最近咳が止まらなくて苦しい…、咳をするたびにお腹が張ってしまい心配だ…、そんな悩みをお持ちの妊婦さん。
特に安定期前の妊娠初期の時期は、咳による腹圧が赤ちゃんに影響しないかと心配になりますよね。
咳による腹圧が赤ちゃんに及ぼす影響はどれほどあるのでしょうか。
また、なぜ咳が出るようになったのか、そこには必ず原因があるはず。
その原因を知ることで、何か対策が見つかるのではないでしょうか。妊娠初期に咳で悩む妊婦さんに、少しでも参考になれば嬉しいです。
妊娠初期の咳による腹痛と赤ちゃんへの影響
妊娠をすると風邪一つとっても長引いたり悪化したりしやすくなります。
さらにやっかいなことに、咳が伴う場合、かなりお腹に力が入ってしまうことも。そんなことから腹痛が引き起こされた場合、妊婦さんは自分の身体だけじゃなく赤ちゃんの身体も心配になりますよね。
咳で妊婦腹がうずく…陣痛じゃなくて腹痛というか筋肉痛というか何というか。あぁ痛い。こんな事続くと、ほんと早くでてくるんじゃないかと思う(T_T)
— YUKIHA (@yukiha7) 2016年5月26日
咳さえ治れば、それに伴う腹痛も頭痛も楽になるし、もう少し睡眠確保できるのになぁ。吸入器、さすがに妊婦用に薄いからすぐには治らないな。
— coko lu (@tocotokoLu) 2012年12月5日
妊婦の風邪ってこんなにキツイの?咳で吐きそうだし頭痛いしで寝れない咳する度にお腹張るから怖くなる。。普段風邪なんてひかないのに勘弁してーー。
— やまぐち ななみ(うさみ) (@usann_315) 2016年11月23日
大丈夫。子宮収縮とは異なる痛みなんです!
咳による赤ちゃんへの影響を心配されるママは多く、咳き込む際の腹圧が流産につながってしまうのではという問い合わせは、産婦人科にたくさんくるようです。
しかし、産婦人科の先生方は「咳の腹圧と子宮収縮は違うもの」という認識でおられるようです。
つまり、咳が直接流産や早産を引き起こすことはほとんどないということです。
ただし、安心するのはまだ早いです!咳が直接影響することはなくても、咳の原因によっては治療が必要になったり、赤ちゃんに何らかの影響を与えてしまう可能性があるのです。
そのため、咳が気になるときは、やはりなるべく早いうちに、かかりつけの産婦人科や内科に問い合わせることをおすすめします。
咳の出初めに
咳が気になり始めたら、医療機関を受診するのはもちろん、お家でも簡単にできるケアをしましょう。
- 部屋の湿度を上げる
- マスクの着用
- 喉によい食事を摂る
加湿器などを使って部屋の湿度をあげましょう。適切な湿度は50~60%(それ以上は、カビやウイルスによい環境となってしまいます)。夜、お風呂場にお湯を張って寝るのもいいかもしれません。
マスクをすることで、呼気の水蒸気が鼻や口の周りの湿度を上げてくれます。また、冷たい空気はのどによくありません。呼気で温められた空気を吸引することで、喉のケアにつながります。さらに気管支炎喘息などの原因になるホコリやダニの吸引も防ぐことができますね。
喉によいとされるのは、大根やレンコン、ショウガやはちみつです。下の動画でおすすめのドリンクについてご紹介します。ハチミツの糖分が気になるという方は、料理にショウガや大根を使用するなどして、喉によい食事をこころがけてみましょう。
考えられる咳の原因
考えられる咳の原因となる主なものをまとめてみました。たかが咳と侮ってはいけません。その原因には、放置していると大変なことになるものもあります。まずはご自身の症状がどのようであるかを確認してみましょう。
咳の続く期間 | 病状 | 原因 | 考えられる病気 |
~3週間 | 急性咳嗽 | 呼吸器感染症 | 風邪、気管支炎喘息 |
3~8週間 | 遷延性咳嗽 | 上記、下記どちらもあり得る | 上記、下記どちらもあり得る |
8週間以上 | 慢性咳嗽 | 非感染性疾患 | 咳喘息、副鼻腔気管支症候群 |
それぞれの治療法
風邪
風邪の場合は、病院で薬を飲むほどでなければ安静をとるよう求められるでしょう。発熱やのどの痛みも伴う場合は、抗生物質などの処方薬をもらうかもしれません。その場合、妊婦さんでも飲むことのできる薬です。薬を拒否して症状が長引くことで、赤ちゃんへの負担も長引かせないよう、きちんと治すことに専念しましょうね。
気管支炎喘息
気管支炎喘息は多くが、ダニやハウスダストなどのアレルギーが原因で、気管支に炎症がおこります。そのため、妊娠時以外であれば抗アレ場合は漢方薬や吸入式のステロイド薬、抗生物質などを処方されることが多いようです。
ここで注意したいのが、妊娠中の薬はよくないとの考えから薬の服用をせずにいると、発作がひどくなってしまい、低酸素状態を引き起こす可能性があるということです。そうなった場合、赤ちゃんが低酸素により脳障害を起こす危険もあります。医師に薬を処方された場合はママの身体を優先に考えてということ。きちんと薬を服用し、ママの健康を取り戻しましょう。
咳喘息
風邪などの感染症をきっかけに気道が過敏になり、喘息症状が表れるのが咳喘息です。症状がひどくなると、喘息に移行してしまうこともあるので注意が必要です。
妊婦さんが飲み薬を投与すると、血中濃度が高くなり、胎児への影響が心配されます。
そのため、気管支にのみ作用するステロイド吸入を処方されることが多いです。喘息系の疾患の場合、完治というイメージよりも、喘息をコントロールするというイメージで付き合っていくことです。発作が起きたら迷わず薬を投与して、呼吸が正常に行われるようコントロールします。
出産時に喘息が起こってしまうと、帝王切開になる場合もありますので、喘息症状が出た場合はそのコントロールに専念するようにしてください。
副鼻腔気管支症候群
慢性副鼻腔炎を患っている妊婦さんは、慢性気管支炎や気管支拡張症などの合併症に注意しましょう。こちらはめったに起こる疾病ではありませんが、慢性副鼻腔炎を長く患う女性の約5%が副鼻腔気管支症候群を引き起こしているようです。
治療は副鼻腔炎と気管支炎の両方の治療が必要です。万が一こちらの発症が疑わしい場合は、病院できちんと医師の指示を仰いでくださいね。
咳による影響よりも、咳の原因を見つけよう!
これまで見てきたように、妊婦さんは咳による腹痛よりも、咳を引き起こす原因となっている疾患に気をつけなければならないということがわかりました。もしも数日にわたって席に悩まされていたり、呼吸が少し苦しくなってきたりと、身体の異変を感じた場合は、躊躇せず病院を受診しましょう。
産婦人科、内科、どちらでも構いませんが、薬の飲み合わせなど注意も必要です。お薬手帳などで医療機関同士の情報を結び、より安全な方法で治療ができるようにしましょうね。
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