妊娠は嬉しいはずなのに…どうしてか嬉しい気持ちが湧かずに悩んでいるパパやママはいませんか。
嬉しくない…
怖い…
おろしたい…
そんな気持ちが出てきてしまう自分に対して、罪悪感や嫌悪感を抱いていませんか?
妊娠は一人の人間をこの世に誕生させるという、人生の中でも大きなイベントの一つ。不安や恐れ、葛藤があっても不思議ではないんです。
ママだけではなくパパにもぜひ読んでもらい、お互いの気持ちの理解につなげていただけたらと思います。
妊娠、でも嬉しくない…怖い…おろしたい…―ママの気持ち―
妊娠、出産を経験する立場であるからこそ、ママは喜び以外の感情をたくさん感じてしまうのかもしれません。
お金や仕事、体調不良や出産への不安
妊娠をしたということは、子育てが始まるということ。女性は男性に比べ現実的な思考をすると言われていますが、やはり多くのママが
- これからの家計への不安
- 仕事が軌道に乗ってきたところでの産休に葛藤
- 一旦家庭に入ってからの社会復帰への不安
- つわりによる体調悪化や情緒不安定
- 出産時の痛みへの恐怖
- 産後の生活に対する周囲のサポートの有無
など、現時点だけでなく長い目で見たときの不安や葛藤を感じているようです。
家計についてはママだけが悩んでもダメ。
パパとしっかり相談をして、ママが働く必要があるかどうか、いつから社会復帰すべきか、保育園選びはどうするか、などを決めていきましょう。
また、実家など、サポートしてもらえる体制があるかどうかについても、夫婦で確認しておきましょう。
ママが働く(産休や育休後に復帰する)場合、これまでの仕事や引継ぎ、復帰後の立ち位置など、不安や心配が付きまとうことが多いですね。
これはパパにはなかなかわからない心情かもしれません。
お友達や会社の先輩ママに相談できる相手はいますか?同じ立場だからこそ、わかってもらえることもたくさんあります。
まずは周囲に相談できる人がいるか確認してみて下さいね。
出産時の痛みや産後の体調などは、10人の妊婦さんがいれば10通り、それぞれ違います。
もちろん経産婦でも、同じお産にはならないものです。
妊娠をすると誰もが通る道。不安や恐怖もあると思いますが、こればかりはやってみないと分からないです!!
ドンと構えてその日を迎えましょう!!
不妊治療の末、諦めかけていた頃に
時間もお金もかけたのに、いざ妊娠してみるとあまり嬉しくないと感じている自分に気が付く…そんなママもいらっしゃいます。
原因には
- 夫婦で頑張ってきたが、その関係性が心地よかったことに気づく
- 年齢が高い場合は、出産へのリスクが心配
- もしも妊娠が継続されなかったら…という不安
- 不妊治療を支え合ってきた友人の存在
などがあるようです。
不妊治療をしている場合、夫婦でともに取り組む場合がほとんどですが、お互いに支え合わなければなかなかできないこと。
このよい関係性を、妊娠によって失ってしまうのではないかという感情は自然なことかもしれませんね。
しかし、それだけ想い合っているご両親の間に生まれてくるお子さんはとても幸せですよね。
すぐには切り替えられないと思いますが、きっとすてきな家庭を気づいていけるに違いありません。
また、出産へのリスクや流産への恐怖については、不妊治療の有無にかかわらず誰にでもあるもの。
お腹のお子さんが元気に一日を過ごしていることに感謝をし、不安なことは周囲に打ち明けてため込まないようにしましょう。
不妊治療を支え合う友人の存在も大きいかもしれません。
報告をどうするか、相手を思えば思うほど苦しくなってしまいます。
今すぐに解決する事は難しいかと思いますが、いずれはきっとお友達も受け止めてくれるはず。
今はご自身の妊娠を、きちんとご自身で祝福してあげましょう。
もっと夫婦だけで過ごしたい
結婚をして間もなく子宝に恵まれた…そんな場合、本来なら喜ばしい出来事でも、
- もっと夫婦だけの時間を楽しみたかった
- 2人で旅行に行きたかった
と、結婚前に抱いていた新婚生活を送ることができなくなったことへの悲しみを強く感じてしまうママもいます。
妊娠中は思うように動くことができなかったり、産後には子どもの世話が生活の中心になっていくこと考えると、夫婦二人だけの時間を存分に味わいたかった、という気持ちが生じるのも自然なことかもしれません。
今の生活スタイルは変わってしまうでしょうけれど、それに代わる新しい「家族の楽しみ方」が味わえるようになります。
また、多くの先輩ママは
と言います。また夫婦の時間を楽しめるよう、いつまでも仲の良いご夫婦でいてくださいね。
2人目以降、上の子がかわいすぎて…
望んでいた妊娠であっても、上の子との時間が少なくなっていくにつれ、
- 上の子だけでもよかったのではないか
- 上の子と同じように愛せるか自信がない
と感じるママも少なくないようです。
目の前にいる我が子がかわいいのは当たり前。今はそれでいいんです。
上の子と同じように、お腹のお子さんも生まれてきたら愛おしい存在に変わっていきますよ。
今はたっぷり目の前のお子さんを愛してあげましょう。
妊娠が嬉しくない…不妊治療…夫婦関係…―パパの気持ち―
ママだけではなくパパも、妊娠を知って複雑な思いを抱いているようです。
不妊治療の末、諦めかけていた頃に
ママ側の気持ちとよく似ていますが、不妊治療が長引いた場合、
- このまま2人で仲良く暮らすのもいいかもしれない
- 子どもにこだわらず、夫婦の時間を大切にしていこう
と、心の整理をし始める方もいるでしょう。そんな矢先の奥さんの妊娠。
初めはなかなか素直に喜べないかもしれません。
特に奥さんが嬉しそうにしている姿を見ると複雑な気持ちになってしまうかと思います。
男性は特に、お腹で子どもを育てる期間がないのでなかなか実感しづらいことかと思いますが、家族という新しい関係性の中で少しずつ父親になっていけばいいのです。
夫婦だけの時間は必ずまたやってきます。その時に変わらず仲の良いご夫婦でいられることが、家庭円満の秘訣かもしれませんね。
夫婦関係が変わってしまうのではないか
妻のことが大好きだが、妊娠を機に夫婦関係に変化が生じたように感じてしまうことを懸念するパパもいるでしょう。
具体的には
- ママとの夫婦関係をもちにくくなるのでは
- 異性として扱うことができなくなるのでは
などですね。
もちろん妊娠をしているママの身体は、これまでとは違います。
仲良しをしたい気持ちを我慢しなければならないのも辛いかもしれませんが、いろいろなリスクをふまえ、妊娠初期は我慢をしましょう。
中期以降でママの体調が良い時は、身体に負担がかからない体勢で、優しくスキンシップを楽しんでくださいね。コンドームの使用を忘れずに!
妊娠が嬉しくないのは母性本能に原因があるの?
このように、妊娠を喜べない原因はいろいろありますが、ママの中には
と気に病む方もいるようですが、そんなことはありません。ここで母性本能というものについても少し触れておきますので、参考にしてみて下さいね。
母性本能とは
母性という言葉の意味は、
女性のもつ母親としての性質。母親として、自分の子供を守り育てようとする本能的特質。(ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典より)
と定義されています。
人類は遥か昔から、男性は狩りをして家族を養い、女性は子どもと家を守りながら暮らしてきました。
女性が妊娠・出産をする生き物であることから、子育てや子守は母親の役目、という意識が定着したのかもしれません。
この意識から、“子どもを守り育てようとする性質”が本能的に女性にある、という意味で母性本能という言葉が生まれたと言われています。
学術的には
しかし、この母性本能という言葉は学術用語としては使用されていません。
なぜかというと、あたかも本能だと思われがちですが、生まれながらにして備わっている能力ではないからです。
本能という言葉を使用してはいますが、実際には学習行動の一種であり、妊娠期間や子育てをしていく中で芽生え、育っていくものだと言われています。
これは母親に関わらず、父親にも言えることです。俗語ではありますが、父性本能という言葉も最近は耳にします。
母性本能がないのでは?と悩んでいるあなた、心配しないでくださいね。
少しずつ、ゆっくりと親になっていけばいいのです。
今は、喜べないという気持ちも含めて、自分自身を認めてあげましょう。
妊娠が嬉しくない、そんなパパママにおすすめの本ベスト5
妊娠に喜びを感じられない…そんなパパやママも、自分たちを責めないで!体験談やノンフィクションのおすすめの本をご紹介します。
番外編としてフィクション作品も1つ含めました。リフレッシュにちょっと一息、してみませんか。
①大丈夫やで 〜ばあちゃん助産師(せんせい)のお産と育児のはなし〜 坂本フジエ (著)
“赤ちゃんを信じて気楽にやればええ。そしたら万事うまくいくもんや。―4000人近い赤ちゃんを取り上げた日本最高齢の現役助産師によるきびしくてあたたかい、心に効くアドバイス集。(「BOOK」データベースより)”
②ママのおなかをえらんできたよ。 池川 明 (著)
“おなかに入る前のこと、ママとパパを選んだときのこと…子どもたちが話してくれた不思議な「胎内記憶」の世界。(「BOOK」データベースより)”
③ごめんね、ありがとう。 ー産まれることができなかった赤ちゃんから届いたメッセージー 326(ナカムラミツル) (著)
“ママをえらんで、ほんとうによかった。失われた生命が天使となって話しかける愛の物語。流産・死産を経験したママたちと胎内記憶をもつ子どもたちの話を元に綴られた4つの愛の物語。(「BOOK」データベースより)”
④うまれる かけがえのない、あなたへ 豪田 トモ (著)
“妊娠・出産をめぐるさまざまなドラマ。いのちの意味、親子・夫婦の関係の大切さ。(「BOOK」データベースより)”
⑤そういうふうにできている さくらももこ(著)
“この腹の中に、何かがいるのである。大便以外の何かがいる…!テスターによるショーゲキの妊娠発覚、どん底でバカバカしいギャグを考えてた悪阻期、悪魔の封印石のような強情な便との壮絶な戦い、と、期待にたがわぬスッタモンダの十月十日。そして、とうとう生まれたよ。あたしゃ、おかあさんになっちゃったよ。そう、まる子も人間、人間も宇宙の生命体、そういうふうにできている、のです。(「BOOK」データベースより)”
番外編:予定日はジミー・ペイジ 角田光代(著)
“流れ星を見つけたとき、あ、できたかもと思った。初めての妊娠。でも、「私、うれしくないかもしれない」。お腹の生命も大事だけど、生活って簡単に変えられないよ。ひとり驚喜する夫さんちゃんを尻目に、頼りなくも愛おしい妊婦マキの奮闘が始まる。目指すは、天才ロック・ギタリストの誕生日と同じ出産予定日!笑えて、泣けるマタニティ小説。著者描き下ろしイラスト多数収録。(「BOOK」データベースより)”
妊娠中の不安や葛藤、いろいろあって当たり前!
妊娠を望んでいたとしても、いざ赤ちゃんを授かってみると喜びよりも不安や葛藤が大きくなる…一般的には嬉しいはずの妊娠が、素直に喜べない。
このような心情は決して特別なものではありません。
一人の人間をこの世に送り出すということは、それだけ人生の中でも大きな出来事なんですよね。
お腹に赤ちゃんがやってきてすぐに親になれるなんてことはありません。不安や葛藤をいくつも乗り越えながら、親になる責任や覚悟が生まれてくるものです。
いろいろな心情が生まれて当たり前。決してそんな自分を責めないでくださいね。落ち込んでも泣いていても、10ケ月後にはこの世に生まれてくる赤ちゃん。
今を悲観しすぎず、ゆっくり時間をかけて家族になっていきましょう。数年後に今を思い出して、あんな時もあったね、と笑っていられたら最高ですね。