妊娠初期は便秘や下痢などお通じ関係に悩まされることって多いですね。
お腹に赤ちゃんがいるので、
- 悪い影響はないか
- 流産のサインと関係ある腹痛?
そんな心配がよぎります。
妊娠初期の下痢腹痛が不安なあなたが知りたいことをまとめてみましょう。
妊娠初期に下痢・腹痛・冷や汗
下痢がひどくて流産って可能性アリ?
妊娠中は思いがけない不調がつきものですし、下痢が直接流産の原因やサインとなるわけではありません。
子宮と腸は場所が近いので、刺激が子宮収縮を起こさせないか不安になりますが、便を出して痛みが落ち着くのであれば様子を見て良いでしょう。
冷や汗が出るほどの腹痛ってやばくない?
生理痛のときのように、キューッと収縮を感じる痛みは少し心配ですが、ラクな姿勢を取ってリラックスしてみましょう。
- 便を出したら楽になる
- いわゆる下痢の腹痛だと思う
- 性器からの出血やオリモノの異常はない
腹痛で冷や汗が出ると、「血管迷走神経反射」で失神することがあります。顔面蒼白になって体温が下がるようなら、暖かくして横になり転倒しないように注意してください。
痛みが強い場合には、胃腸炎以外の異常事態も想定して体調の変化をチェックしてください。
- 子宮外妊娠の可能性はないか
- 性器からの出血はないか
必ずしも下痢と同時に起こるわけではありませんが、冷や汗レベルの強い痛みと出血があわせて起これば、ただ事ではありません。
また、胆石や尿管結石では、下痢以上の差し込むような激しい痛みになるでしょう。
下痢に吐き気まで!つらい…
妊娠初期はつわりがある時期ですから、吐き気に悩まされることも多いですね。
ただ、下痢と吐き気が同時に起こっている場合には、ウィルス性の胃腸炎の疑いがあります。
下痢症状はつらいですが、下痢止めは使わず、ウィルスを体の外に出し切ってしまうのが基本の治療になります。
水を飲むのもつらいですが、『水分の補給+便意にまかせてしっかり排泄』しましょう。
常温の経口補水液(OS1など)をこまめに口に含んで脱水を防ぎましょう。
水分が摂れないなら、病院で点滴などの処置を受けたほうが良いでしょう。
妊娠初期の下痢腹痛はなぜ起こる
看護師の美奈子さんに聞いてみた
kenkon:妊娠中は便秘や下痢みたいなお腹のトラブルが増えるけど…
美奈子さん:妊娠するとホルモンが劇的に変化するので、自律神経がみだれて、体調が不安定になりやすいのよね。あと、貧血の薬なんかが関係していることもあるの。
kenkon:薬をはじめたタイミングの下痢は、お医者さんに相談したほうが良いわね。でも、下痢でつらい時はどうすればいいの?
美奈子さん:温める・水分補給・排泄を我慢しない!
kenkon:やっぱり、それしかないの?
美奈子さん:不安に思ったり焦ると余計にお腹痛くなっちゃうでしょ。暖かくしてリラックス、消化の良い食べものを選んでね。薬を飲むなら処方薬にしましょう。
kenkon:もし、出血したら?
美奈子さん:消化器からの出血は便が黒いことがあるわ。下痢続きで肛門付近がただれたり、切れた場合には鮮血がでてびっくりすることがあるけれど、深刻なことは少ないわね。ティッシュで押さえてみて、膣から生理並みに出血しているなら、すぐに産婦人科に行ってね。
*妊娠初期の下痢はよくあること⇒暖かくして様子をみる
*発熱など胃腸炎の症状がある⇒産婦人科or内科の病院に妊娠していることを伝えて受診
*膣からの出血⇒安静を保ってすぐに産婦人科に
妊娠初期の下痢・腹痛原因まとめ
① 自律神経のみだれ
妊娠でホルモンバランスが変化したことで、自律神経がみだれてしまうことがあります。
特に、腸内の水分調節がうまく行かずに、下痢と便秘を繰り返すこともあります。
② プロゲステロンによる腸運動の抑制
プロゲステロンは、『子宮の収縮を抑える、乳房の発達を促す、高温期を保つ』といった、妊娠の継続に必要なはたらきをするホルモンです。けれども、腸の動きを鈍らせる事があるので、便秘や下痢傾向になることがあります。
③ 飲食の影響・冷え
つわりで食事が偏ったり、口当たりのよい冷たいものばかり食べてしまうと、下痢になりやくなります。
フライドポテトなど揚げ物のとりすぎや、アイスや氷で内蔵を冷やしていませんか?
④ ストレス
ストレスが胃腸に影響することは多く、過敏性腸症候群のように、気持ちや環境が下痢を起こすことがあります。
妊娠初期は気持ちが不安定になることもありますし、ストレスが下痢を長引かせることもあります。
⑤ 薬剤の影響
妊娠中は貧血がある場合、産婦人科から鉄剤の処方を受けることがあります。
薬を飲みはじめて下痢になった場合には、処方した医師に相談しましょう。
⑥ 食あたり、胃腸炎
一般的な食あたり、胃腸炎が原因の下痢もありえます。
発熱や嘔吐があれば、ウィルス性胃腸炎かもしれません。原因と症状に合わせた対処は診察を受けなければ出来ません。
妊娠していることを伝えて内科にかかるか、産婦人科で診察を受けましょう。
妊娠初期の下痢・腹痛対策
下痢のときに食べたいもの
梅入りおかゆ
梅は殺菌作用、整腸作用があります。
食あたりを防いでくれるスーパー食材ですし、消化がよく体を温めてくれるおかゆと食べると回復が早くなります。
煮込みうどんやあたたかいそうめん
あたたかい麺類は、体を温めて体力を回復するのに役立ちます。
あっさりした和風だしなら、ラーメンと違って脂肪過多になることもありません。
甘酒
飲む点滴と言われるほど、アミノ酸やビタミンB類が含まれていて、体力回復に役立ちます。
こうじでご飯を発酵させたタイプは、消化分解しやすくノンアルコールなのでおすすめです。
酒粕で作ったものは、糖類が添加されている上、アルコール分が微量ながら入っているものがあるので避けましょう。
すりおろしりんご
りんごは繊維質と水溶性繊維ペクチンが含まれているので、便秘にも下痢にも良い果物です。
下痢のときにすりおろしりんごを食べると、整腸効果が期待できます
下痢のときに避けたいもの
フライドポテト
つわり中ジャンクな食べ物が欲しくなることがありますが、下痢のときに揚げ物はNGです。
胃腸に負担がかかって長引きます。
イチゴやオレンジなどの果物
果物は体に良いイメージですが、イチゴやオレンジは腸に刺激を与える可能性があります。
バナナも控えておいた方が良いでしょう。
脂肪分の多い肉
消化が追いつかなければ、下痢がいつまでも続く原因になってしまいます。
下痢が落ち着くまではタンパク源は豆腐や半熟たまごにしましょう。
冷たい飲み物やアイス
脱水をさせるために水分を摂るときは、常温または白湯にしましょう。
お腹が落ち着くまで、冷たい飲み物や食べ物は避けましょう。
砂糖・甘味料
砂糖は、浸透圧の関係で腸内に水分を貯めてしまう傾向があります。
また、カロリーオフの食品に入っている甘味料は消化しにくい性質があります。
低カロリーの飲料やヨーグルト、お菓子類(ガムやキャンディーも)など、気付かずに食べすぎてしまうことがあるので、下痢のときはやめておきましょう。
おわりに
- 妊娠初期は便秘・下痢になることがある
- 妊娠初期の下痢が流産を引き起こすことは考えられない
- 食べ物や体を冷やさない、リラックスして過ごすなどを心がける
妊娠初期は、体調の変化が起こりやすい時期ですし、下痢になることもよくあることです。
温める・水分補給・排泄を我慢しない!
これを守って様子を見ても一向に良くならない、痛みが酷くなっていく、という場合には病院を受診して、適切な治療を受けてくださいね。