母乳育児を行う上で、たばこやアルコールに続いて注意事項に挙げられるカフェイン。
わかってはいるけれど、コーヒーやカフェオレを飲みたくなる時ってありますよね。
でも、カフェインって母乳に移行しちゃうんじゃない?
ミルクを入れたカフェオレなら、カフェインは緩和されるの?
赤ちゃんが寝ないのはカフェインのせい?
そんなコーヒー好きのママ達の疑問に全てお答えします。これを読んで、上手にカフェインと付き合ってきましょう!!
母乳をあげていたらコーヒーやカフェオレはダメ?
母乳育児の場合、離乳食が始まり軌道に乗るまでは、食べ物や飲み物に気を使わなければならないことが多いですよね。ただでさえ育児と家事で、ママたちはストレスフルになりやすいです。
子どものお昼寝タイムにほっと一息コーヒータイム、なんてことにも憧れるのではないでしょうか。
また、妊娠中のコーヒーは我慢できたけど、産後まではちょっと…そんな風に感じたって無理はありません。
なぜだか分からないけど無性にカフェとかに行きたくなったので、コンビニ行ってそれっぽい物をたくさん買い込んで来てしまった。ケーキにマカロン、アイスコーヒー、カフェオレ、ハーゲンダッツのアイス、タピオカ入りミルクティー。。。母乳に良くない食べ物ばっかりだ。
— みどりのかあさん (@green_knot) 2010年9月29日
カフェインの含有量は、商品や飲み方によって変わるのでしょうか。こちらも多くのママ達が感じる疑問かもしれません。
いつも飲んでるスティックのカフェオレがなかったからインスタントのコーヒーを適当に入れて飲んだら私も旦那も眠れなくなってしまった…(T ^ T)
そして、母乳は大丈夫なのだろうか…ミルクにした方がいいのかなあ…(T ^ T)— ukiko nyanyada (@SpecialBlackcat) 2017年2月16日
ついつい普通のコーヒーを飲んでしまった…そんな時、心配になってくるのが飲んだ後の授乳。
アッー!
も、もしかして…
カフェインレスコーヒーが切れちゃったからここ何日か普通のコーヒーでカフェオレ飲んでたから?!
カフェイン含む母乳のせいで寝れないのか?!?!— そらら@むすめ9ヶ月 (@00sorara00) 2017年1月28日
カフェインが及ぼす作用、母乳とカフェイン、上手なカフェインの摂り方について見ていきましょう。
カフェインの作用
眠気防止にカフェインが効くという情報は、受験勉強や長時間の運転時などで耳にしたことがあるかもしれません。
カフェインの主な作用は、中枢神経を興奮させることで覚醒作用をもたらしたり、排尿量を増やしたりします。
代表的なものは以下の通りです。
- 心拍数の増加
- 興奮作用
- 利尿作用
- 中枢神経の刺激によるめまい
- その他、不安感を覚えたり、震えを感じることも
諸外国でも、カフェインによる健康への影響は取りざたされていますが、赤ちゃんや子どもへの具体的な影響について、確定した報告などはありません。
そうは言っても、赤ちゃんや子どもはカフェインへの感受性も高く、決して良い結果をもたらすとは言えません。妊婦さんは流産の可能性があるため、多くの国で一日の摂取量の目安を設けていることからもわかりますね。
(各国の見解については、次のカテゴリーでご紹介します。)
★妊娠中のカフェイン摂取に関する記事はコチラ
”https://fun-mom.com/ninshin-choshoki/4775/″
カフェインは薄められる?
コーヒーをブラックで飲むよりも、ミルクを足したカフェオレにすればカフェインは薄まるのでは?とカフェオレを飲む方もいるかもしれません。
ミルクによってカフェインは薄まるか、答えはYES。
コーヒーのカフェインを薄める方法としていくつか挙げますので、どうしてもコーヒーが飲みたくなったら試してみて下さい。
コーヒーを薄める
水やミルクを足すことで質量が増えます。しかしカフェイン含有量は変わらないため、かさを増すことで、少量のカフェインに抑えることができます。
水出しコーヒー
カフェインは水に溶けにくい性質を持ちます。そのため、お湯で淹れるよりも水出しをする方が一杯当たりのカフェイン含有量が減ります。時間はかかりますが、香りがよく、芳醇な味わいを出せるのも特徴です。
コーヒー好きの方にはおすすめの方法です。以下の動画を参考にされてみて下さい。
カフェインは母乳に移行する?
母乳育児を行っているママの場合、カフェインを摂取した後15~20分でママの体内のカフェイン濃度はピークを迎えますが、1~2時間後にはその1%ほどが母乳に移行してしまうと言われています。
また、ママの体内のカフェイン濃度が半分になるまでにはなんと、5時間ほどかかるとも言われています。もちろんカフェインによる利尿作用などもあり、体外へ排出されるのには個人差もあるため、これはあくまでも目安の数値だと思ってください。
つまり、母乳育児をしているママが長期間にわたって大量のカフェインを摂った場合、肝臓機能が未熟な赤ちゃんの体内にどんどん蓄積され始め、カフェインによる影響を受けてしまう可能性があるということです。
母乳分泌や母乳成分に影響をもたらす嗜好品は、たばこのニコチン、アルコール、コーヒー・茶類のカフェインなどである。コーヒーや紅茶、緑茶、コーラ、チョコレートなどに含まれるカフェインは、脳、心筋、骨格節の新陳代謝を促し、利尿作用を有する。カフェイン濃度は摂取後15~30分で最高値を示し、その半減期は特に新生児期では非常に長いため注意を要する。カフェインが移行すると、乳児に不眠、興奮という症状が現れる。授乳中のコーヒー、紅茶、緑茶などは2~3杯/日までにすることが望ましいと考えられている。また、チョコレートや栄養ドリンク剤などにも含まれるため、それらも加味した摂取を考慮する必要がある。
(駒沢女子大学 研究紀要 第21号 より抜粋)
カフェインに対する諸機関の見解
世界保健機関(WHO)
紅茶、ココア、コーラ飲料は、ほぼ同程度のカフェインを含み、コーヒーにはこれらの約2倍のカフェインが含まれている。このため、カフェイン の胎児への影響についてはまだ確定していないが、妊婦はコーヒーの摂取量を一日 3~4 杯までにすべき。
妊娠中はカフェインの過剰摂取を避けるべきという見解から、やはり乳幼児に対してもカフェインはよいものでないことがわかります。
英国食品基準庁(FSA)
妊婦がカフェインを摂り過ぎることにより、出生児が低体重となり、将来の健康リスクが高くなる可能性がある。妊娠中の女性は一日当たりのカフェイン摂取量を200mg(コーヒーをマグカップで2杯程度)に制限する。
WHOが3~4杯までとしているのに対し、イギリスは更に厳しく2杯程度と制限しています。
カナダ保険省
カフェインの影響がより大きい妊婦や授乳中、あるいは妊娠を予定している女性は最大 300 mg/日(マグカップで約2 杯)までとする。
子供はカフェインに対する感受性が高いため、4歳~6歳の子供は最大45 mg/日、7歳~9歳の子供は最大62.5 mg/日、10歳~12歳の子供は最大85mg/日までとする。
カナダは諸外国の中でも、より具体的に数値を出していますね。
オーストリア保健・食品安全局(AGES)
妊婦および授乳中はアルコール及びカフェインの摂取を控えること。カフェインについては、一日当たりの摂取量が300 mgを超えないようにすること。
諸外国のカフェインに対するリスク管理から見ても、摂取量にはかなり気を配るように注意喚起しているのがわかります。
母乳育児の理想的なカフェインの摂り方
カフェインのことを詳しく知ってもらうために少々厳しく書いていますが、コーヒーやカフェオレ好きなママに「絶対飲んではいけない!」と言いたいわけではありません。
カフェインの摂り方やその量に注意をしながら、母乳育児を続けていってほしいと思います。
授乳後にカフェインを摂る
赤ちゃんへの授乳を済ませた後に、コーヒーやカフェオレを飲むようにしましょう。母乳に移行するタイミングを意識すれば、赤ちゃんに与える影響も少なくできますね。
先ほどご紹介したカフェインの薄める方法を用いれば、影響は更に少なくできます。
少量で数回に分ける
一度にたくさん摂取するのではなく、一杯のコーヒーやカフェオレを小分けにして飲んだり、前日に多く摂取したと思ったら今日は控えたりして、カフェインの摂取量を分散させましょう。
少量でも数回に分けて飲むことで、リラックス効果はありますよ。
月齢が低い時はカフェインを摂らない
赤ちゃんが体内のカフェインを体外へ排出するのにかかる時間は、月齢が低いほど長く閣下ってしまいます。生後3~5か月の赤ちゃんは約15時間、新生児に至ってはなんと100時間とも言われています。
成長と共に、カフェインを排出する力が上がってきますので、生後半年くらいまでの期間は、コーヒーやカフェオレなどの摂取を控えるというのもいいでしょう。
授乳中はカフェインを摂らない
しばらくカフェインを摂らなくても平気だという方は、思い切ってカフェインを取らないという選択肢もありでしょう。
カフェインレスのコーヒーや紅茶もありますので、授乳期間中はそれらを飲むようにするのも一つの方法です。
母乳育児中のコーヒーやカフェオレ
以上のように、母乳育児をしているママたちは、やはりある程度カフェインの摂取には気を配った方がよいと言えます。コーヒーやカフェオレはもちろんですが、他にも、ウーロン茶やココア、チョコレートや栄養ドリンクなどにもカフェイン含まれています。
どれもこれもと気にし始めたら大変ですが、一日の摂取量を決めれば過剰摂取は避けられます。今日は何をどのくらい食べたかな…?と一日の終わりに簡単に振り返ってみるのもいいかもしれません。