妊娠初期の左下腹部痛が心配…出血と流産のキケンとは?

妊娠初期

妊娠初期に左下腹部だなんてちょっと心配。

もし、流産や切迫早産につながる症状だったらと考えたら不安になってしまいますね。

 

  • 左下腹部が痛む人は多いの?
  • 流産や切迫早産のサインってあるの?
  • 心配な状態の見分けかたは?

不安なあなたに知ってほしい情報をまとめていきます。

(最終的にはかかりつけ医の指示に従いましょう)

 

妊娠初期に左下腹部がチクチク痛む

腹痛

妊娠5週目です。

左下腹部にチクチクと痛みがあるのですが、これは妊娠初期だとよくあることなのでしょうか?我慢できない程の痛みではなく、ちょっと痛いかも…という程度です。後、おなかも

少し緩い気がします…。

引用:ヤフー知恵袋 aymguardshoさん

妊娠すると気になる下腹痛ですが、『よくあること』のようですね。

でも、なんでも『よくあること』で済ませていて、重大なサインに気づけないのも困ります。

看護師の美奈子さんに聞いてみました!

看護師の美奈子さんに聞いてみました

 

kenkon_yuyu:妊娠初期に左下腹部が痛くなっちゃうのはどんな原因が多いの?

美奈子さん:ごく初期だと着床痛。妊娠が判明する頃からは、靭帯や筋肉が緩んで、子宮が広がろうとするのが原因になっていることが多いの。

kenkon_yuyu:じゃあ、これは”よくあること”で済ませて大丈夫なタイプの痛みね。

美奈子さん:子宮は円靭帯(えんじんたい)というもので支えられているんだけど、ここに負担がかかったり、子宮そのものが広がろうとして出る痛みだから、横になってリラックスするとラクになることが多いわよ。

kenkon_yuyu:他にどんな原因があるの?

美奈子さん:ホルモンのバランスが変わることで、卵巣が腫れる場合があるの。腫れた卵巣が腹膜を刺激して痛みを感じるわ。

kenkon_yuyu:それって治療が必要なのかしら?

美奈子さん:ルテイン嚢胞(のうほう)はホルモンが落ち着くと収まります。腫瘍の性質で治療の緊急度は違ってくるので、悪性腫瘍の可能性がない場合は、大きさや状態によって治療のタイミングを決めます。

kenkon_yuyu:治療って手術?

美奈子さん:大きい場合、茎捻転(けいねんてん)といって卵管がねじれてしまうことがあって激痛がおこるの。その場合は手術になるわね。卵巣の腫れがわかったら、ドクターに経過観察してもらうことが大事!

チクチクした痛みの原因と注意すること

美奈子さんからの情報をまとめると…

① 円靭帯痛(えんじんたい つう)、子宮が広がる痛み

  • 横になってラクになることが多い。
  • おこる頻度も多め。
  • 左右どちらかに限定せず起こる

② 卵巣の腫れ

  • いつもなんとなく痛い
  • ①よりも頻度は少なめ
  • 左右の腫れている側が痛む

*ただし、茎捻転は激痛をおこし、手術が必要になる病状なので、エコーなどで腫れているのがわかったら、経過観察が必要です。

 

妊娠初期の左下腹部痛がズキズキするのは?

『円靭帯痛/子宮が広がる痛み』『卵巣の腫れ』が発展して痛みが増すこともあります。

①の場合には、円靭帯が足の付根や腰の痛みを感じさせる場合があります。

出血がなく、下腹部の奥というより、筋肉痛に似た感覚がある場合には、より、円靭帯痛の可能性がありそうです。

横になって体を休めてもきゅっとなるような痛みがだんだん強くなる場合には、子宮の収縮が起きているかもしれません。病院に電話で相談し、指示に従いましょう。

 

足の付け根が痛い場合はこちらの記事で詳しく書いています!

”https://fun-mom.com/kenko/5290/″

 

妊娠初期の左下腹部痛が激痛になるのは?

確率的には1.0%以下ですが、子宮外妊娠の場合には次第に痛みが強くなり、激痛になるころには卵管破裂などのリスクが高まっています。

  • 妊娠6週までに、だんだん日を追うごとに強くなる痛みに悩んでいる
  • 妊娠検査薬で陽性なのに、子宮内に嚢胞(のうほう)が見つからない

こんなときは要注意です。

卵管破裂になれば、大量出血になり、母体がキケンにさらされます。

妊娠初期の左下腹部痛と出血・流産のキケン

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『出血=流産』ではないってホント?

絨毛膜下血腫(じゅうもうまくか けっしゅ)では、胎盤が作られるときに、自然に吸収されるはずの血液が、上手く吸収されずに子宮内にたまって、性器出血になることがあります。

胎嚢が排出されずに妊娠が継続できる場合も多いのですが、『切迫流産(流産のリスクが高い状態)』としてトイレに立つ以外絶対安静となるケースも多いです。

慌ててバタバタせず、かかりつけ産婦人科医に電話で指示を受けましょう。

 

妊娠初期の左下腹部痛が流産につながるケース

絨毛膜下血腫(じゅうもくまくか けっしゅ)や、染色体異常で妊娠継続できない場合や、40℃の高熱が続いたあとなど、母体が極度にダメージを受けた場合、子宮の収縮がおきて嚢胞(のうほう)を含む血の塊が出てしまうことがあります。

妊娠初期の流産は、ママの体を守るために妊娠が続けられなくなった場合に起こることがあり、嚢胞を排出するため、子宮の収縮によって強い痛みが起こることがあります。

排出されたあとは、痛みがラクになる場合が多いです。

 

いつもと違う下腹部痛を感じたら、かかりつけの産婦人科に相談しましょう。

https://fun-mom.com/kenko/8128

 

妊娠初期の左下腹部痛の意外な原因

看護師

婦人科系以外の原因で多いもの

① 便秘

妊娠するとホルモンの関係で腸の動きが鈍くなり、腸内の水分調整が上手く行かなくなる場合があります。

便秘しやすく、直腸側につながる左側脇腹や左下腹部近くに、硬い便がたまって痛みを感じることがあります。

お通じが3日以上ない場合では、痛みが起こっても不思議ではありません。

Point!対策

  • 水分をこまめに取る、起き抜けに300cc程の水を一度に飲む
  • 果物+ヨーグルトを取り入れるなど食べ物に気をつける
  • おへそ周りを手のひらで右下から円を描くようにやさしくさする
  • お散歩、運動不足解消、気分転換に努める
  • 排便があっても痛みが続く場合は、診察を受けましょう

*ホルモンの関係で腸の動きが鈍ったり、水分調節がうまく行かずお腹がゆるくなる場合もあります。

② 胃腸炎

胃腸に不調が起きている場合にも左下腹部痛を感じます。

痛んだ食べ物も要注意ですが、ウィルス性の胃腸が起こることもあります。周りにロタやノロの流行はおきていませんか?

発熱や嘔吐の様子に注意をし、病院を受診しましょう。

Point!対策

  • まずは予防(手洗い、うがい。なまもの、輸入チーズなどは避ける)
  • 腹痛と発熱、嘔吐がでたら病院を受診

勝手に下痢止めなど薬を飲んではいけません。

 

③ 膀胱炎

つわりで水分が不足して尿の出が悪くなるなど、膀胱炎や尿路結石が起こりやすくなります。

おしっこがたまっているとき、排尿のときに痛みがある場合には、膀胱炎、尿管結石などが心配されます。

脇腹痛や背中側、腰に痛みを感じることがありますが、左下腹部痛を感じるケースもあります。

Point!対策

  • 水分をこまめにとってトイレの回数を増やす
  • 発熱痛みがあるときは我慢せず病院を受診する

 

妊娠初期には、受診科に迷ったら産婦人科にかかりましょう。

感染が心配な症状がある場合には、事前に電話で相談しておくと安心です。(他の妊婦さんと接触しないように配慮してもらえる)

また、近くに内科のかかりつけ医があるなら、妊娠初期だということを伝えた上でかかってもOKです。

 

おわりに

  • 円靭帯痛や子宮が広がる痛みを感じる人は多く、心配はいらない
  • 卵巣の腫れがある場合には経過観察が必要
  • 激痛、出血が伴うときには病院に電話して指示を受ける
  • 妊娠が直接の原因にならない左下腹部痛の場合もあり、心配なときは病院を受診しましょう

妊娠初期は不安定なこともありますし、左下腹部が痛むと不安になることもありますが、はじめの検診で問題がなければ、大丈夫なことが多いです。

ただ、どんな妊娠も100%リスクがないわけではありませんから、痛みの続き方や出血の有無、体温の変化に気をつけて、いつもと違うと感じる場合には、すぐに病院に連絡しましょう。

あなたの左下腹痛が問題ありませんように♪