妊娠中の尿蛋白がまさかのプラス!
あなたは「何が原因なの!?」と、正直驚いていませんか?
自覚症状がほとんどないため、無理もありません。
実は妊娠中は体調に関わらず、どんな人でも尿蛋白が出る可能性があります。
しかも考えられる原因は意外にも多いのです。
そこで今回は妊娠中の尿蛋白に焦点を置いて、考えられる11の原因と対策についてご紹介したいと思います。
また±、+、++が一体どういう状態なのか、先輩ママの体験も含めて掲載しています。
気になる方はぜひチェックされてみてくださいね。
妊娠中、尿蛋白が出る11の原因
①妊娠による腎臓への負担
これがきっかけで蛋白がでているケースが多いです。
腎臓は血液をろ過し、たんぱく質などの必要なものを体の中に戻す。
不要になったものや水分を尿として排出する役割があります。
妊娠中は血液量も多く、赤ちゃんの不要なものまでママの腎臓で処理をしています。
そのため腎臓に負担がかかりやすい状態です。
この負担により本来、体の中に戻す予定のたんぱく質が、尿に漏れだし尿蛋白として現れます。
ですので妊娠中は体の不調を感じていなくても、誰でも尿蛋白が出る可能性があります。
またその人の腎臓の強度や負担の度合いによっても、尿蛋白の有無が関わってきます。
1つだけではなく、いくつかの原因が重なって生じている可能性もあります。
「自分の生活スタイルが影響しているもの」
「病気等リスクを伴うもの」
と大きくわけて2つ、他の原因が考えられます。
自分の生活スタイルが影響している原因
生理現象による仕方がないもの、注意する必要はありますが早急に深刻な状態になる可能性が低い原因です。
②運動不足
運動不足だと腎臓機能が低下しやすくなります。
そのため、お腹が大きくなって動く頻度が少なくなると出やすくなると言われています。
③体重増加
蛋白尿を引き起こす危険因子として、最も重大と言われるのが太りすぎです。
肥満になることも腎臓に負担をかけます。
④水分不足
あなたは水分をちゃんと摂取できていますか?
つわりが原因の水分不足なら、ある程度は仕方ないかもしれません。
しかし体重制限をするため、わざと水分を摂らないというような理由ならあまりおすすめができません。
水分を控えると更に腎臓に負担がかかります。
その影響により蛋白が漏れ出すことがあります。
⑤暑さ・寒さ
体への温度による刺激が尿蛋白に影響することがあります。
暑さの場合は大量の汗をかき、水分不足に陥っている可能性があります。
⑥塩分の摂りすぎ
食べ物から摂取した塩分は、通常腎臓から排泄されます。
しかしこれが摂りすぎとなると腎臓に負担をかけ、尿に蛋白が漏れる可能性があります。
⑦精神的なダメージ・体への負担
ストレス・興奮・疲労・寝不足なども尿蛋白が出るきっかけとなります。
このようなダメージは血行の流れを変化させ、腎臓に負担をかけます。
⑧おりもの
妊娠していることから、もしくはストレス・疲労が影響しておりものが増えることがあります。
おりものには蛋白が含まれています。
採尿の際それが混じり、影響している可能性もあります。
病気等リスクを伴う原因
妊婦健診で尿検査を毎回する理由は、以下のような症状を早期発見・早期治療をするためです。
プラスが出たことがある人は念のためチェックし、事前に予防をするよう心がけることをおすすめします。
⑨尿路感染症
妊娠中は細菌によって引き起こされる尿道炎、膀胱炎、腎盂炎(じんうえん)等の尿路感染症にかかりやすい状態です。
発症すると尿蛋白として症状が現れることがあります。
この中で一番怖いのは腎盂炎です。激しい悪寒・背中や腰の鈍痛・38℃以上の高熱等が生じるそうです。
最悪の場合、破水や早産のきっかけとなるため早急な処置が必要です。
⑩妊娠糖尿病
糖尿病ならプラスになるのは「尿糖」では?と思った人もいるかもしれませんね。
実は糖尿病によって腎臓が悪くなり蛋白が出ることがあります。
妊娠糖尿病になると、羊水過多・出産より前の段階で胎盤がはがれてしまう胎盤早期剥離・難産・妊娠高血圧症候群のきっかけとなったりします。
⑪妊娠高血圧症候群
血圧が高いことによって腎臓に負担がかかり蛋白が出ることもあります。
高血圧で蛋白もプラスなら、この症状が疑わしいでしょう。(※蛋白だけでは判断されません)
妊娠高血圧症候群は様々なリスクを伴います。
血管障害や臓器障害を引き起こし、場合によっては妊娠を中断せざるおえない状況になります。
妊娠中の血圧について気になる方はこちらの記事もご覧ください。
”https://fun-mom.com/kenko/7410/″
±、+、++ どういう状態?先輩ママの経験は?
±の状態は?
ごく微量の蛋白を検出した状態です。
「プラスが疑われる」という状態を表しますが、この時点ではとくに深刻に考える必要はありません。
原因のお話でもご紹介したように、尿蛋白は妊婦さんなら誰もが出る可能性があります。
そのため±では経過観察になることがほとんどです。
+(1プラス)の状態は?
たった1回だけ出たということであれば、すぐに問題になることはないでしょう。
とくに血圧やむくみ等がなく、気になる症状が蛋白のみという人は生理現象が原因になっている可能性も高いようです。
そのため経過観察という判断をする医師も多いです。
もしも2回以上プラスだった場合は更に詳しい検査をする可能性があります。
むくみでお悩みの方は、こちらの記事もご覧ください。
”https://fun-mom.com/kenko/7426/″
++(2プラス)の状態は?
+の蛋白量は33~99mg/dLに対し、++は100mg/dL以上と多くなります。
しかしこちらも気になる症状が蛋白のみの場合は、病気であると断定できません。
とはいえ注意する必要がある状態です。
再検査。もしくは入院する可能性があります。
先輩ママの尿蛋白プラス経験
様々な原因が考えられる尿蛋白。
それだけに経過や診断結果も様々です。
- 検査前にうっかりラーメンを食べてしまったことがあった。その時だけ+が出た。
- 毎回+、-、±と結果が違った。しかしとくに問題がないと言われた。
- 39週まで+と±をいったりきたり。高血圧・むくみがなかったので様子見でOKと言われた。
- ++が出て検査入院した。しかし原因は病気ではなく水分不足だった。
尿蛋白のプラス、それによる入院に関してはこちらの記事で詳しく書いています。
”https://fun-mom.com/ninshin-koki/7305/″
プラス経験者は要チェック!尿蛋白が起こす危険!?
蛋白が出ることは、生理現象等仕方がない理由も多いとお話しました。
しかしプラスで出続けることは、あまりよくない状態です。
漏れだした蛋白が、腎機能の低下・障害を起こす可能性があるからです。
もし障害が起こると、むくみ・血尿・尿量の低下、高血圧を引き起こしてしまうことがあるそうです。
また腎障害を放置していると、「尿毒症」という腎臓病の中でも深刻なものにかかる可能性も出てきます。
尿毒症は体内の余分な塩分・水分が排出されず、血液に溜まった状態になる怖いものです。
症状としては倦怠感・疲労感・食欲の低下・吐き気やおう吐、高血圧・睡眠障害が起こるとされています。
適切な処置をしないままでおくと、意識が朦朧とする等重篤な状態になることがあります。
ですので、仮に原因に問題がないとしても、何もせずにいることはおすすめできません。
あなたがプラス経験者なら、悪化しないための対策を今からしておくと安心です。
尿蛋白改善!悪化しないための対策は?
減塩
尿蛋白改善で、まず勧められるものが減塩です。
減塩は高血圧予防にもなるので、安心して出産するためにはやっておいて損はありません。
減塩のポイントは塩分の高いものを控える以外にも色々あります。
- 外食は極力控える
- うどん等の麺類は麺自体にも塩分も含まれていることを念頭に食事をとる
- 味噌汁にはお湯を足すor具だけ食べる
- 朝はパンより米にする
- もしも塩分を摂りすぎた気がしたら水をコップ一杯飲む
減塩レシピの検索もおすすめです。
動画サイトでも多数紹介されていますよ。
カリウムの多い食品をとる
カリウムは摂取した塩分の排出を促してくれる成分です。
減塩するとともに、摂り入れることでより効果がみられるとされています。
(食材例)
緑黄色野菜・玉ねぎ・蓮根・大根・ゴボウ・きゅうり
白菜・きのこ類・海藻類・アボガド・バナナ・納豆等
このうちのゴボウ・きゅうり・アボガド・納豆は腎機能の回復にいいとされる食材です。
意識してぜひ食事に摂り入れてみましょう。
糖分を控える
糖のとりすぎでも蛋白が出やすくなります。
とはいえ、妊娠中甘いものを摂りたくなるという人も多いと思います。
完全に摂らないとなると、ストレスになって逆効果になるかもしれませんよね。
そこで摂取の際は以下のような一工夫を取り入れることをおすすめします。
- 果物・さつまいも等自然由来の甘みある食べ物をとる(少量でも満足感あり。)
- 洋菓子1個より和菓子1個のおやつにする(温かいお茶でゆっくりいただくことで満足感がある)
- 甘いものを目でしっかり見て食べる(「ながら食べ」はつい摂りすぎてしまうきっかけに)
- 白米をしっかり食べる(食事で適度な糖質をとることで、甘いものへの欲求を軽減)
- バランスのよい食事をとる(偏った食事も甘いものへの欲求が高まるとか。)
甘いものがやめられない人は、こちらの記事もご覧ください。
”https://fun-mom.com/ninshin-shoki/5241/″
適度な運動をする
医師から特別運動を控えるよう言われておらず、体調がよいようでしたら軽めの運動をしましょう。
ウォーキングやストレッチなどが自分のペースでできるので、おすすめです。
妊娠中の運動はその他のトラブル予防や出産の体力作りにもなります。
睡眠をよくとる
これも改善するために大事なことです。
しかしひん尿や大きいお腹が影響して等の理由で、なかなか眠れないという人もいるかもしれませんね。
そのようなあなたは以下のような工夫をしてみましょう。
- 寝る前にパソコン・スマホを控える(これらのブルーライトが入眠の妨げに。)
- 寝る前に温かいミルクを飲む(入眠に効果的な要素が揃っている。)
- 寝る前にリラックスできる環境をつくる(読書、音楽鑑賞、アロマ、足湯等。)
- 昼間しっかり動く(夜が眠りにつきやすいかも。ゆっくり家事をこなすだけでもOK。)
- 昼寝をする(昼間眠れる環境なら、眠くなったらとにかく寝るように。)
無理はしない
尿蛋白の改善のみならず、健やかなマタニティライフを過ごすためにも大切なことです。
体や気持ちが辛いな・しんどいなと感じたら家事はお休みしましょう。
体力に自信がある人でも、妊娠中はちょっとした拍子に疲れやすくなったりします。
また上のお子さんがいる場合でも、部屋を安全な環境に整えた上でほんの10~20分横になる。
寝転がってもできる遊びなどで対応することも一つの手です。
最後に
妊娠中の尿蛋白は病気や体調不良が原因のものだけではなく、心配ないものもあります。
しかし仮に心配ない原因でも出続けることは病気にかかってしまう可能性があり、あまり好ましくありません。
一度でもプラスの経験があるなら、念のため食生活の改善等対策をとっておくと安心です。
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