妊娠初期に緑茶を飲んだ…危険?飲んでいい量・他のおススメ茶は?

妊娠初期

みなさんがいつも飲むものは何ですか?

私は「妊娠中はカフェインを含む飲みものはダメ」程度の知識はありました。

ただ普段よく飲むお茶にも注意が必要と知り

「じゃあ何を飲めばいいのー!?」

と不安になった覚えがあります。

 

日本人にとってお茶は切っても切れないものです。

とくに緑茶は鎌倉時代から薬として使われ、今日まで親しまれてきました。

 

今はさまざまな種類のお茶があるので、緑茶を飲むひとは減っているといいます。

その反面、最近緑茶についての健康効果が研究発表されることで、注目が集まってもいます。

ただ妊娠中に飲むのは少し注意が必要なんです。

「昔から食事と一緒に緑茶を飲んでいるけど妊娠したらダメなの?」

「妊娠初期は大事な時期だから飲みものにも注意が必要かな?」

「お友達が妊娠中だけど緑茶を出しても大丈夫?どんな飲みものがいいの?」

 

などいろいろな疑問が浮かんでくると思います。

今回はそんな疑問にお答えし、妊娠中の緑茶との付き合い方について考えていきたいと思います。

 

妊婦さんにとって緑茶の何が問題になるの?

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そもそも妊婦さんにとって緑茶の何が問題なのでしょうか?

それは主にこの3つです。

 

・カフェイン

・タンニン

・カテキン

 

カフェインの注意点

カフェインの効果といえば

  • 眠気覚まし
  • 疲労回復
  • リラックス効果
  • 集中力を高める

などの効果があります。

 

私もよく眠気覚ましにカフェイン入りの清涼飲料水を飲んで仕事をしていました。

これを飲むと不思議と眠気が薄らいで、車で遠出するときなんかにも重宝していました。

 

ただ妊婦さん、とくに妊娠初期には注意が必要です。

妊娠初期は赤ちゃんの神経や体のさまざまな臓器・器官ができてくるとても大事な時期です。

 

またつわりが出やすく、ママにとっても体調が不安定な時期です。

この大切な時期にカフェインを摂りすぎるとママにも赤ちゃんにも悪影響が出てしまいます。

その理由としては、妊娠中はカフェインを体外に排出する能力が低下するためです

 

カフェインをたくさん摂りすぎると以下のような影響があります。

注意してくださいね。

  • めまい、心拍数の増加、血圧が上がる
  • 興奮、不安など精神的な不安定さ
  • 下痢、吐き気、嘔吐が起こる
  • 鉄の吸収を阻害するので鉄が足りなくなることで起こる“鉄欠乏性貧血”になりやすい
  • 利尿作用によって排尿量が増えて、脱水や冷えにつながりやすい

 

タンニンの注意点

タンニンはポリフェノールの一種で、緑茶では渋み成分となります。

下痢の緩和や老化防止、殺菌作用などさまざまな効果があります。

ただタンニンでもっとも問題になるのが貧血を悪化させることです。

タンニンは鉄とくっつきやすい性質があり、鉄が少なくなると“鉄欠乏性貧血”になってしまいます。

 

カテキンの注意点

カテキンは健康作用が高いとして注目されています。

効果としては生活習慣病や老化予防、抗酸化作用、女性にとって重要な乳がん・卵巣がん

胃がん・子宮頸がんなど多くのがんを抑制する作用があります。

 

ただ妊婦さんにとっては葉酸の働きを阻害してしまう困った作用もあります。

葉酸とは妊婦さんには欠かせない栄養素のひとつで、胎児の神経系の発達に必要不可欠なものです。

この重要な栄養素である葉酸の働きを妨げるということで、妊婦さんの過剰摂取は注意が必要となるのです。

 

妊娠中は貧血に注意が必要!

カフェイン、タンニンに共通する副作用としてあげられるのが “鉄欠乏性貧血”

妊娠期間中にとくに注意が必要で起こりやすい症状がこの鉄欠乏性貧血です。

 

赤ちゃんはママの血液から栄養や酸素をもらいます。

鉄分に関しても本来ならママのものになるものが赤ちゃんに配給されるので、ママは貧血になりやすいのです。

 

貧血があるとママは動悸や息切れなど体調不良が起こりやすくなります。

また赤ちゃんに十分な栄養や酸素が送られなくなるので、早産や低体重児、赤ちゃん自身も貧血になりやすいなどのリスクがあります。

出産のときの出血で、より貧血がすすんでしまい重度の場合は輸血が必要になるケースもあります。

 

そのため妊娠中の貧血は、はやめに改善しておいたほうがいいですし、貧血がすすむようなことは避けるようにしましょう。

実は私も軽い貧血状態で出産をむかえ、出産時の出血量も多かったんです。

出産によって貧血がすすんでしまい産後初めてトイレに行くときに病院の廊下でぶっ倒れてしまいました。

 

1日中ベッドから動けず、排尿用の管を入れられ(涙)。気持ち悪いやら、クラクラするやらで大変な思いをしました。

そんな思いをしないためにも、ママと赤ちゃんのためにも、貧血の予防と改善は大切なんですね。

 

1日どのくらいならOK?

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ではどの程度なら飲んでもいいのでしょうか。

ここでは特にたくさんの飲みものに入っているカフェインに焦点を絞ってお話します。

カフェインについては個人差が大きいという理由で、日本では明確な1日あたりの規制値が設定されていません。

ただ国際的にはさまざまな機関が注意喚起を出していますので、まとめてみます。

 

・世界保健機関(WH0)

 妊婦に対してコーヒーを1日3~4カップまでにするよう呼びかけ

・アメリカの保健福祉省および農務省

 健康な大人では1日あたり3~5カップまたは1日400㎎まで

・欧州食品安全機関(EFSA)

 妊婦および授乳婦については、習慣的なカフェイン摂取に関し1日あたり200㎎までであれば、胎児や乳児の健康リスクは増加しない

・カナダ保健省

 妊婦や保育している母親は1日あたり300㎎まで

・オーストラリア保健・食品安全局

 妊婦及び授乳中の女性はカフェインの摂取を控えるよう注意喚起を行い

1日当たりの摂取量が 300 ㎎を超えないよう勧告

<農林水産省ホームページより>

各機関の基準をまとめると、妊娠中のカフェインの許容量は、おおむね1日あたり200㎎~300㎎程度です。

より安全性を考えると200㎎までにとどめておくのがよいでしょう。

厳格にいうと1日100㎎までという基準もあります。

体質的にカフェインに弱い人がいますので、その場合は100㎎程度に抑えたほうがいいでしょう。

 

ペットボトルの緑茶の場合だいたい100mlあたり10~20㎎のカフェインが含まれています。

つまり500mlのペットボトルだと1本あたり50~100㎎のカフェインが含まれていることになります。

500ml ペットボトルの緑茶は1日1~2本までということになりますね。

 

日常的に日本人が飲んでいる緑茶は煎茶になりますが、湯呑1杯に含まれるカフェインの量は20㎎となります。

コップでいうと1日2~3杯程度なら問題はないでしょう。

ただ「濃い」とか「渋い」「玉露」などと書かれているものには、もっと多くのカフェインが含まれている可能性があります。

 

私の調査では市販されているペットボトルのお茶にはカフェインの量は記載されていませんでした。

カフェインが入っていないものは「カフェイン0㎎」とか「ノンカフェイン」としっかり書かれています。

お茶の濃さや茶葉の種類、メーカーによってカフェイン量は違うので、記載してくれると助かるんですけどね…。

 

カフェインはお茶だけに含まれる?

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ちなみにカフェインはお茶だけに含まれているわけではありません

実は私たちが普段よくとるたくさんの食材に含まれているんです。

いくつかあげてみます。

 

  • コーヒー、紅茶、玄米茶、ほうじ茶、ウーロン茶、抹茶
  • ココア
  • 栄養ドリンク、眠気覚ましの清涼飲料水
  • チョコレート、眠気覚ましのガム
  • お茶を使った加工食品(お菓子、ケーキ、ふりかけなど)

 

東京都福祉保健局がさまざまな食品に含まれるカフェイン量を詳しく調査していますので、参考にどうぞ↓

https://food-faq.jp.net/modules/faq/?action=Detail&faqid=50

 

私はココアが好きで冬に妊娠していたものですから、夕食後1日1杯は飲んでいました。

チョコレート系のお菓子も好きなので普通に食べていました。

あとで考えると知らず知らずのうちにけっこう摂っていたようでヒヤッとします。

ただ普段から飲むお茶は麦茶なのでセーフでした。

 

みなさんの食事についても振り返ってみてください。

たとえばペットボトルのお茶を1日に1本飲んでカフェイン100㎎、仕事の合間にコーヒー1杯50㎎

おやつに板チョコ1枚10㎎、家でまったりココア1杯50㎎、3食ごとに煎茶をコップに1杯(20㎎)ずつ計60㎎・・・

これでもう270㎎になってしまいます。。

 

緑茶には健康効果がいっぱい!

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ここまで見てくるとやっぱり妊娠中の緑茶はよくないか…と思われるでしょう。

でも緑茶にはたくさんの健康効果があります。

  • 食中毒やインフルエンザの予防
  • がん、脳梗塞、糖尿病の予防
  • 脂肪燃焼効果
  • ビタミンCが豊富、風邪予防
  • リラックス効果
  • 口臭予防、虫歯や歯周病菌を抑制
  • カテキンによる抗酸化作用、殺菌作用、免疫向上作用
  • 胎児の細胞分裂を促す亜鉛を含む

 

緑茶にはこのようにたくさんのよい作用があり、摂りすぎなければ健康効果が得られます。

また妊娠するとホルモンやつわりの影響でお口のトラブルが起きやすくなります。

風邪やインフルエンザなどの感染症も心配ですよね。

 

そんなときに緑茶でうがいをすると口の中のトラブルや風邪・インフルエンザの予防になるんです。

殺菌作用もあるので、妊娠中にできやすい口内炎にもいいでしょう。

緑茶は飲むだけではなく、こんな使い方もできるんですね。

緑茶うがいで新型インフルエンザ対策!東京都茶協同組合より

 

ノンカフェイン、妊婦向けの飲みものがオススメ!

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妊娠中の緑茶について勉強してきました。

緑茶のいい点、注意しなくてはいけない点がわかったところで、妊娠中でも安心して飲めるものについても少し紹介しておきたいと思います。

 

麦茶

麦茶はノンカフェインで安心して飲むことができます。

緑茶の1/7程度ですがタンニンが含まれるので、がぶ飲みは止めておきましょう。

 

ルイボスティー

これは妊娠に興味のあるかたならご存知かと思います。ノンカフェインで鉄分も多く含まれるので貧血にも効果的。

卵子の質をあげたり、母乳の出をよくする、血流をよくしてむくみや冷えを改善してくれるなど女性にとって良い効果がいっぱいです。

 

たんぽぽコーヒー(茶)

これも妊娠に関してよく出てくるキーワードですよね。タンポポの根を使ったコーヒー風味の飲みもの。

ノンカフェインでコーヒーの代用として飲まれています。

むくみ改善や疲労回復、冷え性の改善などの効果が期待できます。

ただ独特の風味があるので、口に合わないひともいます。

私の妹も妊活に良いともらったものの「あんまり美味しくない…」と飲まずじまいになってしまいました。

飲みやすく作られた商品もありますのでどうぞ→ ママナチュレ たんぽぽ茶

 

白湯

妊娠初期はつわりなどで匂いや味に敏感になる時期です。

白湯は沸かしたお湯をさましたもので、無味無臭なのでサラッとして飲み慣れると甘味を感じたりもします。

「白湯って…( ゚Д゚)ただのお湯でしょ」と思われるかもしれませんが、意外に美味しいんですよ。

 

ノンカフェイン、カフェインレス、デカフェ飲料

最近ではカフェインが含まれていない飲料も販売されるようになりました。

どうしても緑茶が飲みたいひとはノンカフェイン緑茶も売っています。赤ちゃん用品のお店でよく見かけますよ。

ただデカフェやカフェインレスと表示された商品はカフェインが少量、含まれているので注意が必要です。

カフェインがまったく入っていないものを選びたい場合にはノンカフェインと表記されているものにしましょう。

 

まとめ

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今回は妊娠と緑茶の関係について、お伝えしました。

妊娠中って自分が口にしたものがすべて赤ちゃんにいってしまう気がして、ちょっとしたものでも気を使いますよね。

ただ大抵のものは少しくらい口にしたからと言ってすぐに害になるものではありません(アルコールは厳禁です)。

 

食べたい、飲みたいのにあまりにも我慢しすぎてそれがかえってストレスになるほうがよくないんですね。

不安に思いながらとるのではなく、どの程度なら大丈夫か知ったうえで、自分に合った量をとるという心構えがいいかなと思います。

あまり堅苦しく考えすぎず、恐れすぎず、うまく妊婦生活の中に取り入れていけるといいですね。