妊婦の風邪には点滴の方が即効性あり?点滴と飲み薬の違いは?

妊娠初期

例え熱などの重い症状が出なくても、妊婦にとってバカにできない風邪。できることならかかりたくないけれど、もしも風邪の症状を感じたら早めに手を打ちたいですよね。

でも、妊婦さんにとって飲み薬はまた抵抗がありますよね。

「妊婦は薬を飲めないので、点滴ですぐに治したい!」

「飲み薬よりも安全な気がする」

そう思っている方はいませんか。

でもちょっと待って!妊婦さんが点滴で治療を受けるのはどんな時?安全性はどうなの?ちょっと気になりますよね。妊婦さんの点滴治療について一緒に見ていきましょう。

 

妊婦が風邪で点滴をするのはどんな時?

病院で診てもらった場合、飲み薬の他に点滴という治療方法もありますよね。妊婦さんが風邪の治療に点滴を受けるのはどのような場合なのでしょうか。まずは、実際に点滴による治療を受けた経験がある妊婦さんの声を聞いてみましょう。

 

風邪で点滴をした妊婦さんたち

風邪で点滴をした妊婦さんは意外に多いようですが、点滴は妊婦さんにとって安全なのでしょうか。また、飲み薬と比べ、どのような違いがあるのでしょうか。

 

点滴をするメリットとその効果

点滴治療とは

症状や病気にあわせた必要な有効成分を、直接静脈内へ入れることで高い確率で効果を出す治療方法です。

飲み薬の場合、まずは飲んだ薬が胃や腸まで運ばれます。それぞれの消化器官で必要な成分を吸収し、そこで初めて血管内に吸収され、血液に取り込まれるのです。

飲み薬も点滴も目的は同じなのですが、消化吸収の働きに頼らない分、点滴は確実な効果が期待できます

しかし、薬というのは一気に体内に取り込むと非常に危険です。そのため、点滴は時間をかけてゆっくりと投与します。点滴の経験がある方は、50ml以上ある薬液が、ポタポタと流れ落ちる雫となって1時間以上かけゆっくり減っていくのをご存知ですよね。

 

点滴治療のメリットと効果

点滴は効果的な方法だと記載しましたが、では、飲み薬よりも大きなメリットがある治療法なのでしょうか。

直接血液に送り込むので即効性があると思われがちですが、

 

実は点滴は基本的に即効性があるものではありません

 

点滴治療をする理由として、脱水症状で水分補給が必要であることや、細菌による感染症で効果的に抗生物質を取り込む必要があることが挙げられますが、胃腸の消化吸収率に比べ、直接血液内に取り込むことができる点滴は、より効果的だとの考えが根本にあります。

つまり、点滴によって風邪の症状がすぐに治まるというわけではないのですね。さらに、どのような症状にも確実な効果が期待できるかといえば、そうではありません。

先ほども述べた水分補給を目的とする場合や、扁桃腺炎や胃腸炎などの細菌性の感染症に対して抗生物質の投与が必要な場合には効果的ですが、あくまで薬剤の吸収率が良くなることが特徴なのであり、体内のウイルスを撃退するという働きはありません。

 

ウイルス性の風邪の場合には、あまり高い効果は期待できないのです。

 

 

細菌とウイルスの違い

細菌

分類上は植物に属する単細胞生物のことを指します。その単細胞生物が人間や他の生物に入り込み、細胞分裂で増殖します。これが病原菌である場合、その生体細胞の増殖や機能を阻害するために抗生物質などを使う必要があります。

これまでに確認されている細菌はなんと、1000種類を超えているんです!

ウイルス

細菌との大きな違いは、自らが細胞体なのではなく、DNAとそれを包む殻だけからなる超極小の微粒子であるという点です。生物の細胞に寄生し、生きた細胞内でのみ増殖するのがその特徴で、ウイルス性の疾患は、対症療法(熱が出れば熱冷まし、嘔吐症状があれば吐き気止め)での治療がメインとなります。

≪こちらの動画では、細菌とウイルスの違いをより詳しく説明しています。≫

 

妊婦さんにとって点滴治療は安全?

点滴での治療のポイントをまとめると

  • 飲み薬に比べ、成分を効果的に取り込むことができる
  • 即効性があるのではなく、確実性が高い治療方法である
  • 水分や抗生物質の取り込みには効果が高い
  • ウイルス性の風邪には効果は低い

となります。

これらのポイントをふまえた上で、妊婦さんに点滴が必要だと病院で判断された場合には、妊娠中でも必ず問題ない成分の点滴を行います。

 

点滴が必要ということは効果的で早めの対応が求められているので、病院の指示に従ってきちんと治療を受けましょう。

 

風邪をひいたらどうすればいいの?

まずは産科に連絡を

風邪の症状を感じたら、まずはかかりつけの病院に連絡をしてみましょう。私が通っていた産婦人科は、風邪などの処方もおこなってくれたので、インフルエンザにかかってしまった際もお世話になりました。

しかし病院によっては専門外である内科診察を断るところもあるようです。

それはもちろん先生の考えで「専門性の高い内科でしっかりと診断されること」をすすめて下さっているということなので、受診にあたり気を付けておくべきこと(現在内服している薬があるかなど)を確認し、改めて内科を受診しましょう。

 

内科を受診する場合は、妊婦であることをきちんと告げよう

受診歴のない内科を利用する場合は問診票に妊娠の有無を記入する場所があると思います。受診歴のある内科の場合は、先生に妊娠中であり何週目であるかをきちんと伝えましょう。

病院を別々に通うと、薬同士での副作用が懸念されます。産婦人科で何か薬を処方されている場合、併せてお薬の情報も伝えましょう。

薬の飲み合わせはよくありません!お薬手帳を持ち歩くことも大切です!

 

点滴も飲み薬も目的は同じ

点滴と飲み薬は、効果の確実性は異なるものの、その目的は同じだということがわかりましたね。また、風邪(体調不良)の原因が細菌によるものかウイルスによるものかでも、対処方法がかわるんですね。

点滴ですぐに治る!妊婦には飲み薬より点滴!という認識ではなく、あくまでも飲み薬と変わらない治療方法の一つだということを理解し、病院を受診しましょう。

 

飲み薬についてはこちらの記事を参考にしてください

抗生物質の摂取についてはこちらの記事を参考にしてください

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