妊娠中は出来るだけ薬を飲みたくない、なんだか心配…という声が聞こえてきますが、こじらせないうちに薬で早く治すという考え方もありますね。
妊婦でも飲める風邪薬はある?注意が必要な薬はどんな薬?など、風邪薬のギモンを調べて見ました。
妊婦は絶対薬を飲まない方がいい?
妊婦が注意すべき薬は?
アスピリン・バファリン(解熱鎮痛)
出産予定日12週以内の場合出血が増えたり、難産になる報告がある。
出産予定日12週未満の場合も、薬を使う有益性が上回る時にだけ使用する薬とされています。
ボルタレン(解熱鎮痛)
胎児に動脈管収縮・閉鎖、徐脈、羊水過少の報告があり、妊娠している疑いがある人・妊婦には投与できません。
ロキソニン(解熱鎮痛)
胎児に動脈管収縮・閉鎖の報告あり。分娩に時間がかかり難産の危険を高める。
治療上の有益性が上回るときのみ投与する。
葛根湯などの漢方薬なら大丈夫?
漢方薬でも、大黄(だいおう)、麻黄(まおう)、桃仁(とうにん)は、妊婦さんには使えない漢方薬です。
ところが、葛根湯には麻黄(まおう)が含まれているので、注意が必要です。
漢方薬は、体質によって処方が変わります。
葛根湯は、体力があり、胃腸の働きが弱っていない場合、安定期の妊婦さんの場合には、有益性が高いと判断された場合は使われることがありますが、『漢方薬は安全』というイメージだけで市販の葛根湯を飲むのは良くないようですね。
葛根湯などこちらでも解説しています。
関連記事妊婦の風邪に葛根湯は?副作用・影響があるってホント?
妊婦さんの薬への考え方は?
『有益性がリスクを上回る場合は使用する』
病院で診察を受けると、薬が処方される場合があります。
これは、どんな薬も全くリスクが無いワケではありません。
けれども、熱が高くて羊水の温度も上がってきそうだという場合には、熱のため赤ちゃんにリスクを負わせるくらいなら、副作用の起こりにくい解熱剤を使ったほうが良いですし、咳がひどすぎて血中酸素濃度が低下している様な時には、咳止めを使った方がいいと判断されるから、処方されるのです。
もちろん、妊娠週数や、妊婦さんの状態、体質に応じて、最もリスクの少ない薬が選択されています。
処方を受けたら、指示通りの飲み方を守り、週数が進んでから余っている薬を勝手に飲まない様にしましょう。
産婦人科で良く処方される薬
【解熱剤】カロナールやアンヒバ
風邪やインフルエンザで発熱したときには、カロナール(錠剤)やアンヒバ(座薬)が処方されます。
アセトアミノフェン系の解熱剤は、赤ちゃんへの影響が無いことがわかっているからです。
妊娠の疑いがあるときや、幼児の解熱剤としても使われることが多いお薬です。
【せき止め】アストミンやメジコン、フラベリック
せきが続くと、少しの刺激でも激しいせきが出るようになりつらいものです。
産婦人科で相談すると、赤ちゃんに影響の無いお薬と用量を処方してもらえます。
我慢しすぎると、酸素の血中濃度が低下して赤ちゃんにも苦しい思いをさせますし、腹筋の影響でお腹のハリが出やすくなることもあります。
脳の咳中枢に働くこうした薬を使った方が良い場合があります。
【鼻水・のどの痛み】イソジンやポララミン
イソジンの様に殺菌力の高いうがい薬、抗ヒスタミン薬のポララミンなどが使われます。
風邪の引き始めの鼻水・のどの痛みには、民間療法の大根飴や、しょうが湯なども有効です。
体を温める、体を休める、栄養を摂る、加湿の基本とあわせて、処方薬を飲み、早く治しましょう。
【総合感冒薬】pl配合顆粒
かぜに効く4つの基本成分が含まれており、妊婦さんに処方される事も多いお薬です。
サリチルアミド:熱、痛みをやわらげる
アセトアミノフェン:熱、痛みをやわらげる
無水カフェイン:解熱鎮痛を助ける。眠気や疲労感をやわらげる
プロメタジンメチレンジサリチル酸塩:抗ヒスタミン剤として鼻水鼻づまりをラクにする
こちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事pl配合顆粒は妊婦さんに大丈夫?心配な風邪薬との付き合い方は?
【漢方薬】桂枝湯や香蘇散、麦門冬湯、苓甘姜味辛夏仁湯、麻黄附子細辛湯
漢方薬の中で知名度ナンバーワンは、葛根湯ですが、妊婦さんの場合、体力が低下している時や、胃腸の働きが弱っている時には、ムカムカがひどくなったり、汗をかくことで体力が消耗する場合があり、そうした場合は、他の漢方薬が選ばれます。
葛根湯が処方されなかった場合には、お医者さんが合わないと判断したのでしょう。
風邪で病院にかかる時も産婦人科でOK!
関連記事妊婦の風邪は何科にかかる?何でも産婦人科で大丈夫ってホント?
おわりに
- ひどくならないうちに受診、処方薬でサクッと治す
- 市販薬を勝手に飲まない
- 保温・加湿・休息・栄養のかぜ治療の基本を忘れずに!
『妊娠の可能性のある方、妊娠中の方は、医師に相談してください』
こうした表示があると、「怖いからのみたくない」と思う方がいるかもしれませんが、リスクは週数や薬の種類によって違います。
病院で処方されたのなら、医師の指示に従って服用し、風邪を悪化させないことが赤ちゃんのためだと言えます。
”漢方薬なら大丈夫””というイメージだけで、勝手に飲むのはやめて、産婦人科に相談してくださいネ。
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