妊婦健診で毎回測っている血圧。
平均の値は一体どれくらいなんだろう?と気になっていませんか?
私の血圧は低いのでは?
高いから危険なのでは?
と心配している妊婦さん。
実は結構いらっしゃるんですよ。
そこで今回は妊婦さんの血圧の平均と正常値のご紹介。
そして先輩ママさんの体験を参考に、どれくらいの数値で低い・高いと言われるのか。
どのような危険が考えられるのかをじっくりご紹介したいと思います。
妊婦健診で毎回血圧を測るのはなぜ?
血圧が高いと懸念される妊娠高血圧症候群の妊婦さん、もしくはその予備軍である人の早期発見をするためです。
妊娠高血圧症候群にかかると多くのリスクを背負うことになります。
血管障害・臓器障害等を起こして母子ともに危険な状態になる可能性があります。
発症率は全妊婦さんの3~7%と低いものですが、現時点で根本的に治す治療法がありません。
そのため早期発見し、速やかに症状が悪化しないよう手をうつ必要があります。
妊婦さんの血圧の平均は?正常値はどうなの?
妊婦さんの血圧の平均は?
✅ 最高血圧100~112mmHg、最低血圧60~68mmHgです。
(平成26年度作成 高知医療センター「妊婦さんのための血圧手帳」より)
え!私はこれより低いんだけど!高いんだけど!と心配したあなた。
安心してください。
低い場合でも医師から指摘がなければ問題ありません。
高くても正常範囲内の値なら妊娠継続において心配する必要ありません。
妊婦さんの血圧正常値は?
妊娠中の血圧は低い順から
「至適血圧」
↓
「正常値」
↓
「正常高値」
↓
「妊娠高血圧症候群」
に分類されています。
このうち「至滴血圧」・「正常値」は問題がないとされる範囲内。
「正常高値」からは注意が必要です。
「至適血圧」
✅ 最高血圧120mmHg未満・最低血圧80mmHg未満
妊娠中、一番理想的な血圧の値です。
母子ともに負担が少なく、脳や腎臓といった臓器への障害が起こりにくいとされています。
一般的には正常値の人より長寿になると言われているようです。
「正常値」
✅ 最高血圧130mmHg未満・最低血圧85mmHg未満
妊娠中の血圧の基準となる値です。
この範囲内であれば基本的には問題ないとされています。
「正常高値」
✅ 最高血圧139mmHg以下・最低血圧89mmHg以下
名前だけ見ると、問題があるのかないのかわかりにくいですよね。
一応正常の範囲内ですが、「妊娠高血圧症候群になる一歩手前のゾーン」と考えた方がいいでしょう。
繰り返しこの値が出る場合は、毎日血圧を測定するように指示があることが多いです。
確認した時点で更なる進行を防ぐため、手をうっておいた方が安心です。
「妊娠高血圧症候群」
✅ 最高血圧140mmHg以上・最低血圧90mmHg以上
これに加えたんぱく尿も検出された場合、更に注意が必要です。
最高血圧160mmHg以上、もしくは最低血圧110mmHg以上だと重症と見なされます。
この場合、早急に適切な処置が必要です。
血圧がどれぐらい低いと危険?リスクの内容は?
この数値だから低い!だから危険だ!と医師から言われている人はまずいないと考えていいでしょう。
実は妊娠中は血圧が高くなりやすいと言われる一方で、妊娠したことで低血圧になってしまう人。
もともと低血圧で更に低くなってしまったという人は結構いらっしゃいます。
妊娠していることに限らず、だいたい最高血圧が90mmHg未満・最低血圧が60mmHg未満で低血圧の疑いがあると判断されるようです。
しかし妊娠中の低血圧は、これより数値が低くてもその人が体の不調を感じていない限り問題ありません。
低血圧のリスクの内容は?
低血圧であること自体が母体や胎児に悪影響を直接及ぼすことはありません。
しかし 「めまい」「倦怠感・疲労感」「頭痛」などの不調が生じることがあります。
この症状により危険な状態を招いてしまう恐れはあります。
一番怖いのはめまいや立ちくらみを起こして転倒すること。
妊娠中の転倒はその時何もなくても、後で問題がでる可能性もあるので自己判断は禁物です!
もしも転倒した場合は必ず病院に連絡し、どういう状況だったかを説明しましょう。
また気をつけてほしいことが他にもあります。
それは仰向けで寝ることです。
これにより、仰臥位(ぎょうがぐらい)低血圧症候群になってしまう可能性があります。
仰向けで寝ることで、大きくなった子宮が静脈を圧迫。血液の循環が鈍くなってきます。
そうなると更なる血圧の低下。
場合によっては母子ともに十分な血液が回らず、赤ちゃんの低酸素状態。
ママが気絶してしまうなどの危険を招いてしまいます。
妊娠中期・後期の人はとくに注意が必要です。
仰向けで就寝せず、自分の左側を下にして休む(シムスの体位)ようにしてください。
シムスの体位のとり方は、こちらの動画で詳しく説明されています。
血圧がどれぐらい高いと危険?リスクの内容は?
注意を受けるレベルの数値、入院を勧められるレベルの数値は、あなたの体調や医師の見解によって異なります。
先輩ママの体験を見てみると、以下のようなことがわかってきました。
注意を受けるレベル
- 正常高値の範囲である135/85mmHg以上の数値が繰り返し出る。
- 150/100mmHg以上の高い数値が一度でも出る。
※数値はあくまでも目安です。
病院で測った時は高い値が出やすい傾向にあります。
ですのでこの段階では、毎日血圧測定を行う・食事の栄養指導を受ける・通常より細かく産科を受診する等して様子見となります。
ちなみに1人目妊娠時に妊娠高血圧だった私。
現在2人目妊娠中ですが、妊娠がわかってからずっと注意レベルの対象です。
そのため毎日血圧を測定しています。
今回の妊娠中の数値は家だと上が110台、下が70台と比較的落ち着いています。
それでも定期的な栄養指導を受け、毎日血圧を測るように言われています。
入院を勧められるレベル
注意を受けるレベル以降、毎日血圧を測っていてだんだん高くなってきたら。
もしくは一度でもグンと高い数値が出たら念のため入院を勧められます。
この数値も医師によって見解が異なります。
先輩ママさんの体験例です。
検診の度に順調ですねーとしか言わなかった先生が血相を変えて毎日三回血圧を測るように言ってきた。
妊娠高血圧症の疑いがあるらしい。
次に上が150下が100越えたら、即、病院送り。
調べたら、早期胎盤剥離やヘルプ症候群脳内出血、胎児の発育不全などのリスクが高いみたい。怖い。— 月読ゆり (@tsukuyomiyuri) January 22, 2016
紹介状書くからブドウ糖負荷試験受けてこいって。あと毎日朝晩の血圧測定。用紙に記入して次回持ってこいと。もし血圧140超えたらすぐ電話しろと。妊娠って何でこんなに大変なんだ。前回も最後まで順調にはいかなかったし、今回も問題ありあり。何事も無く出産してる人って、ホント凄いなって思う。
— Rui (@casutan) January 13, 2016
入院は、安静と減塩された食事で過ごす管理入院です。
短期間で終わる場合もありますし、場合によっては生まれるまで過ごす可能性もあります。
病院によっては今後の対応ができない可能性があるため、大きい病院への転院を勧められることもあります。
また上のご意見でもあったように、血圧が高すぎて母体の命が危険と判断されると緊急で出産することもあります。
ちなみに私は一人目妊娠時の血圧が上は130~160台、下80~100台でしたが、自宅療養でなんとか入院は免れました。
現在かかっている病院(一人目の時とは別の病院)の医師にそれを伝えると、
「入院しなかったなんてありえない!この数値なら私の場合、即入院してもらいます!」
と言われました。
やはり色々な見方があるので、気になる方は担当医師に具体的な数値を聞いてみた方がいいかもしれません。
リスクの内容は?
はじめにも言いましたが、妊娠高血圧症候群になると様々なリスクを一度に背負うこととなります。
- 浮腫み
- 体重増加
- 胎児発育不全
- 血管障害
- 脳・腎臓等臓器への障害
- 子癇というけいれん発作
- 常位胎盤剥離という出産する前の段階で胎盤がはがれてしまう現象(胎児の死亡率30~50%)
- 脳出血(最悪の場合死亡してしまうケースもある)
以上のような危険を伴うものなので、このような症状があったらすぐ病院に連絡をしてください!
- 急激な血圧上昇
- 急激な体重増加
- むくみの急激な悪化
- 頭痛がする
- 目がチカチカする
- 子宮の収縮や下腹部痛がある
何らかの危険信号である可能性があるので要注意です。
血圧が高い人はここもチェック!こういう場合は血圧が高くなりやすい!
以下のような人は妊娠高血圧症にかかりやすいと言われています。
あなたは該当していませんか?
- 初産婦の人
- 年齢が20歳未満・もしくは40歳以上の人
- BMIが25以上の肥満の人
- 血縁関係にある家族が高血圧や糖尿病になったことがある人
- 過去に高血圧・糖尿病・妊娠高血圧症候群になったことがある人
- 多児妊娠の人
また先程少し述べましたが、病院で測ると血圧が高い「白衣高血圧」のタイプの人もいます。
- 病院でいつも急かされて血圧測定を促されている
- 尿検査等他の検査の関係で色々移動した後すぐに血圧測定を行っている
- 次の人がいるからと焦って血圧測定をしてしまう
- 周りの人に自分の数値を見られているのでは?と周囲の目を気にしながら測定を行ってしまう
- また高い数値が出てしまうのではないかと不安に思ってしまう
以上のような経験はありませんか?
もしそうなら、白衣高血圧の可能性があります。
測る前に深呼吸をする、姿勢を正すなどしてみましょう。
結果が見えることが気になる人は、あらかじめ数値が表示される場所にハンカチをかけておくというのも一つの手です。
先輩ママによっては機械で測るといつも高い値なので、最初から看護婦さんに測ってもらうようお願いしたという人もいます。
このようなケースがあるため、基本的には家で測定する血圧を重視する医師が多いです。
しかし、出産するのは病院です。
自宅でいくら低い数値であっても、病院で測定した時毎回高いことをきっかけに入院や出産を勧める医師もいます。
血圧が低い人へのおすすめ対策8つ
低い場合は深刻な状態を招きにくいとはいえ、不快症状は改善したいですよね。
以下を参考にしてみてください。
体のリズムを整える
夜早く寝て、朝早く起きる。昼間は適度な運動などして活動する。
食事も1日3食。規則正しくとるようにしてみましょう。
このようなことを意識づけると自律神経の働きがよくなり、血圧低下を予防できると言われています。
体のリズムを整えることは、つわりの症状緩和にも有効な方法です。
つわりにも悩まされている方は、こちらの記事もご覧ください。
”https://fun-mom.com/tsuwari/7331/″
良質な睡眠をとるように心がける
朝思うように起きられないという人は、夜の寝つきがイマイチではありませんか?
良質な睡眠をとるには寝つきやすい工夫をしましょう。
例えばついやってしまう、真っ暗な部屋で携帯を見ると言う行動。これは控えましょう。
携帯のブルーライトはテレビやパソコンよりも脳を興奮状態にしてしまうと言われています。
そのためブルーライトを浴びなかった人と比較すると30分~1時間、安眠に至るまで時間がかかってしまいます。
アロマを炊いたり、足湯を利用する等も入眠促進効果があると言われています。
足湯については、こちらの記事で詳しく書かれています。
”https://fun-mom.com/kenko/6919/″
運動をする
ウォーキング等体を動かすと血圧が上がりやすくなります。
軽い柔軟運動や毎日掃除をするだけでも効果的です。
動画サイトには妊婦さんにおすすめのストレッチ等、多数紹介されています。
これを機会に試してみてはいかがでしょうか?
こまめに水分補給をする
水を摂取することで血圧が上昇するということをご存知ですか?
1回飲むと血圧の上昇効果は90分続くと言われています。
数時間おきに500mlの水分をとると、より効果的だとか。
つわり等でたくさん一度に飲めない人は、ゆっくり時間をかけて飲むのでもOKです。
タンパク質をとる
血圧が低い人はたんぱく質不足の人が多いと言われています。
卵・肉・魚・大豆・お米など積極的に取り入れてみましょう。
とくにこの中でビタミンB群に該当する
豚肉・レバー・大豆・マグロ・かつお・さんまはおすすめです。
ビタミンB群はエネルギーを作り出し、血の巡りをよくする働きがあるからです。
湯冷交代浴をしてみる
お風呂に入った時に試してみましょう。
- お風呂に3分ほど浸かる
- 浴槽から出て冷たいシャワーを足に10秒ほどかける
- 次に温かいお湯を足にかける
- 2.3を5セット繰り返す
このようにお湯と水を交互にかけることで、血管の収縮率がアップ。
低血圧が改善されると言われています。
お風呂から出る前に手に冷水をつける
立ちくらみによる転倒防止策です。
こうすることで血圧の急な低下を防ぐことができます。
ゆっくり立ち上がる
こちらも立ちくらみによる転倒防止策です。
それでも倒れそうになったら、すぐにしゃがむことを意識しましょう。
仮に尻もちをついても頭を守ることは可能です。
血圧が高い人へのおすすめ対策5つ
塩分を控える
高血圧の人にとっては定番の改善策ですね。
血圧上昇だけでなく浮腫み防止策にもなります。
目安としては1日7~8gの塩分量です。
- 香辛料やにんにく・ネギ・レモン等の香りを利用する。
- 粉末だしではなく、自然素材のだしを利用する。
- 味噌汁などのスープ類は1日1杯。
- 麺類の汁は摂取したくても少量にとどめる。
- 干物・漬物・練り物等の加工食品は控える。
以上のような工夫で塩分を控えるようにしてみましょう。
浮腫みでもお悩みの方は、こちらの記事もご覧ください。
”https://fun-mom.com/ninshin-shoki/7179/″ ”https://fun-mom.com/beauty/6969/″
食事量をセーブする
体重増加は妊娠高血圧症候群のリスクを高めると言われています。
適切な体重増加になるよう、食事量を管理しましょう。
妊娠高血圧症候群の場合の1日に必要な摂取目安量は、以下の計算で求めることができます。
①妊娠前のBMIと適正体重の算出
体重は妊娠前のものを入力してください。
こちらで算出できます。→BMIと適正体重
②1日の摂取目安量の算出
★妊娠前のBMIが24以下の場合
(30kcal×適正体重(kg))+付加量200kcal/日
★妊娠前のBMIが24以上の場合
30kcal×適正体重(kg)/日
(例)妊娠前の体重が55kg、身長160cmの人だと・・・
①BMI=21.5、適正体重=56.3kg
②(30×56.3)+200=1889kcal/日
ただしあなたの体の状態によって適切な食事量は異なります。
具体的なことを知りたい人は、担当の医師や栄養士に問い合わせるようにしてください。
体重管理について知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
”https://fun-mom.com/ninshin-chuki/5613/″
バランスよい食事メニューにする
塩分を控えた食事を既に取り入れている。
それでも改善されないという人は食事メニューのバランスを見直してみましょう。
塩分量だけにこだわって、炭水化物やたんぱく質ばかりとっているということはありませんか?
野菜類は多くとれていますか?
いくら塩分を控えていても、排出してくれる役目の野菜類がとれていないと改善されないというケースがあります。
実は私もこのケースで、朝・昼は野菜をほとんど取り入れていない状態でした。
取り入れた食事メニューをしばらく続けると、数値が上も下も10くらいずつ低くなりました。
食事1回の野菜摂取量の目安は、温野菜で片手におさまるくらいを意識するといいでしょう。
野菜以外にも以下のような食材は高血圧予防に効果的なので、おすすめです。
- りんご・バナナ等の果物類。(ただし果糖を含むため摂りすぎには注意)
- 納豆・豆腐・ヨーグルト等の発酵食品。
- アジ・イワシ等の魚や牛乳等のカルシウム豊富な食品
血圧を下げる飲み物を取り入れる
麦茶・そば茶・どくだみ茶・胡麻麦茶・黒豆茶・ルイボスティー
タンポポ茶・ハトムギ茶・牛乳・豆乳・オレンジジュース
がいいと言われています。
これらは血圧を下げる効果が期待できるもの。
利尿作用で塩分の排出に一役かうものになります。
また温かい飲み物は空腹感を紛らわせることができるので、食事量をセーブすることにも有効です。
リラックスした生活を心がける
緊張は血圧上昇のきっかけとなります。
なかなか難しいところですが、できるだけ心穏やかに保てるよう心がけましょう。
例えば睡眠は十分にとること。
時間があれば読書や裁縫等、ゆったりとしてできる好きなことをしてみるのもいいでしょう。
リラックスするための体操や音楽もあります。
最後に
妊婦さんの血圧の平均は上が110~112mmHg、下が60~68mmHgでした。
これより高くても正常値の範囲内であれば問題ありませんが、血圧がいつか高くなってしまう可能性もあります。
念のため高血圧予防をしておくと安心でしょう。
血圧が低い人は基本的に妊娠継続に問題ありません。ただし、転倒や仰向けで寝ることは注意しましょう。
血圧が高い人は様々なリスクを伴うため、今後の食生活はとくに気をつける必要があります。
ただし、あまり考えすぎると返って大きなストレスになり兼ねません。
食以外のリラックスできる方法を探してみることをおすすめします。
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