「納豆はもともと大好き。妊娠中も毎日食べて栄養補給!」
「つわりで辛いけれど、なぜか納豆は食べられるから1日数パック食べてしまう…。」
一方で、「大豆イソフラボンの摂りすぎは良くないから、妊娠中の納豆は控えた方がいい」という声も。
妊娠初期に納豆は食べても良いのでしょうか。食べるとしたらどれくらいならOKなのでしょうか。
今回は、納豆の成分やその特徴、妊娠初期に摂取する際の注意点について紹介します。
妊娠中の納豆、知っておきたい注意ポイントとは?
納豆を食べること自体は問題ありません。むしろ栄養満点なので、積極的にとりたい食品です。
ただし、その量に注意が必要。1日1パック程度に抑えるようにしましょう。
では、たくさん食べた場合、どのような影響があるのでしょうか。
イソフラボンの大量摂取による影響
納豆に含まれるイソフラボンを大量に摂取した場合、次のような影響を与える場合があるとされています。
- 赤ちゃんに遺伝子異常が出る可能性がある
- 生殖機能発達に影響を及ぼす危険性がある
イソフラボンの摂取目安量は、1日75mgです。
納豆1パックの含有量は、30~37mg。多くても1日2パック程度であれば、イソフラボンの過剰摂取にはならないことになります。
しかし、イソフラボンが含まれている食品は納豆だけではないので注意が必要です。
以下はイソフラボンの含有率が高い食品例です。(食品100gあたりの平均イソフラボン含有量)
- 大豆 約140mg
- 煮大豆 約72mg
- 炒り大豆 約200mg
- 豆腐 約20.3mg
- 凍り豆腐 約80mg
- 油あげ 約39mg
1日納豆1パック程度で、通常の食事をしていれば、それほど気にしすぎる必要はありません。
朝食には納豆と豆腐や油揚げの味噌汁、おやつに豆乳、夕食に冷奴など、大豆製品ばかりに偏らないようにしましょう。野菜、肉、魚などもバランス良く、が基本です。
セレンの摂りすぎによる影響
細胞の老化を防ぐ抗酸化作用を持つセレン。発育や生殖に必要な成分ですが、やはり摂りすぎには注意が必要です。
過剰摂取は、下痢や吐き気などの症状がでたり、消化器官の働きを悪くしたりする可能性があります。また、つめや髪の毛も弱くなるという指摘もあるようです。
ただし、あくまでも通常の食生活をしてれば、それほど心配はありません。セレンを多く含むものには、牡蠣、ホタテ、かつお、いわしなどがあります。納豆とともにこれらを摂取しても、よほど度を超えたものでない限り大丈夫です。
カロリーが意外に高い
納豆のカロリーは100gあたり200kcal。ご飯は100gあたり170kcalです。納豆はご飯よりも高カロリーなのです。
栄養豊富といえども、やはり食べ過ぎればその分太ります。妊娠中は体重管理が大切。納豆が大好物だとしても、量はほどほどにしましょう。
プリン体の影響
プリン体は太るというイメージがありますが、実は太る原因には直接関係していません。その代わり、食べすぎると痛風になる可能性があります。
納豆には、プリン体が100gあたり113mg含まれます。1パックならば50gほどなので、56.6mg。
1日のプリン体摂取目安は400mgを超えないことが推奨されています。そのためやはり1日1パック程度ならば問題ありません。
妊娠中の『効果的な』納豆の取り入れ方
納豆は適量を守り、毎日食べたいもの。どうせ食べるならばその栄養を余さず効率よくとりたいですよね。
そこで、普段の生活に取り入れるコツを紹介します。
賞味期限の近いものを選ぶ
食材はできるだけ新鮮なものを選ぶのが基本。しかし納豆は賞味期限の近い方が発酵がすすみ、栄養効果が高くなります。
好きな人は購入したらすぐに食べてしまうかもしれませんが、ちょっと我慢。できれば賞味期限ぎりぎりまで待ちましょう。
加熱しない
納豆は熱に弱いです。70度ほどでナットウキナーゼの効果が失われると言われています。
そうはいっても、チャーハンや温かいそばなどに納豆をいれるとおいしいですよね。しかし、そばやうどんは、冷やしがおすすめ。炒め物にプラスしたい場合は、納豆自体に熱が入らないように、少し冷ましてから「後乗せ」するとよいでしょう。
できれば温かいご飯に納豆もNG。茶碗にご飯をよそってしばらくおいてから納豆をかけるのがベストです。
夜食べるのがおすすめ
朝昼晩、いつ食べても健康効果は期待できますが、1日1パックならば、夜がよいでしょう。
寝ている間は水分を取りません。そのため血液がドロドロになりやすく、血栓もできやすくなります。
先ほど説明したとおり、ナットウキナーゼは血液サラサラをサポートし、血栓を溶かす働きを促します。そのため夕飯に食べれば、心筋梗塞や脳梗塞などのリスクを減らすことができるでしょう。
発酵食と一緒に食べる
腸内環境を整えたいなら、発酵食品と組み合わせて食べましょう。
納豆には乳酸菌増殖を助ける働きがあります。一緒に食べると、よりその効果を発揮できるそうです。いつもの納豆にキムチを刻んでちょい足ししてみてはいかがですか?
納豆には簡単につくれるレシピもたくさんあります。
手軽にできる納豆レシピが以下の動画で紹介されてるので参考にしてみて下さい。
納豆の『おどろきの成分』とは
最後に、妊婦さんにもうれしい納豆の成分をみてみましょう。
具体的には、以下のような栄養素が含まれています。
イソフラボン・ナットウキナーゼ・ビタミンB・ポリアミン
納豆レシチン・カルシウム・食物繊維・セレン・葉酸・鉄分・オリゴ糖
それでは、具体的にどのような働きがあるのかみていきましょう。
イソフラボン
イソフラボンは、エストロゲンという女性ホルモンに似た働きをするされています。骨を強くする効果も期待できるので、カルシウム不足になりやすい妊娠中にはぴったりですね。
ナットウキナーゼ
ナットウキナーゼは、あの独特のネバネバに含まれていて、納豆にしかない成分。
血液をサラサラにし、血栓を溶かす働きのある酵素を活性化させる効果が期待されます。血流が良くなるので、動脈硬化の予防、心筋梗塞・脳梗塞などを防ぐことにもなります。
さらに血糖値をサポートしたり、免疫力を高めたりする働きも。妊娠中期以降に気を付けたい高血圧や妊娠糖尿病予防にも、効果的といえます。
ビタミンB
細胞の成長・再生・活性化に効果的。胎児の成長には欠かせない成分なので、成長が著しい妊娠初期には強い味方となってくれます。
食物繊維
納豆には、さつまいもの3倍近い食物繊維が含まれています。妊娠初期は消化器官運動が低下しやすいので、腸内環境を整えるのに最適です。
セレン
細胞の老化を防ぐ抗酸化作用がある他、甲状腺ホルモンを活性化します。
カルシウム
「骨を丈夫にする」ために、必要不可欠なのがカルシウム。ママにも赤ちゃんにも必要な栄養素であることは言うまでもありません。
ただし、骨の成長にはたんぱく質も重要です。たんぱく質には「骨を伸ばす働き」があるのです。
納豆は、カルシウムとたんぱく質を同時に摂取することが可能なので、効率よく栄養を摂取することができます。
最後に
妊娠中、納豆は毎日食べても大丈夫です。赤ちゃんの成長をサポートするのはもちろん、ママの健康も支えてくれるはず。つわりで食べられないのでなければ、むしろ積極的に摂りたい食品です。
しかし過剰摂取は健康を損ねる場合があるので注意が必要。1日1パック程度を目安に、他の食品もバランスよく食べるように心がけましょう。
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