「母乳を長期間与えていると虫歯になりやすい」
「夜間授乳は虫歯になりやすい」
こんな話を聞いたことはありませんか?
実は、母乳だから虫歯になる!というわけではないのです。
でも、ある条件が揃えば母乳が虫歯を作る要因になることもあります。
今回は母乳育児で虫歯にならないための対策を紹介していきます。
ママと赤ちゃんをつなぐ母乳育児を安心して続けるために、ぜひ読んで試してみてください。
虫歯の原因
ミュータンス菌で虫歯に
虫歯は歯がミュータンス菌が作り出す酸によって溶かされていく病気です。
口の中には様々な菌がいますが、その中でも最も虫歯の原因となっているのが「ミュータンス菌」です。
ミュータンス菌は、糖をもとに繁殖します。
砂糖は虫歯になりやすいとされるのはそのためです。
プラーク(歯垢)で虫歯に
糖を得たミュータンス菌はプラーク(歯垢)を成形し住処にします。
プラークの中でミュータンス菌はさらに活動的になり、歯を溶かす原因である「酸」を作り出します。
特に就寝中は菌を流す作用のある唾液が減るため、ミュータンス菌が活動しやすくなってしまいます。
ですから、プラークを作らせないことや、できてしまったプラークをしっかりと取り除くことが大切です。
母乳は虫歯の原因になりにくい?
実は、母乳は虫歯の直接的な原因にはなりにくいといわれています。
その理由は、母乳の成分が影響しています。
虫歯の原因菌であるミュータンス菌は糖分を栄養源とします。
もちろん母乳にも糖は含まれていますよね。
でも、母乳に含まれる「乳糖」は、砂糖などの「しょ糖」よりも虫歯になりにくいといわれています。
ですから、赤ちゃんがいろいろな食材を食べるようになってからの方が虫歯になるリスクが大きいのです。
しかし、母乳も糖であることは変わりないため、赤ちゃんに歯が生えてきたら毎日ケアをしてあげることが大切です。
夜間授乳は虫歯になりやすい?
寝ている間は菌を洗い流してくれる役割の唾液が減るため、ミュータンス菌が活発になります。
眠る前に口の中を清潔にしましょうといわれるのはそのためです。
ですが、寝かしつけを母乳で行っている場合や、夜泣きの際に母乳で落ち着かせている場合は歯のケアをすることはできませんよね。
母乳を飲むときの口の形により、上の前歯には母乳が付着しやすくなってしまいます。
母乳には「乳糖」が含まれており、「しょ糖」ほどではないにしてもミュータンス菌を活発化させる可能性があります。
夜間授乳で虫歯になるといわれているのはこれが原因なのです。
しかし、母乳は赤ちゃんの精神安定剤であり、ママと子をつなぐ大切なものですよね。
ですから、メリットもありデメリットもあり、とても悩みどころなのです。
実は我が家も1歳ごろまで寝かしつけは母乳で、夜泣きにも母乳でした。
幸い我が子は虫歯になったことはありませんが、毎日朝晩のケアと定期的な検査は欠かしませんでした。
難しい判断ですが、お子様のタイプや生活スタイルなどに合わせて夜間母乳について考えてみてください。
母乳育児で虫歯にならないために
糖分摂取を控える
砂糖は直接的な虫歯の原因となります。
ですから、年齢が低いうちは、砂糖を多く含む食品を控えた方が無難です。
チョコレート、飴、キャラメル、アイスクリームなどは日常的に与えることは避け、与えた時はその後のケアをきちんとしましょう。
箸を共用しない
産まれたばかりの赤ちゃんの口の中には虫歯菌は存在しません。
では、これらがどこからやってくるのかというと、そのほとんどが親から移ったものといわれています。
例えば、自分が使っている箸で赤ちゃんに食べ物を与えたことはありませんか?
こういったささいなことが赤ちゃんの口に虫歯菌を移す要因になっているのです。
フッ素塗布
フッ素を歯に塗布すると、様々な利点があります。
- 初期虫歯を治す
酸により歯が溶かされる際、歯に含まれるカルシウムなどのミネラル分も溶け出してしまいます。
溶けだしたミネラル分をエナメル質に再吸収させることを再石灰化といいますが、フッ素はこの働きを通常よりも促してくれる役割があるのです。
- 歯を強くする
フッ素はエナメル質と結びつき、硬い構造を作り出します。
それにより、歯が酸に溶かされにくくなります。
- 虫歯菌の活動を抑制する
フッ素には虫歯菌の活動を抑制する働きがあり、これによって歯を溶かす作用のある酸を減らす効果があります。
フッ素塗布の方法
フッ素塗布の方法は2つに分かれます。
- 歯科医院で塗ってもらう
- 自宅で塗る
歯科医院で塗ってもらう場合は小児歯科を標榜している医院を選びましょう。
自治体によって費用は様々ですが、1000円以下の設定が多いようです。
また、保健所の健診の際に無料または安価でフッ素塗布を行っていることがあるため、確認してみると良いでしょう。
自宅で塗る場合は、様々なタイプの商品がありますが、赤ちゃんにはジェルタイプのものがおすすめです。
商品を選ぶ際は対象年齢を確認し、使用方法を守って塗布するようにしてください。
この商品のバナナ味は6歳未満の乳幼児向けなので赤ちゃんにも使えますね!
その他の味は6歳以上のお子さん向けなのでご注意を。
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フッ素塗布の時期と頻度
フッ素塗布を始める時期は前歯が生えそろう1歳頃が良いとされています。
また、塗布の間隔は3~6か月が推奨されていますが、これは医療機関や薬剤により変わってきますので、きちんと確認しておきましょう。
歯磨きと口腔ケア
離乳食を始めるまで
母乳だけの赤ちゃんは虫歯になるリスクが低いといわれています。
しかし、歯が生えている場合はケアをしておくと安心です。
1日1~2回、ガーゼや清浄綿などで歯をふいてあげましょう。
離乳食を始めたら
離乳食を始めると様々なものを口に入れるため、その分虫歯菌を取り込むリスクも増えます。
ですから、朝晩二回の歯磨きはきちんと行うようにしましょう。
歯磨きは、柔らかく、持ち手に喉へ突っ込まないためのガードがついているものを選ぶと安心です。
慣れるまで時間がかかる場合もありますが、めげずに向き合っていきましょう。
我が家では歯磨きソングを歌いながら磨くのが日課です。
楽しいコミュニケーションの時間になると良いですね!
これって虫歯?我が子が虫歯になってしまったら・・・
乳歯は永久歯よりもエナメル質が薄く虫歯になりやすいってご存知でしたか?
エナメル質が薄いということは、虫歯になった際の進行も大人に比べ早いのです!
だからこそ、予防も大切ですが初期虫歯を見逃さないことも大切です!
乳歯の虫歯の特徴
歯が黒や茶色になっているとすぐに虫歯だと気付きますよね。
でも、子供の虫歯では虫歯の部分は白色なのです。
エナメル質が溶かされ艶を失い、白く浮かんでいるように見えます。
ですから、赤ちゃんの歯の一部が周りとは違う白色に見えた場合、すぐに歯科医院で診てもらいましょう。
まとめ
歯は生きていくために一生付き合っていくものです。
とはいえ、本気で歯磨きを嫌がる赤ちゃんは必死の抵抗をしますよね。
私も大いに苦労させられました。
ある時は歌を歌ってみたり、ぬいぐるみの歯を磨くふりを見せてみたり・・・最終的には時間が解決してくれたという感じでしたが。
あまりの抵抗に嫌になってしまう時もありますが、頑張りましょう!
小さな歯をママが守ってあげてくださいね!