授乳の度に赤ちゃんがむせる!
それはなんとなく心配になってしまいますよね。
長い妊娠生活、大変な出産を終え、ようやく会えた赤ちゃんですが、ママには乗り越えていかなければならないことがいっぱいです。
中でも母乳はとても大切な栄養であり、ママと赤ちゃんのスキンシップとしても大切です。
今回赤ちゃんがむせてしまう原因やむせにくい授乳の方法をご紹介していきます。
赤ちゃんはむせやすい
赤ちゃんは生活の様々な場面で突然むせてしまうことがありますよね。
例えば、寝ている時などに急に咳き込んでしまったり、これといったきっかけがなさそうにも見えます。
でも、赤ちゃんは未熟なため、大人なら何でもないようなちょっとしたことでむせてしまうのです。
嚥下機能が未熟
産まれてきた赤ちゃんは母乳を飲むのも下手で、すぐにバテてしまいますよね。
それは、まだ舌や口を上手に使うことができないからです。
それと同じで、ものを飲み込む嚥下機能もまだまだ未熟なのです。
赤ちゃんは毎日の生活を通して舌や口、喉の使いかたを練習しています。
胃から逆流してしまう
私たちがよく知る胃の形といえば、S字に曲がったひょうたんのような形ですよね。
でも、赤ちゃんの胃はまっすぐな筒状になっています。
大人の胃のようなひっかかりがないため、胃の内容物が逆流しやすく、むせやすいのです。
また、胃の入り口の筋肉がまだ弱いことも大きな理由になっています。
授乳中に赤ちゃんがむせる理由
生活の中でもっとも赤ちゃんがむせやすいのは、授乳時ではないでしょうか?
それも、顔を真っ赤にしてむせていたりと、なかなか激しかったりするんですよね。
まずは授乳時にむせやすい原因をいくつかご紹介します。
母乳の勢いが強い
母乳パットをはずした途端、噴水のように勢いよく母乳が飛び出してしまうことはありませんか?
それを赤ちゃんが飲もうとすると、喉にいきなり母乳が入り込んでしまい、むせてしまうというわけです。
大人でも一度に大量の水分を摂ろうとするとむせて咳き込んでしまいますよね。
特に月齢の低い赤ちゃんの場合一度に飲める量も少ないので、それだけむせやすくなってしまいます。
赤ちゃんの飲み方が原因
最初から哺乳が上手な子もいますが、なかなか上手に飲めない子もいます。
中にはおっぱいを吸う時に完全に息を止めてしまう子や、すぐに疲れ休憩してしまう子もいます。
そのため上手く母乳を取り込むことができず、むせてしまうことがあります。
赤ちゃんが眠いとき
誰でも眠いときはぼーっとしてしまいますよね。
赤ちゃんも眠くなってくると母乳を上手く飲めなくなってしまいます。
特に長時間続けて授乳していると赤ちゃんも疲れ眠くなり、むせやすくなってしまいます。
赤ちゃんがむせにくい授乳の方法
母乳は与える前に前絞り!
授乳をしようと思っておっぱいを出すとカチカチに張っている!
ということはありませんか?
そういった場合、
赤ちゃんが吸った時に母乳が勢いよく出てきてしまったり、張りすぎで形が赤ちゃんの口と合わず、そのため上手く吸えずむせてしまう、ということにつながります。
この時にしてほしいのが母乳の前絞りです。
◎前絞りの方法
- まず、ティッシュやガーゼなどを用意します
- 乳輪を軽くほぐすように押して、たまっている母乳を出します
- 乳輪から乳糖部分が柔らかくなれば赤ちゃんに与えてOKです
前絞りは赤ちゃんがむせることを防止するだけでなく、乳頭の傷防止にも効果的です。
赤ちゃんがおっぱいを浅く咥えると乳頭に負担がかかり切れたり水泡ができたりしやすいのですが、前絞りで形を整えてあげることでこれを予防しやすいのです。
しかし、前絞りは必ずしなければいけないものではありません。
おっぱいの張りがあまりない方や、赤ちゃんが吸うと分泌される差し乳の方は前絞りせず授乳しましょう。
普段は張りやすい方でも、授乳間隔が短くなった時などあまり張っていない場合は前絞りはなしで良いといわれています。
なぜなら、母乳は出した分分泌されるため、必要がないのに前絞りをしたり、前絞りをしすぎると余計に張りやすくなってしまう可能性があるからです。
難しいかもしれませんが、研究をしているような気持ちで、ママと赤ちゃんにちょうど良い加減を探ってみてくださいね。
ちなみに、前絞りの時赤ちゃんが号泣するかもしれませんが、ママは焦らなくても大丈夫ですよ!
「ちょっと待っててね」「今飲みやすくしてるんだよ」と声をかけて、飲みやすいおっぱいを作ってあげましょう。
抱っこの仕方を工夫しよう
横抱き授乳や脇抱き授乳(フットボール抱き)は実践されている方も多いですよね。
赤ちゃんやママのおっぱいの形によってむせてしまう体勢はそれぞれかと思います。
今回は実践している人が少ないと思われる二つの抱き方を紹介します。
1、縦抱き授乳
- ソファやいすなどにしっかり座ります。背中にクッションなどを挟むと楽です
- 赤ちゃんを授乳させたい側の太ももに座らせます(赤ちゃんの足でママの太ももを挟むように)
- ママの腕は赤ちゃんの背中に回し、後頭部を支えます
- 授乳させたい側と反対の手でおっぱいを下から支えます
- 赤ちゃんの後頭部を持ち、乳輪部をしっかり咥えさせます
コツは、赤ちゃんを引き寄せるようにしておっぱいを咥えさせることです。
首の座っていない赤ちゃんは特に注意して支えましょう。
2、レイドバック法
https://breastfeedingusa.org/content/article/some-ins-and-outs-laid-back-breastfeeding
レイドバック法は縦抱き授乳とよく似ていますよね。
縦抱き授乳からママが上体を後ろに倒し、もたれかかったような姿勢です。
レイドバック法の手順は縦抱きと同じです。
最初にクッションなどを使ってしっかりと姿勢を整えましょう。
縦抱きと違い赤ちゃんがうつぶせの状態になるため、鼻がふさがれていないか注意してください。
授乳は様々な方法をローテーションすると良いといいますよね。
ぜひ、いろいろ試してみてママと赤ちゃんに合う方法を探してみてください。
授乳後はゲップをさせると安心
胃の中に空気が入ってしまうと内容物が逆流しやすくなってしまいます。
授乳後はゲップをさせてあげましょう。
ゲップがなかなか出ない場合は無理に出させなくても構いません。
こちらも様々な方法がありますので合う方法を探ってみると良いでしょう。
母乳は与えすぎに注意
赤ちゃんは飲みすぎてしまうと小さい胃がいっぱいになり吐いてしまいます。
吐き戻しはむせる原因になりやすいため気を付けてあげましょう。
また、長時間授乳していると赤ちゃんがウトウトしてくることもありますよね。
眠くなると動作が鈍くなり、舌や喉がうまく使えずむせてしまう可能性があります。
ですから、寝ながら飲んでいる場合は授乳を中断してしまうのも一つの方法です。
誤嚥性肺炎の心配は?
誤嚥性肺炎
誤嚥性肺炎とは、食べ物や飲み物など異物が気管に入ってしまい起こる肺の炎症です。
むせるというのは、気管に入りそうになってしまったものを戻そうとするため起こるのです。
症状は高熱が続く、たんのからむ激しい咳などです。
まれに、夜だけ熱が出ることが続く、37度台の熱が続くといったわかりにくい症状でも肺炎になっていることがあるため、どこかおかしいと感じた時は必ず小児科を受診しましょう。
可能性は低い
誤嚥性肺炎の患者の95%は高齢者で、残りの5%にそれ以外の赤ちゃん~成人までが該当します。
ですから、母乳による誤嚥性肺炎の可能性は低いといっても良いでしょう。
誤嚥性肺炎の予防
誤嚥性肺炎の予防はむせない対策と同じです。
特にむせやすいのは授乳時や授乳後なため、授乳はむせにくい工夫をし、授乳後のあおむけ寝は避け、横向きにしてあげることが大切です。
まとめ
赤ちゃんがむせてしまった時は、体を起こして背中をやさしく叩いてあげましょう。
縦抱き、または眠っている時は横向きにさせると楽になるかと思います。
あまりに激しく咳き込みその後チアノーゼが出たり、ぐったりしている時は迷わず病院へ連れていきましょう。
赤ちゃんとの生活は心配なことがいっぱいですね。
その都度不安や疑問を解消して、安心して育児をしていきましょう。