妊娠がわかり、嬉しい気持ちでいたのもつかの間、妊娠15週頃までには多くの妊婦さんが徐々に表れる体の変化を感じていると思います。
特に変化として顕著に表れるのが食べ物の偏り。
妊娠発覚前まではそこまで食べたいと思わなかったのに、突然そればかり食べたくなってしまう…、他の食べ物は戻してしまうけど、これだけは食べられる…そんな予想外の変化を感じていませんか。
この偏りが健康的に問題のなさそうなものなら心配はいらないのですが、摂取するのにちょっと抵抗がある…そんな食品である場合、食べるべきか我慢するべきか悩んでしまいますよね。
今回は中でも「カップラーメン」に焦点を当ててみました。
妊娠をしていなくても、カップラーメンはヘルシーとは言えない食べ物です。赤ちゃんがお腹にいる今、どうしても食べたくなったカップラーメン、一体どうすればいいのでしょうか。
意外と多い!?妊娠初期にカップラーメンが食べたくなる妊婦さん
妊娠15週までの初期にあたる時期に、カップラーメンやジャンクフードにはまってしまう妊婦さんは意外と多く見られます。
これはつわりによる偏食とも言われていますが、カップラーメンやジャンクフードしか身体が受け付けないというケースもあれば、他のものも食べられるのに何故か無性にそういったものを欲してしまうケースなど、症状も人によって様々です。
実際に妊娠初期にカップラーメンが食べたいと思うようになった妊婦さんの声を集めてみました。
・妊娠4ヶ月です。最近、なぜかよくカップラーメンが食べたくなってしまいます。お腹のベビーにあまりよくないというようなことを聞いたことがあるような気がしますが、やはりあまり食べないほうが良いのでしょうか?1週間に1回はどうしても我慢できなくなって食べてしまいます。
・カップ麺食べたいです。けど、赤ちゃんの万が一を思うと食べたくないです。お腹にまわる栄養が少なくすむ今は、こだわらずカップ麺を一口食べ、旦那に残りを片付けてもらうくらいならいいのか…
・インスタントラーメンは野菜を入れて食べてしまう日はありますが、本音ではカップラーメンが食べたいのです。この衝動はどうしたらおさまるでしょうか?それとも妊娠中にカップラーメンを食べても大丈夫でしょうか?
このように、偏食を感じる妊婦さんの多くが、「食べたい、でも胎児への影響が心配」という思いで悩んでいるんですね。
知っておきたいカップラーメンに潜むと言われている危険要因
では、実際にカップラーメンにはどのような危険要因が隠れているのでしょうか。その程度の大きさも含めて見ていきましょう。
①食品添加物
まず、カップラーメンと聞いて思い浮かぶのがこの「食品添加物」ではないでしょうか。食品衛生法では食品添加物について次のように定義しています。
添加物とは、食品の製造の過程において又は食品の加工若しくは保存の目的で、食品に添加、混和、浸潤その他の方法によって使用するものをいう。
食品添加物は、食品衛生法に基づいて、厚生労働大臣が安全性と有効性を確認して指定したもの以外、使用が認められていません。
(平成27年現在、449品目の指定があります。詳しくは厚生労働省HPをご覧ください。)
カップラーメンに含まれている主な添加物は、かんすい、増粘多糖類、香料、酸化防止剤、酸味料などが挙げられますが、これらの添加物を含め国内で使用されているものは、その安全性が認められているということになります。
もちろん人体に大きな影響はないというのは、免疫力のある大人について言えることで、妊娠中にはどの程度の問題が生じるかについては明確な研究結果がないようです。安全性が保障されているからといって安易に摂取し続けるのは、少し危険かもしれません。
しかしそうは言っても、現代社会において添加物がないものを食べることはとても難しく、私たちは多かれ少なかれ日々の生活で摂取しています。あまり神経質になりすぎず、何事も「摂取のし過ぎ」が危険だということを頭に入れておくことが大切なのではないかと思います。
②環境ホルモン
添加物の次に耳にする言葉かもしれません。発泡スチロール製のカップに含まれる物質が問題となっているんですね。そもそも環境ホルモンとはどのようなものなのでしょうか。
私たちの身体は、さまざまなホルモンが作用しあって体調を整えています。女性で言えば、生理や妊娠でホルモンバランスが崩れることで頭痛や気分の抑揚などが起こりやすいので、イメージしやすいですね。
本来は、体内で作られるホルモンによってバランスをとっている身体に、体外の環境中に存在する物質がまるで本物のホルモンのような影響を与えてしまうものを環境ホルモンと呼んでいます。内分泌がかく乱されてしまうことから「内分泌かく乱化学物質」とも呼ばれています。
この環境ホルモンによる人体への影響として挙げられるのが、生理不順や更年期障害、骨粗しょう症などです。カップラーメンの容器には人体に影響を及ぼすような環境ホルモンはないとの見解もあるようですが、懸念事項として議論されていることは確かです。妊婦さんは特に知っておいた方がいいかもしれません。
③赤ちゃんへのアレルギーへの影響
妊娠中に食べ過ぎたものが、子どものアレルギーを引き起こすと言われた経験をお持ちの方もいるかもしれません。これはカップラーメンに限ったことではなく、例えば妊娠中に卵サンドしか食べられなかった人が、出産後に子どもの卵アレルギーを知ったなどの実例が挙げられてのことのようですが、こちらもはっきりとした医学的・科学的根拠はないようです。
つわり期はどうしても食生活が変化しがちです。食べられるものを我慢したり、気にしすぎたりすることで、ママがストレスを抱えていてはよくありません。妊娠(特につわり)には必ず終わりが来るので、食生活を整えるのは体調が良くなってからにしましょう。
④カロリー、塩分
①~③の懸念事項を知っておくことも大切ですが、何よりも一番気にかけてほしいのがこのカロリーや塩分の面です。カップラーメン1つの平均値は以下の通りです。
カロリー:300kcal前後
食塩相当量:5g前後
これに対し、妊婦さんが一日に摂取すべきカロリーと塩分は以下の通りです。成人女性の平均値を基準として考えますので、妊娠初期の妊婦さんは下記の値に+50kcalと考えて下さい。
カロリー:身体活動レベル:静か(18~29歳)1750kcal
(30~49歳)1700kcal
身体活動レベル:普通(18~29歳)2050kcal
(30~49歳)2000kcal
身体活動レベル:強い(18~29歳)2350kcal
(30~49歳)2300kcal
塩分:7.5g
つまり、塩分に至っては、カップラーメンを1つ食べるだけで一日の摂取量の半分以上を一気に摂取してしまうことになります。妊婦さんの塩分の摂りすぎは、妊娠中毒症などを引きこす原因となり、妊娠中毒症は胎児への影響も十分に考えられます。因果関係が議論されている①~③の危険要因よりも、まずはこの塩分量についてきちんと把握しておくことが大切です。
関連記事(妊娠中毒症についてはこちらもご覧ください→★妊娠6ヶ月「太りすぎ?」「やせすぎ?」気になる体重管理)
カップラーメンの食べ方を考えよう
カップラーメンがよくないと言われる理由について、少し理解が深まりましたね。それでも妊娠初期における食の偏りは避けられないものです。であれば、危険要因をできるだけ取り除く努力もしていきたいもの。妊娠初期にカップラーメンを食べるときのポイントについてまとめます。
・毎日、毎食をカップラーメンにすることのないように
・麵をふやかす最初のお湯は捨てる
・ノンフライ麺や生麺を選ぶ
・食べられるのであれば、野菜や卵、海藻類などのトッピングを
・スープは飲まない
・できれば食べる時間帯を意識する
おすすめカップヌードル
「サイリウムヌードル」
麺に天然の食物繊維「サイリウム」を練りこんでいる、特定保健用食品です。お腹の調子を整える働きがあります。味はしょうゆ、シーフード、チキンタンメンの三種類があります。
(しょうゆ)
カロリー:156kcal
食塩相当量:3.3g
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「カップヌードルライト」
”おいしさ×198kcal×食物繊維”がキャッチフレーズの、低カロリーなカップラーメンです。おいしさはそのままなので、食べた後の満足感は変わりません。
カロリー:198kcal
食塩相当量:4.6g
(商品詳細)
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「カップスター Green Line」
同社から発売されている「カップスター しょうゆ」の特徴や食べごたえは残しつつ、塩分を30%カットした減塩カップラーメンです。
カロリー:307kcal
食塩相当量:3.4g
(商品詳細)
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妊娠初期にカップラーメン、リスクも念頭に
妊娠初期はつわりの症状が出やすく、食べ物の好みが予想もしないものへ偏ってしまうこともあります。しかし意識だけで改善できる問題ではないので、いかにストレスを溜めずに欲求と付き合っていくかが大切になってきます。不健康だから、リスクがあるからと無理をして避けるのではなく、リスクを知ったうえでどう上手に摂取していくべきかを考えて乗り越えましょう。
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