それまで冷え症とは全く無縁。しかし、妊娠したとたんに身体の冷えを感じて不安になっていませんか?
赤ちゃんに影響はないだろうか、流産したりしないだろうか…。
妊娠中に冷えを感じる人はとても多いです。まずはその原因を知り、しっかり対策をすることが大切。
先輩ママが行っていた対処法は、簡単ですぐに実践できるものばかり。ぜひ参考にして今日から冷えをしっかり予防しましょう。
妊娠初期の冷え・寒気の原因は?
まずはその原因をおさえておきましょう。
妊娠超初期の場合(妊娠3週目から5週目ごろ)
生理予定日前に感じる寒気は、妊娠の兆候を表す場合があります。しかし、妊娠していなくても、生理前に寒気を感じる、という人は多いかもしれません。
通常、生理前は基礎体温が上がって高温期となります。身体は表面の血管を収縮させ、体内の熱を逃さないようにします。すると、外気温との差が大きくなり、寒気を感じることがあるのです。
本来、生理が始まれば黄体ホルモンが減少して低温期に。そうすれば寒気を感じることは少なくなります。しかし妊娠していると高温期のまま。予定日を過ぎても寒気がする場合は妊娠の可能性があるということになります。
生理予定日の1週間後以降でなければ、妊娠検査の結果ははっきりと出ません。ただし、敏感な人は体のわずかな変化を感じることも。
- 熱っぽさ
- 寒気
- 体のだるさ
- 眠気
- 胸のハリ
- おりものの変化 など
風邪の初期症状に似ている場合も多いため、このころはまだ、妊娠に気づいていない人も多いでしょう。
何かおかしいなと思っていたら、生理が1週間以上遅れていることに気づくことも。そこで検査薬を使用して、妊娠発覚ということもあるのです。
妊娠初期の場合(妊娠4週目から15週目ごろ)
この時期の冷えや寒気はつわりの影響かもしれません。
匂いに敏感になる、吐き気がする、めまいがするなど、つわりの症状もいろいろ。そのひとつとしてよく見られるのが冷えや寒気です。もちろん、まったくでない人もいます。
原因は1つではありません。どのようなことが冷えを招くのかみていきましょう。
ホルモンバランスの乱れ
妊娠中はホルモンバランスが大きく乱れます。自律神経も影響を受け、体温調節機能がうまく働かなくなることに。そのため、ほてりや熱っぽさを感じたり、それまで冷えを感じた事がない人でも、冷えやすくなったりしてしまうのです。
食欲が落ちてエネルギーが足りない
体温を保つためには、炭水化物、脂肪、たんぱく質などの栄養が十分に足りていることが必要です。
妊娠初期は、つわりが出ることも多く、食事が食べられなくなることも多いかもしれません。ムカムカするからと、冷たいさっぱりしたものばかりに手が伸びてしまうこともあるでしょう。
しかし、冷たいものは身体の内側から身体を冷やしてしまいます。なるべく温かい飲み物やスープで身体を温めることも必要です。
つわりがおさまったら、栄養バランスを考えた食事をとり、冷えの改善につとめましょう。
活動量が減って体温が上がりにくい
妊娠中は、身体がだるく、あまり動かなくなりがち。体の熱を作り、血流を良くしているのは筋肉です。そのため、活動量が低下すると、冷えをおこしやすくなります。
冷えや寒気は妊娠初期だけ?
妊娠初期に限らず、出産まで常に妊婦さんは冷えやすい状態です。
つわりの時期を過ぎると、吐き気やめまいとともに寒気もおさまったという人もいるかもしれません。
ただし、お腹が大きくなると姿勢が悪くなるため、血行不良になりがち。ホルモンバランスの乱れもあって、妊娠中はずっと冷えやすくなります。
冷えや寒気が妊婦や胎児に与える影響は?

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冷えや寒気を感じるからといって、すぐに赤ちゃんに影響を与えたり、流産したりすることはありません。
しかし、放っておくことは厳禁。母体や胎児に影響を及ぼす可能性も出てきてしまいます。
母体への影響
冷えると、次のような症状が出やすくなります。
- 足がむくんだり、つりやすくなったりする
- お腹が張りやすくなる
- 便秘になる
- 腰が痛くなる
これらは冷えによって血行が悪くなり、身体の末端まで血液が届かなくなるから。お腹が張りやすくなると、切迫早産の恐れも出てきてしまいます。
子宮の筋肉が冷えれば、効果的な陣痛が起きにくく、お産も長引くことに。痛みにも敏感になるため、陣痛がつらくなることもあるのです。
胎児への影響
母体だけではありません。冷えによる血行不良は赤ちゃんにも影響を及ぼします。
栄養がきちんと運ばれないため、低体重児になることも。また、お産が長引けば、早産や逆子になりやすくなります。
また、常位胎盤早期剥離の可能性も出てきます。これは、妊娠中にもかかわらず、胎盤が子宮から離れてしまうこと。赤ちゃんに栄養や酸素が届かなくなるので、とても危険です。
妊娠初期の体の冷えを取るには?
冷えは、深刻化する前に、しっかり対処することが大切。先輩ママも行っていた簡単にできる冷え対策をぜひ今日から実践してみましょう。
温かい食べ物や飲み物を飲む
できるだけ、温かいルイボスティーやココア、ホットミルクなどを飲んで、ゆったりとした気分で過ごすようにしましょう。
しょうがは、血流をよくしてくれるので、ぽかぽか効果が期待できます。ムカムカも抑えてくれるので、つわりと寒気におすすめ。毎日の料理や飲み物にちょい足ししてみてはいかがですか。
また、できればカフェインの多いコーヒーや紅茶は避けましょう。血管を収縮させて、あとから冷えを感じることがあります。
当たり前のことですが、冷たい食べ物は身体を冷します。つわりだからといって、さっぱりする冷えたジュースやアイスのようなものばかり取るのは控えましょう。
身体を冷やす食べ物を避ける
サラダで食べる事が多いきゅうりやトマト、レタスは、身体の熱を冷ます食べ物。できるだけ避けた方がよいでしょう。摂取する際は、熱を加えたり発酵させたりすると身体を温めてくれる食材になります。
かぼちゃ、にんじん、ごぼうなどの根菜類は、カラダを温める働きがあります。温かい料理で食べれば、冷え改善になります。
ただし、妊娠中に摂りたい葉酸は熱に弱いのが難点。生野菜などもバランスよく取り入れるようにしましょう。
フットバス
どうしても寒気が続く時には、足元を温めるのがおすすめです。
内くるぶしの指2本分上あたりに冷えに効果的なツボがあります。バケツにお湯を張り、そこまでお湯に浸かるようにすると良いでしょう。次第に下半身から血流が良くなって、ぽかぽかしてきます。
他にも、湯たんぽを使ったり、靴下をはいたりして対策するとよいでしょう。
首・足首・手首を冷やさない
首・足首・手首を冷やさないようにすると、身体が温まりやすくなります。
特に首は、リンパが集まっています。冷やすと喉が乾燥したり、痛みが出たり、風邪のような症状が出やすくなります。マフラーやストールを巻くなど、外気にさらさないようにしてから出かけるようにしましょう。
お腹には腹巻き
お腹を冷やさないこともとても大切。冷えがあると、骨盤内の血流も悪くなって、赤ちゃんに栄養が届きにくくなってしまいます。
シャツをインする、腹巻きをする、タイツやスパッツを履くなど、下半身に一枚多く身につけておくだけでも、冷えを予防できます。
手のグーパー体操
手をグーパーさせ、ブラブラと振ってみましょう。それだけでも、身体全体の血流が良くなり、冷たさが取れてきます。
体がだるくて運動量が減ると、余計に血流が落ちて冷えがおきやすくなりがち。座りっぱなしや同じ姿勢が続くことがないように、適度に動くようにしましょう。
乾布摩擦や体をさする
肌をこすると血行を良くします。シャツの上から軽くさするようになでるだけでも刺激になります。気付いた時に胸、腕、太ももなどをさするようにこすってみましょう。
足先を冷水・温水で刺激
お風呂に入るときに、足先を冷水と温水に交互につけて血流を良くしてみましょう。シャワーで水とお湯を交互にかけてあげるだけでも違ってきます。
おわりに
冷えを放っておくと、ママの身体だけではなく、赤ちゃんにも影響を及ぼしかねません。
初期に限らず、妊娠中に冷えは厳禁!食事に気をつけたり、下着を1枚多く身につけるなど、夏でも身体が冷えないように、常に注意しましょう。
また、冷えや寒気とともに高熱がでる場合や、お腹の痛み、出血などがみられるときには、要注意。すぐにかかりつけの医師に相談するようにしましょう。
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