「妊娠してから鼻血が出やすくなったな。」「妊娠してはじめて鼻血が出た!」そのような経験をしたあなた。それは妊娠初期の症状かもしれません。
妊娠と鼻血。一見何の関係もなさそうな気がしますが、5人に1人の妊婦さんが「鼻血が出やすくなる」と言われています。
しかしめったに出なかった鼻血。度々生じると何か病気が関わっていないか、流産の危険はないのか心配になりますよね。
ここでは妊娠初期になぜ鼻血が出るのか、鼻血による影響はないのかをみていきましょう。
後ほど簡単な止血方法もご紹介しています。度々悩まされているようでしたらぜひ活用してみてください。
妊娠初期になぜ鼻血が出るの?
妊娠初期症状によるもの
あなたの鼻血量がさほど多くなく、あまり時間をかけずに止められるようなら初期症状かもしれません。
だいたいの方がこちらに該当します。
血流量増加の影響
妊娠すると赤ちゃんに栄養を運搬するため血液量が一気に増加します。しかし量は増えても血を固める役割をする血小板は増えません。
すると血管に負担がかかった状態になります。こうなると鼻をかむなどの刺激でも鼻血が出やすくなってしまうそうです。
ホルモンバランスの変化
妊娠すると「エストロゲン(卵胞ホルモン)」「プロゲステロン(黄体ホルモン)」という女性ホルモンの濃度が高くなります。
この2つのホルモン濃度が高まると鼻の粘膜が腫れて柔らかくなり、鼻血が出やすくなるそうです。
自律神経が乱れる
妊娠してホルモンが急激に増加すると、自律神経の働きが乱れてきます。自律神経が乱れると体がのぼせやすくなります。
のぼせると血管は拡張した状態になり、負担もかかってきて鼻血が出る可能性が高くなります。
病気によるもの
甲状腺機能亢進症、妊娠高血圧症候群
これらの病気がもとで鼻血が出ることがあります。
甲状腺機能亢進症は甲状腺ホルモンが過剰分泌され、体の色々な機能を増強させる症状があります。
その症状の中に血圧上昇があり、生じると鼻血も出やすくなります。
甲状腺亢進症は妊娠初期に一時的に現れることがある病気です。週数の経過により症状がおさまるものがほとんどです。
しかしこの症状がおさまらないまま週数が経過すると、妊娠高血圧症候群を引き起こしやすくなります。
鼻血は出血量が多くなかなか止まらないという特徴があります。
胎児への影響は?流産の可能性は?
鼻血を出しても必要な血液は胎児に運ばれているため問題ありません。流産などに直接影響することもありません。
しかし長い間とまらない、出血量が多い状態だとあなたが貧血を起こす可能性があります。
また甲状腺機能亢進症や妊娠高血圧症などの病気にかかっている場合、その病気がもとで胎児に影響を与えることは考えられます。
甲状腺機能亢進症は症状がおさまらない状態が続くと、早産や流産の可能性が高まりますが薬で治療できます。
怖いのは妊娠高血圧症候群の方で、最悪の場合発育不全・早産・子宮内胎児死亡等につながる恐れがあります。
簡単な鼻血の止め方
「鼻の穴にティッシュをつめて、仰向けになったらいいんでしょ?」と思っていませんか?
実は私もそう思っていました。小学生だった頃に鼻血を出した時、このように処置した記憶があります。
しかしこれ、あまりおすすめできない方法なんです。
ティッシュや脱脂綿を鼻につめるだけでは止血はできないそうです。
また仰向けだと血が喉に流れ、血液も低下、更に気分が悪くなってしまうことがあります。
正しい鼻血の止め方は「圧迫止血」です。
鼻血のほとんどが鼻の入り口付近(キーゼルバッハ部位)に集まっている静脈が破れたことによるものだとか。ですのでこれより上の部分を圧迫することで効率のよい止血ができます。
手順としては以下です。
うつむき加減に座って安静にする(座ることが困難な場合は横向きに寝そべって)
↓
鼻の上の方(鼻翼)を指で5分ほどつまむ
↓
止血
道具もいらず、意外に簡単にできますよね。
また「鼻を冷やして止血する」という方法もあります。
これは冷たくしたタオルや氷をくるんだガーゼなどを鼻に当て血管を収縮→止血するというものです。
鼻血がこういう時は受診しよう
・頻繁に鼻血が出る(1日に何度も)
・鼻血が20分以上止まらない
・出血量が多い
・鼻血とともに頭痛・めまい・立ちくらみ・吐き気などいずれかの症状がある
以上の場合は、何らかの病気が関係している可能性、適切な処置をうける必要があります。
受診はかかりつけの耳鼻科か産婦人科にいきましょう。耳鼻科にいくときは事前に妊娠していることを必ず医師に告げるようにしてください。
最後に
妊娠初期の鼻血は血液増加やホルモンの変化による「初期症状が原因」の場合がほとんどです。
あなたが久々に鼻血を出した時は驚いて慌てて!なんてこともあったかもしれませんね。しかし今回ご紹介した止血方法はとても簡単なので、今後は冷静に対処できるかもしれませんね。
また症状が重い場合は受診しましょう。「鼻血だから」といって遠慮することはありません。
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