母乳からの免疫・抗体はいつまで?生後半年までって嘘?

マタママ

「母乳には免疫物質が含まれている!」という話。

一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?

じゃあ母乳育児なら風邪をひかないのかというと・・・

母乳育児だろうが新生児から風邪をひきます!!

ちなみに我が家の長女は生後1カ月で風邪をひきました。

とはいえ、巷では母乳に関するいろいろな情報が飛び交っていますよね。

今回は母乳の免疫について、調査した事柄と経験を交え、まとめていきたいと思います。

 

母乳に含まれる免疫成分とは?

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母乳には、たくさんの免疫成分が含まれています。

近年その栄養価値が注目され、世界的にも母乳育児を推奨されているのです。

産院では母親学級などで妊娠中から母乳に関する知識を教えていたりしますよね。

では、具体的にどんな成分が含まれているのか見ていきましょう。

 

◆免疫グロブリンA(IgA抗体)

IgA抗体は赤ちゃんが口から摂取することで喉や消化管の粘膜を保護し、ウイルスや細菌が体内に入り込んでも感染しないよう防ぐ役割があります。

このため、母乳で育った赤ちゃんの方が中耳炎など粘膜の炎症に罹りにくいといわれています。

◆ラクトフェリン

ラクトフェリンは母乳に含まれるたんぱく質の一種です。

身体の免疫力を高め、それにより病原菌に対する抵抗力を高める作用があります。

また、腸内に運ばれたラクトフェリンは鉄分と融合しやすいため、鉄分を吸収して増殖をする悪玉菌を抑制する効果があります

鉄分と融合したラクトフェリンは体内に吸収されるため、同時に鉄分も効率よく吸収されることになります。

意外にも赤ちゃんは鉄欠乏性貧血になりやすいのですが、これを防ぐためにもラクトフェリンは有効なのです。

◆リゾチーム

殺菌作用があるため、ウイルスや細菌の感染予防を促します。

◆白血球

侵入したウイルスや細菌を攻撃し、貪食する役割があります。

◇他にも様々な栄養成分が含まれている

  • ビタミンA,D,E,K
  • 葉酸
  • ミネラル(カルシウムや鉄分など)
  • タンパク質
  • 脂質
  • オリゴ糖

母乳には上記の成分のほかに、様々な栄養成分が含まれています。

赤ちゃんの未熟な身体では生成することができないものもあるため、大変重要なのです。

 

ママから貰った免疫は生後半年で消失?もうひとつの免疫グロブリン

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ママからもらった免疫は半年で消えるという話を聞いたことはありませんか?

この話自体は本当です。

しかし、この話の「ママからもらった免疫」が「母乳に含まれる免疫成分なのか」と聞かれますと、答えはNOです。

ママから赤ちゃんへ免疫成分が移行する方法は母乳だけには限りません。

赤ちゃんが子宮にいる時、赤ちゃんの栄養は胎盤から送られていましたよね!

実は、胎盤から栄養成分とともに、免疫グロブリンGというものが赤ちゃんの身体へ移行されているのです。

AとかGとか言われてもなかなかピンときませんよね。

では、役割や特徴の違いを見てみましょう。

 

◎免疫グロブリンG(IgG抗体)

1.胎盤を通してママから赤ちゃんへ

IgG抗体は母乳からではなく、胎児の頃に胎盤から赤ちゃんへ送られます。

その量は、妊娠7カ月から増加し臨月にはピークを迎えます。

正期産で生まれた赤ちゃんのIgGの量は成人を上回るほどともいわれています。

 

2.ウイルス性感染症に強い

IgG抗体は、風疹麻疹、水痘など、ウイルス性の感染症に強いといわれています。

また、風邪もウイルスによるものがほとんどですね。

IgGはそういったウイルスを無毒化する、抗生剤のような役割があります。

私たちが一度抗体を持った感染症に罹らないのはこのIgGがあるおかげなのです。

 

3.新生児でも風邪をひく理由

IgGはお母さんが持つ抗体が赤ちゃんに移行します。

風邪の原因となるウイルスは200以上あるといわれており、また、ウイルスは年々進化をするため、引いても引いても風邪に罹らなくなることはありません。

ですから、お母さんが抗体を持っていないウイルスには当然罹りやすくなってしまいます。

 

4.生後半年頃に消失

お母さんからもらった免疫が半年でなくなるという話ですが、実は、母乳に含まれるIgAではなく、胎盤から移行するIgGのことなのです。

生後半年頃から予防接種が行われるのはそのためです。

しかしながら、母体からの免疫が持続する期間は各感染症により異なるため、注意が必要です

  • 風疹…生後6か月まで有効。まれに9~10カ月まで持続することもある。
  • はしか…生後3か月頃までは非常に有効だがその後消失。
  • 百日咳…母子免疫が期待できず、新生児から罹患しやすい。
  • ジフテリア、日本脳炎…そもそも母親が免疫を持っていない場合がある。
  • 水痘…生後1か月ほどで消失。
  • おたふくかぜ…生後10か月まで有効。

 

期限があるとはいえ、母乳に含まれる様々な免疫成分と合わせると、お腹の中で無菌状態で育った赤ちゃんが生きていくためにとても心強い味方となります。

 

母乳免疫はいつまで続く?

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母乳免疫が半年でなくなるわけではないことがわかり安心しましたよね。

では、母乳の免疫成分っていつまで含まれるのでしょうか?

答えは【卒乳まで】です!

濃度は減少していくものの、授乳をしている限り、免疫成分は含まれ続けます。

また、赤ちゃんの哺乳量は成長とともに増えていくため、結局赤ちゃんが体内に取り込む量は変わらないのではないかという説もあります。

 

 

初乳を与えるメリットは?

母乳の免疫成分が特に多い時期があります。

それは、出産~5日目までの母乳で、初乳と呼ばれます。

初乳は通常時の母乳に比べ、IgAや白血球などの免疫物質が約100倍含まれているといわれ、まさに免疫のかたまりなのです。

また、消化が良く、より効率的に赤ちゃんの体内へ取り込まれます。

ですから、その期間に初乳を与えておくことが、今後の赤ちゃんのためにとても重要なのです

 

ママが風邪をひいた時は免疫UPのチャンス!?

風邪の時に赤ちゃんに移してはいけないからと授乳を控えてはいませんか?

声を大にして言いたいです!

「風邪の時こそしっかり授乳しましょう!!」

母乳は免疫成分が含まれ、なおかつ栄養も豊富で、赤ちゃんにとってこれ以上に高機能な食事はありません。

また、風邪を引いたお母さんの体内ではその風邪に対する抗体がつくられ、その他の免疫成分も盛んに分泌されます。

それらが母乳に含まれ赤ちゃんにも届けられるのです

ですから、飛沫感染等の対策はしつつ、授乳は続けると良いでしょう。

 

※赤ちゃんが風邪をひいた時も・・・

不思議なのが、赤ちゃんが風邪をひいた時も母乳はその風邪に対する抗体を与えることができるという点です。

お母さんの身体が赤ちゃんに感染した病原体に反応し、体内で抗体を作り出すためだといわれています。

ですから、風邪で頻回授乳になり大変かもしれませんが、特効薬を与えるつもりで母乳を与えてあげましょう。

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まとめ

免疫の事だけでも母乳が如何に優れているかわかりますよね。

とはいえ、母乳さえ与えていれば感染症に罹らないというわけではありません。

室温や気温を気にかけたり、人ごみに連れ出すことを控えたり、特に冬場はさまざな対策を併用すると安心です。

母乳は赤ちゃんにとって大切な食事であり、心の安定剤です。

授乳に追われている日々は早く卒乳したいと思うこともありますが、卒乳してしまうと寂しくなってしまうものです。

こんなに赤ちゃんと密な触れ合いができるのも今だけですよ。