妊娠初期に牛乳を飲んだらダメって本当なの?アレルギーの心配は?

妊娠初期

私たちの食卓ではお馴染みの牛乳。習慣的に摂り入れている人なら、妊娠しても毎日変わらず飲みたいですよね。

もしかしたら妊娠初期特有の偏食で「牛乳ばかり飲みたくなる」という人もいるかもしれませんね。

しかし妊娠中に牛乳を飲むと、赤ちゃんが牛乳アレルギーになってしまうというようなことをあなたは聞いたことがありませんか?

一方で牛乳はカルシウムたっぷりで健康にいいから赤ちゃんのためにいっぱい飲まなくちゃ!というようなことを言う人もいます。

一体どちらが本当なのでしょう?

妊娠初期は赤ちゃんの器官が形成されている大事な時期ですから、詳しく知りたいですよね。

今回はそんな牛乳の疑問について詳しく見ていきましょう。

 

妊娠中牛乳を飲むと赤ちゃんがアレルギーになる?

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結果としては飲んでも赤ちゃんがアレルギーになる心配ありません。

「牛乳などアレルギーが心配されるものを妊婦さんが摂取したら、赤ちゃんがそのアレルギーになる」ということが長年信じられてきたことは確かです。

しかし近年では妊娠中に食べたものが胎児にアトピー等影響を及ぼす因果関係はないとされています。

実際、このような例があります。

あるお母さんが一人目妊娠中はアレルギーを心配して牛乳を摂取しないで過ごしたそうです。しかし生まれてきた赤ちゃんには牛乳アレルギーがあったとか。

二人目妊娠時は牛乳を普段どおり飲んで過ごしました。すると生まれてきた赤ちゃんは何のアレルギーもなかったそうです。

ですので、牛乳を飲んだからといってそのアレルギーになるとは限らないのです。

 

妊娠初期に牛乳は飲んでいいの?

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あなた自身ににアレルギーがある、飲むと下痢になりやすいのでなければ飲んで大丈夫です。

初期だけでなく後期も問題なく飲めます。

 

牛乳にはいくつかのメリットがあるので、妊娠中はむしろ飲んだ方がいいとされています。

~牛乳のメリット~

カルシウムが豊富

妊娠すると胎児の歯や骨を形成するため、1日900mgのカルシウムが必要とされています。 

牛乳200g中のカルシウム量は約220mgです。コップ2杯飲むだけで1日の半分近くのカルシウム摂取できてしまうんですね。

また吸収率もよく、小魚が約30%に対し牛乳は約50%もあるのです。少ない量でも効率よく摂れるのはいいですね。

もしもあなたがカルシウム不足になってしまうと、あなたの歯や骨を赤ちゃんが溶かして吸収していくことになります。

そうなってくると産後の骨密度低下、歯がもろくなる、イライラする、肩こり・腰痛・高血圧になりやすくなる可能性が出てきます。

赤ちゃん自身もカルシウムの吸収が足らないと歯や骨の発達が不十分になってしまうそうです。

それを考えると妊娠中は積極的牛乳を摂り入れていきたいですね。

栄養バランスがいい

牛乳はたんぱく質・脂質・炭水化物・ミネラル・ビタミンをバランスよく含んでいる飲み物です。

その優れた栄養バランスから準完全栄養食品に指定されています。

つわりや偏った食事になりがちな妊娠初期には栄養バランスが整っている牛乳はぴったりですね。

 

牛乳を飲むときに気をつけることは?

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「飲みすぎ」これだけはやめましょう。

カルシウムの含有率も高く、栄養バランスもいい牛乳ですが飲みすぎると以下のような問題がでてきます。水代わりにガブガブ飲むようなことは禁物です。

太る問題

牛乳の脂質は200mlあたり約7.6gあります。これは決して低い数値ではありません。

妊婦さんのの一日の脂質摂取目安量は55gです。

もしあなたが牛乳(1000ml)1本飲んでしまったら脂質は約38g摂取したことになります。

これで普段どおりの食事もすると、1日の目安を超えてしまう可能性が出てきます。

1日くらいなら大丈夫かもしれません。しかしこれが継続的になると問題です。

太ると最悪の場合、妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病、難産などのリスクが出てくる可能性があるので気をつけたいですね。

 

高カルシウム血症になる恐れ

カルシウムの過剰摂取になると皮膚のかゆみ、吐き気、便秘などが生じる場合があります。これが高カルシウム血症です。

1日のカルシウム摂取量の上限は2300mgです。あなたが牛乳をたくさん飲んでいる上、カルシウム剤まで摂取している場合は要注意です。

 

動物性ビタミンA(レチノール)の過剰摂取で胎児への影響につながる危険

レチノールはとりすぎると水頭症・口蓋裂・耳の形態異常など赤ちゃんの奇形に影響を及ぼす可能性があります。

妊娠初期のレチノール摂取目安量は1日600μgです。

牛乳は100gでレチノール38μgなので、普段通りの量なら問題ありませんが過剰摂取になると危険も高まります。もしあなたがビタミンA剤も利用しているなら要注意です。

またビタミンAは欠乏しても胎児奇形の可能性があるので、意識して避けるのではなくバランスのよい食生活を心掛けるようにしましょう。

 

子宮内感作が起こる可能性

牛乳を過剰摂取すると、臍帯を通してその一部が直接赤ちゃんにいってしまうことがあります。

もしも赤ちゃんが牛乳アレルギー持ちなら、子宮内であってもアレルギー反応を引き起こしてしまう子宮内感作を起こす危険があります。

 

カルシウム剤・ビタミンA剤を日常的に利用している場合は思った以上に栄養が偏っている可能性があります。

あなたが牛乳を飲みすぎていない場合でもこれらを利用しているなら、飲み続ける前に医師に確認することをおすすめします。

 

 

妊娠中の牛乳摂取目安量はどれくらい?

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医師の見解で最も多かったのは1日コップ1杯(200~300g程度)です。

あなたが牛乳ばかり飲みたい場合でも多くて1日400g程度にとどめておくといいでしょう。

また十分な量の食事ができていない人はビタミンD(魚などに含有率が高い)を合わせて摂取する、適度な運動を行う、太陽の光にあたることでもカルシウムの吸収率があがるそうなので、こちらも意識してみるといいでしょう。

 

最後に

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妊娠中に牛乳を飲んで赤ちゃんがアレルギーになるという心配はありません。

むしろカルシウムも豊富で栄養バランスも優れているので、偏った食事になりがちな妊娠初期にはもってこいです。

過剰摂取にだけ気をつければ、あなたと赤ちゃんを支える頼もしい存在になることでしょう。

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