妊娠36週0日~39週6日の妊娠10ヶ月に入ると臨月と呼ばれ、出産が現実味を帯びてきますね。
長い妊婦生活も間もなく終わる、そう思うと感慨深くもなります。しかし、同時に身体の重さや続く不調に疲れがピークとなる時期でもあります。
そのため、臨月に入って身体を動かしたくないという妊婦さんも多くなるんです。
それまでも体重制限などで細かい指導を受けてきた人もいるかもしれませんが、臨月になって初めて身体を動かすように言われる人は結構多いようです。
では、なぜ臨月に身体を動かさなければならないのでしょうか。大きなお腹が重くて苦しい中、どうやって運動したらいいのでしょうか。
あと少しで赤ちゃんと対面できるこの時期だからこそ考えていきたい妊婦さんの運動について、一緒に見ていきましょう。
動きたくない!臨月は動くべき?
臨月に入るといよいよお腹の出方は最高潮に達し、自分の足元さえ見づらいという状況になります。だいたい胎児の体重も平均して2,700~3,400gとなり、この頃に身重という言葉の意味を実感する妊婦さんも少なくないのではないでしょうか。
また、血行が悪くなることもあり、足がむくみやすいという人もいるでしょう。そのような状態の中でも、「たくさん動いてください」とお医者さんに言われ、困っている人もいるかもしれません。臨月に入ったら、動かないといけないのでしょうか。
お産は体力勝負です!
「肥満防止」「安産体型をめざす」などの理由で運動を進められる人もいるかもしれません。体型とお産のタイプについては別の項で述べることとして、運動を勧められる理由はほかに何があるのでしょうか。
それは、体力をつけるためです。
お産は体力勝負!長時間の分娩にも耐えられる体力をつけておきましょう!ということですね。
お産のタイプは人それぞれ違い、短時間で終わる人もいれば、微弱陣痛に何時間、何日も苦しめられる人もいます。しかしいずれにせよ、全身全霊で赤ちゃんを送り出すママには相当の体力が必要であることに違いはありません。そのため、体力づくりの一環として運動することは、妊婦さんにとって損はないのです。
効果的な運動
マタニティヨガや体操を勧められる人もいるかもしれませんが、専門知識が必要となってくることに加え、継続する気持ちの維持も大切になってきます。そのため、途中で挫折してしまう妊婦さんも少なくないようです。また、あまりにも激しいものや急激な運動はお腹に負担をかけすぎてしまうので逆効果。
では体力の維持や促進につながり、無理なく続けられる運動とはどのようなものでしょうか。
それはやはりウォーキングだと言えます。
ウォーキングは有酸素運動の代表格。体脂肪やグリコーゲンなどをエネルギーとして消費するので肥満の防止になります。
また、血の巡りが良くなり、むくみや冷え性の改善につながります。さらに、脳を覚醒させる効果もあり、気分もスッキリするんです。
★マタニティウォーキングについてはこちらの動画も参考にしてみて下さい。
季節によっても変わってくる
しかしいくらウォーキングをした方がいいからと言って、真夏や真冬では、屋外で動くこと自体が危険になることもあります。真夏の炎天下の下は当然避けるべきですし、雪の降る地域では真冬の屋外は足を滑らせる危険がありますね。先輩ママたちは、次のような方法で乗り切ったようですので、参考にしてみて下さいね。
デパートやショッピングモールでひたすら歩いた
ひたすらお部屋の掃除をした
家の中を歩き回ったり、スクワットをした
家の階段で踏み台昇降
くれぐれも無理だけはしないようにしましょう。
運動時の注意点
臨月に入ると、赤ちゃんはいつ生まれてもおかしくありません。
子宮口が開いていないからといって一人でウォーキングに出るのは避けた方が無難です。必ず携帯電話、タクシーに乗れる現金を持つことを心がけ、付き添いをお願いしましょう。
また、万が一運動中に陣痛が起こり入院になってしまってもいいように、家には必ず入院セットを準備しておくことも忘れずに。
今しかない時間だということも忘れないで
動きたくないと思うほど、身体が重たくなっている時期ですが、実はこの時間はとっても貴重な時間なのです。
特に初産婦さんの場合は、自分自身のためだけに時間を使うことができる産前最後のひと時です。動きたくないのに動かなければならないストレスもあるかもしれませんが、これから始まる育児生活の前のほんのひと時であることは忘れずに。
どうしても動きたくなければ、ゆったりした気持ちで過ごすことも大切です。人と比べる必要はありません。
動きたくない!陣痛はくる?
運動をきちんとしていたら陣痛につながりやすい、と聞いたことがありますが、それは本当でしょうか。
実はこれには諸説あり、運動することが陣痛につながるという明確な根拠はありません。
例えば、生まれるまで家でダラダラしてしまったけれど、予定日前に出産することができた、という人もいれば、毎日1時間以上の散歩を続けたが、難産気味の出産だった、といケースもあるようです。
陣痛は赤ちゃんのタイミングで始まるとも言われています。出産につながる陣痛には子宮口が開くことが大切なこと。
運動をすることは良いことではありますが、動きたくない時に陣痛を起こそうと無理をする必要はありません。赤ちゃんを信じて待つことも大切なことです。
動きたくない!太ったら難産て本当?
太ったら難産になるから、なるべく体重を増やさないようにと言われたことはありませんか。
運動しなさいと言われる原因の一つが、この肥満防止。
ママの肥満は赤ちゃんには直接の影響はなくても、出産で難産になりやすく、結果として赤ちゃんを苦しませてしまう可能性があると言われています。
どうしてそう言われるの?
赤ちゃんはママの身体から出て来る際、参道を通って出てきます。
その産道は、赤ちゃんの頭がようやく通れるほどの広さしかなく、ママが太ることで内臓脂肪が付き、参道が狭まってしまうといいます。参道が狭まると、本来すんなり出てくるはずだった赤ちゃんの頭がつっかえながら出てくるため、時間がかかるというのです。
もちろんそうでないケースもありますが、筆者は妊娠中に約15kg太り、微弱陣痛に苦しんだ一人です。陣痛促進剤を使用しての出産になりました。
赤ちゃん自身も3,800g越えの大きな子だったので、微弱陣痛の理由は体重だけではないかもしれませんが、やはり太らない方がいいに越したことはありません。
産後の体型戻しにも影響があります。
自分の体調をきちんと知って、適度な運動を
臨月における運動の大切さを感じることができたでしょうか。赤ちゃんと一心同体の時間も残りわずかです
。臨月になったら、出産に向けて心も身体も整えていく時期です。
自分の体調は自分にしかわからなので、まずはきちんと身体からのサインを受け取りましょう。その上で適度な運動を取り入れて、赤ちゃんとの対面の日を迎えましょう。
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