妊娠初期に「背中の痛み」を感じた経験がある妊婦さんは、なんと6割!
妊娠すると、ママの体から分泌されるホルモンの影響により、さまざまな身体的症状が出てきます。
その中の1つに、背中の痛みを感じることがあります。
症状が出ると、もしかして. . . 赤ちゃんに危険があるの?と心配になりますね。
そこで、「妊娠初期の背中の痛み」の原因について調べてみました。
妊娠初期の『背中の痛み』原因は?
妊娠初期の背中の痛みの原因・生理的現象の特徴は?
①リラキシンといわれるホルモンの影響
妊娠する卵巣・子宮・胎盤などから分泌される、女性ホルモン「リラキシン」の働きで、靭帯が緩みやすくなります。
リラキシンの影響で、骨盤の歪みが起こり、正しい姿勢を保つことが難しくなります。
正しい姿勢を保とうとして、妊娠前に使わなかった筋肉や靭帯を無理に使い、痛みが背中に出ることがあります。
リラキシンによる体の不調は、妊娠の異常ではありません。妊娠初期よりも妊娠後期に痛みを自覚する人が多いです。
『骨盤の歪みや筋力の低下で背中の一部に負担が集中した』ということが考えられます。
■靭帯を緩めるホルモン『リラキシン』は足の付根の痛みを起こさせることもあります。
②乳房の発育
妊娠するとエストロゲン・プロゲステロンというホルモンが多く分泌されます。
個人差はありますが、急に胸が張り出し、胸の痛みやかゆみを伴うことがあります。
乳房の発育により、背筋に影響が出るために、背中の痛みを感じる場合があります。
これら、ホルモンによる影響も妊娠の異常ではありません。
③肋間神経痛
背骨が痛いと感じる場合は、肋間神経痛である場合もあります。。
ストレスや体のコリが影響するものであり、リラックスや体を冷やさないことが対処法になります。
背中の痛みの異常とはどんな症状? まさか切迫流産?
経験談 スナフキンさん(28歳・第一子のとき)
妊娠20週で、生理痛のような痛みが出てきて様子を見ていましたが、右側の背中なのか腰なのかがわからないあたりがすごく痛くなりました。
出血はありませんでしたが、動けないほどの痛みが急に来て、すごく心配になって病院へ。
子宮頸管が2.5㎝になっていて、ハリどめの点滴をしながら1週間入院。その後、32週で切迫早産になり入院しましたが、37週目にいつ生まれても大丈夫ということで退院しました。
39週と3日で無事出産できました。
切迫流産・早産とは、流産・早産になりかけている「緊迫状態」のことを示します。
◆『切迫流産』妊娠21週6日まで
◆『切迫早産』22週~37週未満
どちらも妊娠の継続が危ぶまれる状況ですが、その呼び方は、週数によって使い分けています。
15%(6~7人に1人)の妊婦さんが、切迫流産・切迫早産を経験します。
「背中の痛み」と感じるものが、妊娠の異常のサインである場合があります。
切迫流産の症状は?
妊娠に異常が起きているサインとして、生理痛のような痛みや、背中の痛み、下腹痛が出ることがあります。
痛み以外に出血が出ることが多くあり、背中の痛みが生理的現象ではなく、切迫流産になっている場合があります。
痛みの症状が強まってくる場合には、必ず医師に診察してもらいましょう。
背中の痛みの場所は切迫症状に関係があるの?
切迫流産による痛みでは、子宮の周辺で起こる変化が原因となっているため、右側、左側どちらでも起こることがあります。
痛む場所も、腰のあたりと感じる人もいれば、もう少し腰より上側が痛くなったという人もいます。
切迫流産以外の異常であれば何があるの?
尿を出し切ろうとしたとき痛みが出たり、背中に激痛が走ることはありませんか?
妊娠による生理的な背中の痛みではなく、疾患を患っていることがあります。
尿管結石
尿管結石とは、腎臓に結石ができて詰まったり、石の結晶が尿管を刺激して背中~腰部の激痛が起こります。
この場合には、我慢せずに、医師の診察を受けましょう。
妊婦中のママに意外に多いのが、膀胱や腎臓のトラブルです。
特に、尿管結石は、痛みが強いですが、流産とは別の理由の痛みです。
経験談 ジャガにこ丸さん(32歳・第二子)
突然、背中が痛くなり、キツかったです。切迫流産とかだったら…と不安になりましたが、生理痛のような痛みとか性器出血がなかったのですが、心配だったのでかかりつけの産婦人科にかかりました。「赤ちゃんに影響なさそうだから、お水をよく飲んで、痛むところを温めておいて」と言われ、なんとか乗り切りました。結石の大きさによっては、出産後に治療が必要とのことでした。原因をはっきりさせるために、受診はしたほうが良いと思います。
尿管結石は痛む場所が動く?
腎臓などでカルシウム、マグネシウム、尿酸が結晶化して石が出来ます。
腎臓にあった結石が、尿の流れにのって、尿管や膀胱に移動し、尿管で激痛を起こします。
激痛があったのに、急に全く痛みがなくなる場合もあります。
妊娠中に尿管結石が起きやすい?
妊婦中のママは、結石が出来たときの初期症状の腰痛を、妊娠特有のものだと思って放置することがあります。
激痛がおきて(疝痛発作)、はじめて結石持ちだとわかることがあります。
■妊娠中は、シュウ酸による結石になりやすい条件が揃っています。
・妊娠中は、カルシウムが不足しシュウ酸濃度が高くなりやすい。
・妊娠中は、鉄分補給の目的で、ほうれん草やレバーを多く取ろうとし、シュウ酸の過剰摂取となる。
・妊娠中は、子宮が尿管を圧迫し、尿の出が悪くなる時、シュウ酸濃度が高くなる。
■結石にならない対策として、しっかり水分をとることが大切です。
(*紅茶は利尿作用、シュウ酸が多いなど改善に向きません。)
尿の流れが悪いと、膀胱炎や腎盂炎を起こしやすくなるため、注意が必要です。
”https://fun-mom.com/kenko/6606/″
妊娠初期の背中痛対策!
妊娠の異常ではない「背中の痛み」に対する痛みを緩和させる方法があります。
具体的な対策を紹介しましょう。
骨盤ベルトで骨盤サポート
骨盤ベルトで骨盤をサポートすると、骨盤のズレや歪みが出にくくなり、背中の痛みが楽になることがあります。
「背中なのに骨盤?」と思うかもしれませんが、脊柱と骨盤は、人の体を支える要です。
骨盤の歪みが脊柱起立筋という姿勢を保つために必要な筋肉に負担をかけるのです。
骨盤ケアをしてみましょう!
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骨盤体操やマタニティヨガ
16週に入っていれば、妊婦体操(産褥体操)が出来ます。
切迫流産の可能性がなくなってから一連の流れで試してくださいね♪
『足首のストレッチ⇒股関節のストレッチ⇒猫のポーズ⇒股関節の引き締め運動⇒すべり台のポーズ⇒呼吸を整える』
①あぐらをかき、左ひざの上部に右足首をのせ、左手の指を、足の指に一本ずつ入れます。
お祈りポーズを左手と、右上してするようなイメージです。
右手で右足をおさえながら、足首をくるくる回します。足と手を変えて左右の足首をほぐします。
②あぐらのまま足の裏をあわせて、両手で膝を押して揺らし、股関節を柔らかくします。
③猫のポーズで背中、腹筋を刺激します。
④すべり台のポーズで骨盤底筋を刺激します。
⑤大の字になって鼻からゆっくり息をすい、口から静かに吐き、腹式呼吸で息を整えリラックスします。
”https://fun-mom.com/beauty/5825/″
おすすめヨガポーズ(猫のポーズ)
湿布やくすりの選び方
妊娠初期は薬の影響が心配です。薬を使用するときは、必ず医師に相談しましょう。
飲み薬だけでなく、貼り薬、塗り薬でも、全てに注意が必要です。
経費鎮痛薬配合の湿布に注意!
痛みが続くときは、湿布で紛らわせたいと思う人は多いハズです。
しかし、痛みや炎症を押さえる効果が高い湿布や塗り薬には、皮膚を通して薬剤の成分が効力を発揮するものがあります。
妊娠初期には、モーラステープ、ロコアテープは禁忌です。
インドメタシンや、フェルビナク配合の市販品も、”有益性が上回る場合”と言った但し書きがあります。
使用する際には、必ず医師に相談しましょう。
サロンパスやアンメルツは?
第3類医薬品に分類されるサロンパス、アンメルツヨコヨコ、パテックスうすぴたシップは、妊婦に対する注意事項は特にありません。
しかし、妊娠中は、必ず医師の許可を得て下さい。
おわりに
- 強い背中の痛みは、切迫流産の可能性をチェックしましょう!
- 切迫流産や尿路結石など病気がなければ、心配がいらない痛みです。
- 妊娠異常でない背中の痛みに対して、妊婦体操を試してみましょう。
- 薬剤(湿布含む)を使用する際は、必ず医師に相談しましょう。
性器出血や歩けない程の痛みがあれば、我慢せずに、すぐに病院に行ってくださいね。
妊娠の異常でないと判断されたら、背中の痛み対策を取り入れながら、改善してみてください☆
あなたの背中の痛みが良くなりますように!!