子どもが何かできるようになるたびに、いつも嬉しく見てきた1年半。
けれど、あれ?うちの子まだできない…周りの子はできているのに…と、少しずつ現れてくる個人差が、どうしても気になってしまいますよね。
特に1歳半になると、多くの子どもが自立歩行を始めていると、育児書にも書かれています。
歩かないのはどうして!?と不安に思っていたら、ぜひ読んでほしいです。不安は子どもにも伝染してしまうもの。できるだけ早くに不安を解消して、ストレスなくお子さんと過ごしてあげられますように。
育児は育児書通りではない
育児書や育児系の雑誌には、それぞれの発達に関する適齢期が書かれていることが多いです。
例えばお座りは生後5~8ヶ月、ハイハイは7~11か月…など。統計をとった結果なので多くの赤ちゃんはそこに当てはまるのかもしれません。
しかし、成長というのは本当に個人差があるもの。
育児書や一般論に気をとられて自分の子どもの成長のスピードを理解できずにいると、親である自分はもちろんですが、その不安が伝わって子どもまで不安定になってしまいます。
私の息子はハイハイが遅く、育児書を見ては不安になったものです。
しかし今では元気に歩いたり走ったり、思いのままに移動しています。そんな息子を見たら、当時の自分に「育児書はあくまでも参考。育児書通りなんていかないことばかりよ」とアドバイスをしたいくらいです。
1歳半、歩かない原因
育児書通りにはいかなくても、お子さんが歩かないのか、歩けないのかについては気にかけてあげるのがいいでしょう。そして原因を探りながら、その子のペースで成長していくサポートをしていきましょう。
歩かないのか歩けないのかという判断は、本やネットで一方的に調べるだけではわかりません。
やはりきちんと専門家の判断を仰ぐべきです。気になることがあれば、まず身近な保健所や発達相談支援センターなどで相談をしてみましょう。
1歳半のお子さんが歩かないことについて、考えられる大きな原因は2つです。それぞれの内容を確認して、焦らず対応してくださいね。
歩かない:「まだ歩きたくない!」のんびり屋さん
実は結構多いのが、こののんびり屋さんタイプ。ハイハイまでは順調だったのに、つかまり立ちや伝い歩きあたりからなかなか進まず、2歳~3歳で急に歩いたり走ったりするようになったというお子さんもいます。
友達の子供は2歳まで歩きませんでした。
友達はそれはそれは心配して病院のハシゴをしてましたが、原因がわからず、2歳の誕生日に不意に立ち、それまで歩かなかったのが嘘のようにいきなり小走りしたそうです。
現在3歳の息子も2歳前まで歩きませんでしたよ!用心深かったのか??伝い歩きとハイハイばかりでした。
周りからはまだ歩かないの?と頻繁に言われ、どこか悪いのか・・病気なのか・・と毎日心配ばかりしていましたが、2歳前頃から急に歩き出し始めました♪
うちには2歳の娘がおります。用心深い性格もあってか、1歳8ヶ月で歩けるようになりました。
ハイハイは9ヶ月頃から、つかまり立ちや伝い歩きは1歳少し前からだったので全体的に少しゆっくり目の成長だったように思えます。
こういった体験談からもわかるように、子どもの成長ペースは本当にそれぞれ違います。1歳前後で歩くようになる…と言うのはあくまでも一般論。
お子さん自身が「歩きたい!」という欲求をもつようになったときが、その子の歩くタイミングです。
このタイプの場合、焦らずゆっくりと見守りながら、成長を少しずつ促してあげるといいでしょう。
周りの子からの刺激
子どもは他人を良く見ています。大人数の中で生活をすれば、その分たくさんの刺激を受けてぐんと成長します。特に同年代の子どもからの刺激は、成長に大きく影響することが多いです。
そのため、保育園や幼稚園に通い始めた途端、トイレトレーニングがスムーズになったり、食事量が増えたり、発する言葉が増えるなど、お子さんの変化を感じる親御さんが多いようです。もしもあなたが今、周りとあまり関わらずにいる環境(家庭教育が中心になっている方など)ならば、支援センターや公園に積極的に出かけてみるのも、お子さんにいい刺激となるかもしれません。
いろいろなモノに興味をもたせる
子どもは基本的に好奇心が旺盛です。
見たい、触りたい、そんな欲求が、ハイハイやタッチを促しています。歩かないことに着目しすぎてしまうと、その好奇心の対象を狭めてしまう可能性もあります。こんな遊びが楽しいよ~、このおもちゃで遊んでみよう~など、お子さんが興味を示すようなモノや遊びをたくさん提供してあげましょう。
たくさん興味をもつことで歩きたい欲求が生まれてくるかもしれません。
また親としても、歩かないことへのストレスを溜めるより、一緒に過ごす時間を楽しむ方がずっといいですよね。
歩かせようと思いすぎない
どの方法にも共通していますが、一番大切なのはその子の成長を見守ってあげること。
歩くことだけでなく、これからたくさんの成長の差が出てきます。周りよりも早くできるようになることもあれば、その反対もあり、徐々に個性がはっきりとしてくるんですね。
不思議と親の不安な気持ちは子どもに伝わっているもの。「なんで歩かないの?」という不安な思いが、知らず知らずのうちにお子さんのストレスにもなっているかもしれません。
まずはその子のペースをしっかり理解してあげること。そして焦らずにそのペースを見守ってあげることで、お子さんは安心して成長していくはずです。
歩けない:脳、末端神経系、筋肉のいずれかに起因
歩かない、つまり、本人の欲求とは別に、何らかの要因があって歩けない場合は、療養が必要となります。
考えられる要因は、脳や末端神経系の障がい、あるいは筋肉に何らかの異常があるケースです。
私の子も1歳半健診までに歩けませんでした。
ハイハイまでは普通に発達していたのですがつかまり立ちあたりから他のお子さんから遅れるようになり・・ 言葉もなかなか出てこないために発達相談センターで療育相談を受けました。
原因はずっとわからず就学前に染色体検査をして原因が判明。今は精神発達遅滞で特別支援学校に通っています。
我が家には脳性麻痺の娘がおります。
腰に座りが遅いことから気が付いたのですが、一人座りが不完全であるのにハイハイやつかまり立ちなどは、腕の力の強かったせいか、なぜか月齢並みにできていました。
その為に小児科でも見過ごされてしまっており、1歳過ぎに母親である私の「何かがおかしい!」という感で障害を発見したのですが。
このように療養が必要なケースもあります。歩けない原因となる可能性のあるものを挙げてみました。気になることがあれば、専門機関で相談しましょう。
脳の障がい
脳性まひや脳萎縮など、運動機能に影響する脳の障がいはいくつかあります。1歳半になれば、言葉は発せなくともこちらの言っていることは理解できるようになってきています。
- 親や周囲の大人が言っていることを理解しているか
- 嬉しい時は笑うなど感情表現があるか
- 白目をむくなど顔つきに異変はないか
- 赤ちゃんの時にあった原始反射が残っていないか
これらの内容でお子さんをよく見てみましょう。いくつか該当する場合、専門機関でしっかりと伝えて下さい。
末端神経系の障がい
末梢神経には、筋肉を動かす運動神経、感覚神経、自律神経の3種類がありますが、特に感覚神経に障がいがある場合に、からだのバランスが崩れてしまったり、手足の位置間隔がわからなくなってしまったりするようです。
指先を使って物をつまんだり、積み木を積み上げたりすることができるかどうか、お子さんの様子を見てみましょう。
筋肉の障がい
先天性ミオパチー、筋ジストロフィー、重症筋無力症など、筋肉の病気や障がいもさまざまです。
専門医でしっかりと検査をされなければわかりませんが、1~2歳ではなかなか判断がされにくいようです。筋組織が未発達なだけなのか、何か異常があるのかをはっきり診断できる3歳くらいまでは、様子を見た方が良いかもしれません。3歳になっても歩けないような場合は、検査も視野に入れてみましょう。
検査を怖がらない
上記の原因に何か気になる点が一つでもあれば、専門機関で診断してもらうことをおすすめします。そこで何もなければ安心ですし、もしも何らかの療養が必要だという結果となっても悲観することはありません。
検査や検診は問題がないのが良いのではなく、問題を見過ごさないために受けると考えて、怖がったり悲しんだりせずに前向きな選択肢の一つととらえてみて下さいね。
検査などの相談は、地域の保健所や発達相談支援センターで受け付けています。
押し車や歩行器はメリット・デメリットを考えて
歩行の練習になると言われている押し車や歩行器については、メリットやデメリットを考慮してから購入することをおすすめします。どちらも歩行の練習に良いという反面、その子の成長スピードを越えた発達を促してしまう可能性もあります。ハイハイが長い方がよいという意見もあるほど。
おうちの広さや、お子さんが好むか好まないかなど、総合的に見て購入するかどうかの判断をされるといいでしょう。
子どもの成長をしっかり見てあげましょう
まずは、あなたのお子さんがどういう状態か(歩かないのか、歩けないのか)おうちでしっかりと様子を見てあげましょう。
必要であれば専門機関できちんと相談してくださいね。
歩かない、歩けない、どちらの場合でも、やはり大事なのはその子のペースです。
どんなに周りが焦っても急かしても、それで歩けるようになるわけではないですよね。「うちの子はこのペースなんだ」と、ゆっくり見守ってあげてほしいです。その上で、適切な促しができるといいですね。