるので、死亡につながるような事例を減らすことができます。
根本的な治療薬ではないので、アナフラキシー症状があらわれたら必ず救急車をよび医師の診察・治療をうけましょう。
注射は医療行為なので基本的に、医師もしくは医師の指示のもとで看護師が行うと決められています。
ただショックなどを起こし本人が打つのは難しい場合をふまえ、2009年からは緊急時に救急救命士がエピペンを打てるようになりました。
さらには学校や保育施設で子どもがアナフィラキシーになり自分で注射ができない場合、代わりに学校の先生や保育所職員が打っても構わないことになっています。
それまで全額自己負担だったのが、2011年からは保険適応にもなっています。また乳幼児医療証があれば無料になります。
このようにエピペンの活用は少しずつ拡がってきています。
ただエピペンは原則体重が15kg以上(平均3歳以上の幼児)でないと使用できず、処方できるのは講習を受けた登録医のみとなっており、まだまだ世間一般に知られていないのが現状です。
まずはアナフラキシーを繰り返している場合やリスクが高い場合は、このような薬があることも覚えておいてください。
保育施設を利用するときは。。。
1歳を機に仕事復帰されるママさんもおられると思います。
そんな中で子どもさんに何かしらのアレルギーがあると心配ですね。
保育所を探す場合は
- アレルギーに対応した食事を準備してくれる施設か
- アレルギーを理解し適切な対応ができる施設か(普段から勉強会や親との意見交換がしっかりできているか)
- 持ち込み食(お弁当、おやつ)は可能か
- 過去にアレルギーの子どもを受け入れたことがあるか
- 保育士は何人で食事の時間を対応しているのか
などの点も選択条件に入れてください。
園によっては看護師がいる施設もありますので、そのあたりも選択条件になるかと思います。
保育園が決まったら
- 主治医に保育園に入る際の注意点を確認する
- 医師の診断書やできれば食事に関する指示書を準備して、正確な診断名や対応を園側に把握してもらう
- できれば食器やスプーンなどの道具はパッと見てその子のものとわかるようにし、ほかの子のものと間違わないようにする
- 食事に対して注意することや食べてはいけないものについて十分に理解してもらう
- 保育園と親のコミュニケーションを密にする
- 万が一の緊急対応や緊急連絡先を確認しておく
などを心がけていきましょう。
1歳くらいの子どもはまだ自分で予防策がとれません。
また子どもはどのような行動をとるか予測ができません。
お友達がアレルゲンのついた手で、アレルギーをもつの子を触ってしまい症状が出たという事例もあります。
まず最も大切なことは、まわりの大人が十分注意し適切に対応することです。
そのためには園と親との関係を良好にし、子どもの状況をしっかり伝え理解してもらうための話し合いが不可欠です。
まとめ
さて今回は1歳児とそば、アレルギーについて勉強してきました。
1歳を過ぎると色々なものが食べられるようになりますね。
体の様子や動きも赤ちゃんから幼児へと、どんどん成長していきます。
ただ、まだまだ未熟な部分が多いのも事実。
そばを含め色々な食べものが安全で美味しく食べられるように、正しい知識をもっていきたいですね。