妊娠中は赤ちゃんへの影響が気になって薬が飲めない…そんな妊婦さんも多いですね。
妊娠中の服薬の注意点が気になります。
不安が大きい妊娠中初期の薬の影響、いつから影響があるのか、薬が使える時期についてまとめていきます。
妊娠に気付く前に風邪薬って大丈夫?
一番多いのが妊娠初期の自覚症状を風邪だと思って、「風邪薬や頭痛薬を飲んでしまった…」という例。
生理が、予定日より5~10日遅れて検査薬を使ったら陽性が出て妊娠に気付く
というパターンが多いのでは?
妊娠確定までの間に、薬を飲んでしまう人は多く、『妊婦は薬NG』なのにと考えると不安です。
ほとんど影響ナシ!
結論から言うと、一般的な風邪薬では、影響が出来ることはごくまれ。
特に、妊娠日数0~27では、赤ちゃんの神経や体の器官が作られる前なので、風邪薬などでは、影響はでません。
妊娠検査薬で判定が出る頃になると、薬の種類や使用量によっては影響が心配されます。
28~50日くらいの時期は、神経や器官の発達に影響が出やすいといわれています。
けれども、催奇性がある種類の薬は、市販薬にはほとんどありませんし、処方薬の場合、妊娠の可能性がある年代の女性には簡単に使われませんから、心配しなくて良いでしょう。
妊娠初期の赤ちゃんへの薬の影響はこちらの記事にも詳しく書いてあります。
”https://fun-mom.com/kenko/6444/″
医師にどんな薬を飲んだか伝える
妊娠に気付かずに何か薬を飲んでいた場合には、すぐに服用をやめて、検診を受けている産婦人科に伝えましょう。
経過を注意深く見てもらうことが出来るでしょう。
脂溶性ビタミンAのとりすぎはサプリでも起こる可能性があります。
風邪薬よりも、サプリメントの影響を受けることも考えられますから、産婦人科での、はじめの検診で不安に思うことはすべて話しておきましょう。
レチノールがチョコラA錠はすぐに服用中止
薬ばかりでなく、サプリメントでも影響が心配される場合があります。
気をつけたいのは、脂溶性ビタミンAの『レチノール』です。
摂取しすぎは、催奇性のリスクを高めるといわれています。
緑黄色野菜に多く含まれるβカロテンは、ビタミンAとして働きますが、必要量のみが使われ体に蓄積されにくい性質を持っています。
脂溶性ビタミンAの『レチノール』は、うなぎにも多く含まれるビタミンAです。
妊娠初期の薬の影響
妊娠初期は器官が作られる時期に重なり、薬や放射線の影響を受けやすいといわれていますね。
もう少し、詳しくみていきましょう。
0~27日まで 無影響期
28~50日 絶対過敏期
51~84日 相対過敏期
85~112日 比較過敏期
113日~出産日まで 潜在過敏期
妊娠初期の薬の影響について見ていきましょう。
0~27日まで(1ヶ月) 無影響期
生理予定日までの間は影響ナシといわれています。
この期間に影響があるのは、『風疹生ワクチン』、慢性関節リウマチの薬『シオゾール』。
風疹生ワクチンは、注射してから2ヶ月避妊することになっています。
28~50日(~3ヶ月の前) 絶対過敏期
神経や体の器官が作られる時期なので、影響のある薬は避けるべき時期です。
ただ、市販薬や、良く処方される一般的な薬では、深刻な影響が出るのはまれです。
『催奇性のキケンが高く、妊婦さんには使わない薬』
- 『サリドマイド』(睡眠薬・胃腸薬、1962年販売停止)
- 『エトレチナート』(ビタミンA誘導体、皮膚病治療など)
- 『レベルトール』(C型肝炎の治療)
- 『ホルモン剤』(月経困難症、内膜症や子宮筋腫など用途に応じて使われ、”ピル””もふくまれる)
- 『ワーファリン』(血栓を防ぐ薬)
- 『向精神薬』(睡眠薬ハルシオンなど)
- 抗生物質(アミノグリコシド系、テトラサイクリン系、キノロン系など)
ロキソニン、ボルタレンなどの鎮痛解熱剤も避けた方がよい薬です。
51~84日(~4ヶ月の前) 相対過敏期
神経や臓器は出来ていますが、手足など末端器官は完成していないので、影響を受ける可能性があります。
(~3ヶ月)で紹介した妊婦さんに使わない薬は使わないのが原則です。
風邪などの不調があっても、抗生剤やロキソニンは避けて治療します。
初期を越えてからの薬は?
5ヶ月~7ヶ月の間は最も安定している期間で、歯の治療が必要な場合にも、この時期なら可能です。
ただし、アミノグリコシド系、テトラサイクリン系、キノロン系の抗生物質、ロキソニンやボルタレンは避けるのが一般的です。
また、高血圧の治療薬『ACE阻害薬』は胎児の腎臓の働きに悪影響を与えるので、使用不可です。
8ヶ月~10ヶ月では、市販薬の鎮痛解熱剤で赤ちゃんの血管に収縮作用が働くことがあり、要注意です。
また、胎盤から薬の成分を受け取って、毒性があらわれるケースもあるので、妊娠後期も薬には注意が必要です。
妊婦さんは通常よりも、薬を慎重に使う必要がありますが、医師の処方を受けた場合には心配せず使えるという事ですね。
妊活まえ、いつから影響を考える?
- 一般的な薬は、妊娠に気付いてやめても問題がおきることはまれ
- 継続的に飲んでいる薬は、3ヶ月~1年空けての妊娠が望ましい
妊娠初期に避ける薬は、妊活3ヶ月が目安になりそうですね。
ピルなどホルモン剤の場合には、1年空けた方が良いそうです。
薬の種類や、個人差にもよりますから、持病で薬を継続的に飲んでいる場合は、主治医に相談しましょう。
抗がん剤は絶対ムリというイメージがありますが、妊娠中乳がんが見つかった場合でも、抗がん剤治療が出来るケースもあり、影響の強い薬でも、専門の医師のサポートで、治療が可能なケースもあります。
では、ほかの持病での薬との付き合い方の例を紹介しましょう。
花粉症
目薬や点鼻薬なら、血液中の濃度が低くピンポイントに効果が出るので、影響が少ないでしょう。
耳鼻科(アレルギー科)で相談しましょう。
一般に15週以前は出来るだけ薬は使わず、15週を過ぎてから内服薬を処方するケースが多いようです。
アトピー
ステロイドが赤ちゃんに与える影響を心配する人が多いですが、皮膚に塗る場合、それほど血中濃度は上がらないので大丈夫な場合が多いようです。
気になるなら、薬を変えるなど、主治医と相談しましょう。
ぜんそく
症状を抑えるため、妊婦さんに影響の少ない薬を使い続けることがほとんどです。
吸引タイプの薬では、呼吸器以外への影響が少ないですし、状態にあわせた薬選びが安定した妊娠生活につながる様です。
主治医との相談が必要です。
甲状腺機能低下症
機能低下で足りないホルモンを補う薬が必要な状態ですから、そのまま薬を飲み続けるのが一般的です。
主治医の指示に従いましょう。
薬との付き合いお悩み体験談
スノボで骨折、あとで妊娠発覚!
生理予定日あたりで骨折してしまい、レントゲンを撮り、抗生剤や鎮痛剤を飲んでいました。
一番影響が出る時期だと知って血の気がひく思いでしたが、産婦人科でそのことを相談したら、「大丈夫ですよ」と先生にいってもらえ、ちょっと安心しました。
現在、5歳になる娘は無事に育っています。
妊娠初期は薬の影響を受けやすいといわれていますが、元気に育ってくれて感謝しています。
(スノープリンセス:34歳)
花粉症対策で病院に相談
妊娠中も授乳中も、花粉症の症状を抑えるのに、産婦人科で薬を処方してもらっていました。
先生に相談したら、妊婦さんでも影響の少ない抗アレルギー薬と、点眼、点鼻薬を出してくれました。
でも、ガイドラインでは「2~4ヶ月の間は内服教えや点鼻は使わない」となっていると教えてもらいました。
妊活中に薬をやめるタイミングは、生理予定日で充分なんだそうです。
(鼻水女子・30歳)
おわりに
- 妊娠に気付かずに風邪薬を飲んでもそれほど影響はない
- 持病の薬は、薬の種類によってやめるべきタイミングが違う
- 薬が必要な症状が出ていれば医師と相談して続けてよいケースが多い
”妊婦さんは薬を飲んじゃダメ”というのも、場合によるのですね。
薬を飲まずに状態が悪くなるよりも、主治医と相談して安心して妊婦生活を過ごせたらいいですね♪
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